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漁夫る

漁夫る、という言葉がある。

ある国では、こんな意味だ。

誰かと誰かが争っている。別の誰かは高みの見物。争う二人が疲れ果てた時、その別の誰かが、二人が求めていた戦果を、しれっとさらってしまう。

つまり、漁夫の利を得るから、漁夫る。

ある国では、こんな意味だ。

その人にとって、毎日毎日が勝負。天候だとか波だとか魚の気分だとか、自分の力だけではどうしようもならない何かに日々の釣果は左右されてしまう。それでも、へこたれない。今日が駄目でも、明日。次への準備を怠らない。家族を養うために。

まさに、海と戦う漁夫。漁夫の如く自らの仕事を全うしようとストイックな人を、漁夫るという。

さて、どっちの国で暮らすのがいいだろう。

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