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大人を知って、大人を憧れた本。


どうも、私です。
はる。でごさいます。

なんかこうしてnoteを更新するのも久しぶりですね!
皆さんいかがお過ごしでしょうか??

私は今年4年生。
就職活動を行う中、何かと子供の頃を思い出すことが多くなりました。


そんな私が紹介する本はこちら。

金原ひとみ「蛇にピアス」集英社

私がこの本に出会ったのは中学生の頃
当時の私は、海外のファンタジー小説しか読まない偏読家だった。

私の好きな人がこの本を読んでいると知り、内容を確認しないまま衝動で購入していた。


あの時の私は純粋無垢で、ピアスともスプリットタンとも、性行為とも無縁であった。

そんな私がこの本を読んで感じたのは好奇心と背徳感。
まだ触れてはいけないようなブラックな世界観に思春期特有の「かっこよさ」を感じて虜になっていた。


大学に入り再読した際、私は私自身に落胆した。
昔の自分の読みの甘さと、今の自分の純粋さがかけた姿に。

中学生の私だったからこその世界が見えてたんだなぁと実感した。


この本の良さを大学生の私が語るとすれば、テーマは2つあると考える。
【ブラックな世界観の中にある本質的な純粋さ】と【虚無感】である。

中学生の時に感じたように、登場人物が生きている世界はとてもブラックで、中々踏み込める場所ではないと私は思う。
しかし、登場人物自体は心がとても純粋である。
純粋だからこそ起こる過ちによって加速するストーリー展開、純粋だからこそ感じる【虚無感】


作者がこの小説を発表したのは20歳の頃

作者は幼少期不登校になり、リストカット(自傷行為)を行った背景がある。
主人公の「私」もピアスを開けるという自傷行為から不安の解消や現実から逃避していたのではないかと考えることがある。

実際に私の友人にもピアスをたくさん開けている人がいるが、彼は揚々とリストカットと同じだと話していた。

私も今年21歳を迎え、作者近い年齢にある。
そんな私でも日常の中に虚無感を感じることが多々ある。

「なんかもう、どうでもいいや」と感じたり、言葉に言い表せない暗い衝動を感じたり……


これも若いからこそなのかもしれないが、それはまた私が10年後に再読した時に感じるのであろう。


私が大人を知って、大人を憧れ
20歳の未熟さを知り、子供を憧れた。

それに気づかせてくれたのがこの本でした。
貴方はこの本を読んでどのように感じますか?


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