あなたはなぜ読書をしますか
『それでも読書を止めない理由』
デヴィッド・L・ユーリン著
井上里 訳
柏書房
私はこの本に大学の図書館で出会いました。
この本に出会う数日前、私は私の読書人生を否定され、文字通り"感情がぐちゃぐちゃ"で数日間どんな本を読んでも立ち直れませんでした。
その人からすると私は自分の気持ちを言語化することが得意ではないらしく、
「日本語を勉強した方が良い」
と言われました。
「言葉にできなきゃ、それは考えてないのと同じだよ。よく本を読んでいるから、もう少しわかると思ったんだけど。もしかしたら今まで本をちゃんと読めてなかったのかもね。」とも言われました。
その人にとってはただポロっと出た言葉にすぎなかったのかもしれません。
しかし私の胸には深く刺さりました。
日本語を勉強したほうが良い???
20年間生きてきて初めて言われました。
「本を読めていない」。
私は本を読めていなかったのか?
そもそも本を読めるとはどういうことですか。
今まで私が読んだ本たちは一体何だったのか。
無限に出てくる問い。
私の中には、こんなにも本が生きているのに。
血液の中には、今まで本で読んだ文章たちが流れていると言うのに。
壁にぶつかった日
寂しくて眠れない日
怖くて朝を拒否していた日
いつの日であっても本に救われていたというのに。
読書家ではないけれどそれなりに本は読んできたし、本を通じて世界が少しずつ豊かになってきていたのに。
突然思いっきり鈍器で殴られたような衝撃だった。誰もいない崖に突き落とされた気分。
私はあまりの衝撃に、何も言い返せず私はただ黙ってその人の話を聞いていた。
言い返せないのはすごく悔しかった。
言い返せないのはその人の言葉を肯定している気分になった。
確かに私は日本語を勉強する必要があるかもしれないけれど、読書はもっと自由だし、そんな1通りの解釈だけの読書なんてバカげてる。
それに。
人の読書を否定しないでほしい。
すごく腹が立ったけど、その言葉があって私はより勉強したし、より本を読むようになった。
今はむしろその人に感謝している。
あの言葉を言われたから、私の読書はより深いものになったし、読書そのものについて考えさせられた。
私は私の読書人生が否定されようと本を読み続ける。
「もう文学は死んでるね」から始まるこの本は「読書」と「文学」については書かれているのでぜひ読んでみてほしい。
まい