Face Down
不思議で、大人びていて、黒い服ばっかり着てるんだけど、どこか眩しいヤツだった。
学校には来たり来なかったり。誰とも群れない。僕が塾帰りの夜道、よく出くわした。
散歩だよ。そう言ってヤツは、なぜか僕をいろんなところに連れて行って、いろんな話をしてくれた。
バイトでコツコツ貯金してること。そのお金で早く海外に飛び出したいこと。誰にも頼らず自分にしかできない仕事を見つけるんだって夢。そんな生き方を無言で認めてくれる親への感謝。
二人でぼーっと夜空を眺める。なぜか帰るのがもったいなくて、でも手持ちぶさたになって僕が参考書をめくると、ヤツは言った。わからない問題、ある?
すらすら解き方を教えてくれた。
君はいま、地球のどこにいるんだろう?
いつかまた、一緒に夜空を眺めたいな。
あれからいろいろあって、僕もちょっとは大人になった気がする。
だから今度は互いに語り合いたい。夢や挫折を。
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