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細部の調整はイラストに直接描き込んで指示を出す【AIイラスト】

良いAIイラストが出来上がっても、部分的にもう少しこうだったら、というのはよくあります。

そんな時に、生成ガチャに頼らずに思い通りの絵を出力するためには、絵に直接描き込んで指示を出すのが効果的です。

ここでの手描きとは、人力の描き込みによる最終的な仕上げではなく、最後はi2iで仕上げるための元絵作りのことです。

注意:以降の記事中に、下着姿など少しえっちなイラストが含まれます。


基本パターン

プロンプトのみで指示を出す

まずはやってみましょう。「目隠れ娘」の場合で考えてみます。

左:元絵。右:i2i後

プロンプトだけで片目を隠そうとする場合、一応はうまくはいきます。しかし、ここは前髪のパターンが少なく、細い調整がとても難しい箇所です。悪くはありませんが、これ以上の目立った変更はできません。

絵に直接描いて指示を出す

今回は前髪をもっと伸ばしてみましょう。前髪を描き込んでからimage2image(i2i)で仕上げます。

左:描き込み後:右:i2i後

きちんと目的の髪型で出力されました。髪の艶も描き込まれ、綺麗に仕上がっています。

「手描き」とは言っても、上のイラストくらい雑で構いません。これだけで、あとはいい感じにAIが解釈してくれます。

絵で指示を出す

要点としては完璧な絵で修正する必要はなく、目的の絵を出力する確率を上げられる絵であれば充分だと言うことです。

大切なのは、書き込んで指示を出すということであり、細部まで完璧な絵である必要はありません。

仮に細かく描き込んでも、それもまたAIに修正されてしまうのでほとんどの場合で無駄になります。

人間とAIの役割分担

AIイラストにおいて、描き込むのはAIの仕事であり、人間はどんなイラストが欲しいのか指示を出すのが役割です。

生成ガチャに疲れたら、手描きと言う別角度から、どう描いて欲しいかをAIに伝えてみましょう。

ある程度慣れてくると、ガチャに頼り切らずに、手描きで調整した方が早く簡単になってきます。

少し手間がかかるのは事実ですが、ガチャに頼らずに、確実に前進するというのは精神的にとても楽です。


続いて、その他の具体例として、「イラスト差分」を作る工程も載せておきます。基本的な考え方は上と同じです。

イラスト差分作成例

1. 素体と衣装の差分

下着姿の素体を元に、衣装を着せる手順を考えます。

この場合はi2iのインペイントが定跡ですが、範囲が広く素体の形状を保つのが難しいです。

# 左
laced black bra, laced panties, black panties, side-tie panties,
fingernails,
# 右
white collared shirt, sleeves rolled up, cleavage, black bra peek,
clothes around waist, navy pleated skirt, mini skirt,

出力結果が大きく崩れているわけではありませんが、左右を見比べると、AIらしい細部の差異が目立ってしまいます。

お胸の大きさやブラの形が全然違いますね。個人的には乳袋が際立ち過ぎるのが好みではありません。

全く別の構図であれば大して気になりませんが、同じ構図の「差分」として考えると、ちょっと問題があります。

2.手描き修正で差分を作る

元のイラストを切り貼りしてから、細かい部分を塗りつぶしていきます。ついでに差分を作っておきたいので、腰のカーディガンは一旦外します。

今回はさらに雑さが目立ちますが、ひとまずこの程度で問題ありません。
うまくいかなかったら、その時はもう少し具体的に描き込みます。

white collared shirt, sleeves rolled up, cleavage,
black bra peek, laced black bra,
navy pleated skirt, mini skirt,

ブラの細かいデザインなどは維持しきれませんでしたが許容範囲内なのでよしとします。

このように手描きで指示を出したことにより、目的の衣装を着た上で、素体のお胸の大きさや足の角度などがきちんと残っています。逆に、胸ポケットの小ささや角度の違和感もそのまま残ってしまっています。(修正し忘れ)

3.腰にカーディガンを巻く

続いて、腰にカーディガンを巻く差分を作ります。
さらに色もピンクに変更してみましょう。

white collared shirt, sleeves rolled up, cleavage,
black bra peek, laced black bra,
navy pleated skirt, mini skirt,
pink clothes around waist,

これも適当に切り貼りして、上からピンク色を塗ってあげるだけですね。
これも雑に感じるかもしれませんが、やはり問題ありません。

こういう細かい場所は、最初からプロンプトでピンクを指定すると、色移りで予期せぬ場所がピンク色になる可能性があります。

そいういう場合は、最初は色指定せずに出力して、後から手描きで変更すれば、指定した箇所だけ色を容易に変えられます。

特に色を事前に変えてあげることで、Denoising strength (ノイズ除去強度) を低く抑えることができ、形の崩れを抑制できます。

拡張機能やらで、個々の色を制御するのも一応可能だそうですが、私の場合はこのように、後から色を塗ってi2iの方がずっと簡単に感じます。

4.スカートのみの差分を作る

ここまでのイラストを組み合わせて、スカートのみの新しい差分を作ります。

スカート部分を切り取ったものを、素体に貼り付けます。そしてシャツに隠れて見えなかった部分を軽く足してあげます。

black bra peek, laced black bra,
navy pleated skirt, mini skirt,

この程度であれば、わざわざ描き足す必要はなさそうですが、スカート部分の切り貼りついでにちょっと工夫してあげることで、予期せぬ生成結果を排除し、想定通りの出力結果を得られる確率が上昇します。

5.スカートの色を変える

最後にスカートの色と模様の変更もしてみましょう。

black bra peek, laced black bra,
brown skirt, checkered skirt, pleated skirt, mini skirt,

これも上のピンク色と同様に、色や模様が他の箇所に移ってしまう可能性がある箇所です。この箇所も直接色を塗り、スカートは茶色のチェック柄であることをAIに指示します。

雑なチェックの描き込みでも、これだけでチェック柄の出現率が大きく変わります。

このように下ごしらえをしておくことで、元の形をほとんど維持したまま色と柄の変更がやりやすくなります。

全体のプロンプト

# 素体
1girl, huge breasts, light yellow skin, curvy, slim,
# 髪
blonde hair, side ponytail,
pink scrunchie,
# 顔
black eyebrows, red eyes, pink lips,

# 衣装
(ここだけ違う)

# 表情
smirk, teeth,
# 演技
standing, arched back,
one hand on hips, one hand on breasts, breast suppress,

# 構図
cowboy shot, solo,
from front, straight-on,
# 背景
simple background, white background,

プロンプト構成については次の記事を参照してください。


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