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【インタビュー】POPとJAZZの幸せな融合。ジャズポップバンド、モクメルイボスの新曲「歩く」と、その音楽性のルーツに迫る<後編>

8月に新曲「歩く」をリリースしたモクメルイボスへのインタビュー前編では、メンバー自身の音楽ルーツやバンド結成についての話を伺った。

後編では、いよいよモクメルイボス楽曲と、新曲「歩く」の魅力に迫る。

モクメルイボス楽曲を形成する「ジャズ」と「ポップ」の要素、そしてそれらが融合した傑作(筆者は惚れこみすぎて数百回聴いている)「歩く」についてメンバーに語ってもらった。

前編同様、後編のインタビューも楽しんでいただいたいと思うと同時に、是非この機会にモクメルイボスの楽曲の数々、そして「歩く」を多くの方々にたくさん聴いていただきたいと切に願っている。



ポップな曲中に漂うジャズ感が魅力のモクメルイボス楽曲

ーバンドの成り立ちをお聞きしたところで、次はディスコグラフィーについてお伺いできればと思います。元々Daichiさんとわざざさんから始まったユニットなので、わざざさんが作曲する曲とDaichiさんが作曲する曲に分かれてたと思うんですね。本当にお二人の通ってきたルーツの違いというのが顕著にメロディーラインに、曲のアプローチに現れてるなと個人的には感じているのですが、その辺りはお二人はいかがでしょうか。
 
わ:本当にその通りだと思います。
 
D:その通りだよね。で、それを均質化しようとは思ってなくて、その 違いを違いとして尊重し合って、和座がこう考えたのならそういった曲を作ろう、 僕がこう考えたんだったら、一旦僕の方向でやってみようというのがいいところなのかなって思ってます。
 
ーそれぞれの曲ごとに、わざざさんの方の雰囲気を活かそうとなった時に、わざざさんのポップな曲の中に入ってくるジャズの要素のさじ加減が絶妙ですよね。間奏とか。
 
D:間奏とかのソロはもうそれしかできないから、その時間を自分のできるアプローチでやったりとか。伴奏のコード使いとかは、自分のできる範囲のことをやってるだけなので、どうしてもジャズが出ちゃってる形にはなるんですが、和座のポップな曲の中でみんなでジャズっぽいことするというのが、面白さというか、それが特徴になればいいなと思ってやってるところではありますね。和座の曲をやるとジャズを通ったポップスのサウンドに寄ってていって、 やりながらイけてるなと思いながらやり取りするのが楽しいですね。
 
わ:そういう曲になればいいなと思ってはいます。自分はすごいテクやリズムを使ったりとか、そういう技術はあんまりないんで、逆に言うとそこは丸投げしちゃってるって言い方もできるとは思うんですけど。でもやっぱり自分はポップスが好きなので、 ポップネスを感じる曲でできるだけ歌詞もいいものを書きたいと思ってるんです。そういったものがあった上でジャズをいい感じにブレンドできたら面白い音楽になるなというのはいつも思ってることだから。他のみんなのプレーでいつもジャズとしてのサウンドになってくれるので、すごく自分はやってて楽しいですね。
 
ー楽曲に最初からポップスの雰囲気を感じながらも、 ちゃんと聴かせどころがあって。ちょっとしたコード1個で雰囲気が変わるんです。ポップなんだけど、ここで一気にジャズモードに入りますみたいなギアがコード1個で入るような曲がモクメルイボスの曲には多いなと感じています。今度は逆に、Daichiさんが書かれる方の曲はがっつりテクニカルなので、何となくではありますが、こっちはわざざさん、こっちはDaichiさんが作ってると分かります。サブスク楽曲にはクレジットが出てるじゃないですか。9割方外れなかったです。
 
D:逆に外れた曲が気になりますね。
 
ー『海沿いの道を』とか、外したかもしれないです。
 
m:キーチェンジが多いですもんね。
 
わ:確かに。でもあれ、自の中では自分っぽい感じがしてました。だから結構新鮮ですね。
 
ーこういうアプローチは、ちゃんとある程度ジャズを通ったコード感を持ってる方じゃないと浮かばないメロディーだろうなと思っていました。それでですね、ライブでやった時に印象的で今日改めて聴いてやっぱりこの曲すごく印象的だなと思ったのは『鮑(あわび)』でした。この間のライブのMCを聞いた時に、これ現代版ジャズ版『およげ!たいやきくん』だなと。

わ:そうかもしれない。全く意識してなかったです。
 
D:あの曲は結構作り方が面白くて。携帯のメモに和座が書いてた短い詩からオケを作って、そこにもう一回和座に詞をあて直してもらった曲なんです。アワビが焼かれる時の曲というのは言われてたので、絵本みたいな作品、ちょっと面白くてシュールな作品を作りたいなって思って、 最初のリフを書き始めた感じです。
 
ーこの曲はリズムがテクニカルで、これはジャズとかフュージョンを通っていないと、このリズム感は出せないと思ったのですが、その辺りリズム隊のお二人はどう感じますでしょうか。
 
藤:どうなんでしょうね。
 
m:ジャズマンとしては複雑なプレーが好きなので、そういう意味でDaichiさんの作る曲はおのずと本能が引き出されるなという感じはしまして。特に『鮑』に関しては、ポリリズムだったり変拍子があったり、普通とは違うコード進行とかあって。それこそバンドで言うとなんかCRCK/LCKS (クラック・ラックス)とかモノンクルとか、長谷川白紙さんとかそういう雰囲気がありつつ、丸パクりとかじゃなくてDaichiさんのオリジナリティが出ててすごく素敵な曲だなと思ってます。やりながらジャズ的な崩し方ができるので、ベースはあえて普通のリズムじゃなくてちょっと複雑なことしようとか、そういう遊びができる。ジャズルーツなので、遊びの幅もあって面白い曲だなと思ってます。
 
藤:ある程度サークルとかでやってきた以上、このくらいのテンポだと、 こんな感じの裏拍の位置だよねというのは、多分意識しなくてもなんとなくあると思うんですよね。そこらへんをちゃんと、それこそアイコンタクトで感じてやれてるのは結構大きな武器なのかな。裏拍の位置を、自分は相手を見て感じながらやれてるのは一つ大きいのかなと思います。そうそう、ちょっとだけ具体的な話をすると、例えば早い曲だったら裏拍の位置はより八分(音符)近くになるんですよね。 テンポが遅い曲だと三連符からより深いところになりますし。そういうのをジャズじゃなくてポップスの曲の中で、そういう裏拍の位置の移動をできるようになりつつあるのかなと思います。
 
ー私はこれをライブで聞いた時に、『およげ!たいやきくん』を思い出したのですが、この曲ではたいやきくんは最後食べられてしまいます。『鮑』はラブソングというか、主人公以外にちゃんと相手がいる物語になっていて。そんな世界観を構築できてると感じたのですが、 最終的にこの歌詞をまとめ上げたわざざさんとしては、その辺りいかがでしょうか。
 
わ:人間のラブソングはちょっとこっぱずかしくて、自分はそんなに多くは書かないんですけど、 アワビ同士のラブソングだったら書けるというか。アワビ同士だから、人間が言うようなフレーズがまた違った角度で聞こえるって面白さがあるなと思って。歌詞について話すのってかっこ悪いかもしれないんですけど、焼かれていく2匹のアワビも恋人同士というか、男女の関係を想定してるんですけど、焼かれているのを見ている人間たちも恋人同士っていう、食物連鎖じゃないですけど、そういう風に繋がっていってるという。で、その恋人同士によって、その恋人が焼かれていく残酷さとか、そういうのも含めてぐちゃっとした歌詞にしたかったんですよね。
 
ーさっきですね、久しぶりに『よく生きている』を聴いて、涙ぐみながら帰宅しました。タイトルが絶妙ですよね。歌詞の中で「よく生きている」というフレーズが出てくるタイミングがすごく絶妙で。本当に名曲だと思います。語り継がれてほしい名曲だなと思いました。

わ:めっちゃ嬉しいです。

ポップでジャジーな新曲『歩く』がついにリリース!

ー最後に新曲についてお伺いできればと思います。私は新曲ができる過程をとある事情で1年間追っているので、デモテープぐらいの段階から「この曲はもう名曲だ。大好きすぎて仕方がない」ということをずっと言い続けてきました。
 
わ:ありがとうございます。
 
ー歌詞が素晴らしいのもそうなんですけど、単純にこのコード進行が昔から大好物で。
 
D:6251の(※日本のポップスにおける定番のコード進行の一つ。米津玄師『感電』などで使用されている)。
 
ー数字で語るとそういう感じですね。コード進行の数字で語るといろんなJ-POPが語れますが、好物のコード進行だというのがまず最初は大きかったんですね、個人的に。デモテープ段階から、いよいよこの曲をバンドでレコーディングをしてみることになったきっかけみたいなものがあれば教えていただければと思います。
 
わ:レコーディングスタジオ(林田涼太さんのいろはスタジオ)を紹介していただける流れになって、じゃあ何を録音しようとなった時に、ちょうどその時に作っていた曲が『歩く』だったので、それで録音してみようということになったんだと思うんですけど。本当にタイミングですかね。
 
ーポップスをはじめいろんな楽曲が存在しているのが日本の音楽のいいところだとは思うんですけれども、『歩く』はメロディーラインもうまくできてると個人的には感じています。数回聴くだけで曲全体のメロディーラインを何となく覚えてしまったぐらいなので。コード進行もメロディーラインも絶妙だと個人的には感じておりますが、演奏されてるDaichiさん、藤田さん、maroさんはいかがでしょうか。
 
D:和座の曲は基本的に歌と歌詞がセットで存在してる感じなので、自然な流れのメロディーで、かといって単調にはならずところどころにフックが効いてて、すごく考えられてる曲だなというのは『歩く』に限らずどの曲でも和座の特徴としてあるんですけれども、今回の曲も歌が本当に乗るような歌詞とメロディーでいい。僕らもすごく好きな曲ですね。で、歌詞についてもいいですか。和座の歌詞って聴いた人の頭の中に絵筆というかデッサンを走らせるような、そういった曲が多いのかなと思ってて。私的な感情がベースにはなってるのかもしれないですけど、その断片には、他の誰が聴いても普遍的に心の中で共鳴し合えるような、そういった瞬間が散りばめられてるのかなというところが初めて聴いた時から印象的でした。
 
藤:今回人生初めてレコーディングだったんですよね。それでしっかり曲を把握してたくさん練習して、とにかく一生懸命やりました。気の利いた答えができないんですが、やっぱりドラムがレコーディング遅れると全てがずれ込むという事情もあり、とにかく練習して。だから、もう無心の状態で一通り全部曲を通せるように、 たくさん練習して録音しました。
 
m:ちょうど録音時期が出会った頃になりますよね。弾いてみてください、みたいな形で参加させていただきまして。個人的にはシンプルなプレーで収めたかな、という形になりますね。 シンプルなんですけど、先ほどDaichiさんが言ったように、こまめなフックと掛け合いがあって。ちょっと個人的に意識したのは、最後のアウトロでやっぱりジャズの要素を入れたいということで、ウォーキングベースを入れたりしました。
 
ー『歩く』にピッタリじゃないですか。
 
m:そうですね、ウォーキング。本当にそうですね。歩いてますね、見事に。
 
ー『歩く』は今の日本のJ-POPで流行している曲と照らし合わせても優れているポイントがすごくいっぱいあって。私がダンスボーカルグループの曲を好んで聴くので顕著に感じるんですけど、キャッチーかどうかというのはどれだけ反復のフレーズを入れられるかがすごく大きくて。途中で、ひたすら「歩く」っておっしゃってるじゃないですか。
 
わ:言ってますね。
 
ーで、その時のリズムが、ちゃんと音階はありますけど、跳ねてるリズムは一定なんですよ。同じ「歩く」というフレーズでここまでリズムを反復してるというのは、もうキャッチーさでしかない。
 
D:そうですね。なんかすごくキャッチーな曲だなと僕も最初聴いた時に思いました。ジャズ経験者からすると、そのキャッチーの逆を行きたいというか、いかに飽きさせないかとかそういう方向性にいきがちなんですね。フレーズもどんどん込み入ったものにしてっていう中で、そういうのに慣れたバンドの上であの曲をやるから「歩く」を反復するボーカルの下でもやってる演奏とか、多分微妙な息遣いみたいな感じでみんながずれて噛み合ったりする瞬間があっても、サウンドで面白さを出そうと努力はしました。
 
ーそれがジャズをやっていることによって鍛えられたものであったら、このポップな曲でその要素が出てて、ずれて噛み合ってるというのは楽曲的に面白いポイントですね。また歌詞についてですが、先ほど少し話題にも上がった通り、わざざさんの歌詞は写実的なところが特徴ですよね。具体的な小道具や固有名詞が出てくるのに、聴いた人の世界観が広がる歌詞なんですね。やっぱりこの曲でもその写実性は活かされているのですが、今までとアプローチが違うなと思ったのが、 少しだけヒップホップの要素があるというか。韻がかなり踏まれています。それは狙ったのでしょうか。
 
わ:ヒップホップは正直あんまり通ってきてないんです。 でも、韻はとにかく印象に残したかったんですよね。ライブを前提に作った曲というか、いかに聴いてくれたお客さんや対バンで聴いてくれている人にその印象を残せるかみたいな。そのワンフレーズを聴いた人にこびりつかせたかったんですよね。帰り道に、歩きながら「歩く、歩く」を思い出してくれればいいなという感情があって。それでああいうキャッチーな曲を作りたいと思って作ったのがきっかけではありますね。ただそれと同時に、やっぱりバンドで演奏するっていうのが前提であったので、他のメンバーが演奏でジャズをできる余白をできるだけ残したくて、アウトロや間奏の尺をできるだけ伸ばすというか、ああいう構成にしたんですけど、結果的にちょっと負担を増やしてしまって申し訳ないと思いました。ただ、そこで自分には出せないモクメルイボスの強さみたいなところがまた出てくれればいいなと思って。
 
ーライブでわざざさんのソロバージョンもバンドバージョンも結果的には両方聴いていますが、 一人バージョンの方はコード進行が日本のJ-POPにもよくあるオーソドックスかつ人気のあるコード進行ではあるので、キャッチーさが前面に出てる、日本のフォークロック的なミドルテンポの曲の仕上がりですよね。ギター一本で弾き語るという部分もありますし。バンドで初めて聴いた時に、ジャズの要素が乗ってるからか、ソロの時の曲とは別物まではいかないんですけど、新感覚だなと思いました。テンポは変わらないはずなのに、周りの風景や歩くリズム感がちょっと変わる感じで。歌詞には感情的なもの以上に状況的なものが書かれてると思うので、「歩く」という行為一つとっても、弾き語り版とライブ版では周りの景色も気分も違う印象に思えました。歌詞の話を今少し出しましたが、歌詞でライミング以外に工夫された点はありますか。
 
わ:『歩く』に関しては、歌詞にいろんな詩人のワンフレーズとかをちょっと組み込んでいます。宮沢賢治が大好きなんですが、『蛙のゴム靴』っていう童話があるんですよ。そこで「日本人は花見をするけど、蛙は雲見をする」というのが出てくるんですよね。蛙は夏の夕暮れ時のなびいていく雲を見るのが大好きなんだ、というフレーズが『蛙のゴム靴』という童話の最初に出てくるんですけど、ちょうど『歩く』でも、夏の夕暮れから夜にかけて歩いていくので、そこで「蛙も雲見から帰るころ」というフレーズを入れてみたり。あと吉原幸子という詩人の詩集をちょうど読んでいた時期だったので、吉原さんの作品の中に「うつろに うつつに」というフレーズがあって、ちょうど歌詞を考えてる時にふっと思い出して、正直深い意味はないんですけど、すごくハマりがよかったのでサビ前に入れてみました。
 
D:和座の歌詞って、どの曲もなんですけど、情景や起きたことを淡々と重ねてって感情を想起させるみたいな。その時に聴いた人に何を思わせるかを委ねるじゃないけど、そういう歌詞が素敵だなと思いながら僕はいつも聴いています。やっぱりポップスっていう枠組みをすごく意識していて。J-POPで作った曲に、 僕らがどういった感じで乗っていくかというのは醍醐味というか。リズムとか確かにソロで弾いてる時とは全然違うものになってると思うんですけど、J-POPの枠組みの中で、ちゃんと歌ありきの曲として仕上げるっていう挑戦というか試みが楽しいですよね。ジャズやってるからジャズのアプローチで行くよというわけではなくてですね。どうやって和座の歌や歌詞と整合性を持たせるか。そもそもジャズって歌詞がないものも多いというか、歌があっても主に外国語だし、J-POPのこの日本語の表現の中でどう僕らの正解を当てはめていくかという部分を意識してます。
 
藤:ですね。整合性…コンテンポラリージャズみたいなものではないので、やっぱり曲中でうまいことやるために工夫はしますよね。例えばジャズだと一拍頭から入るんじゃなくて4拍裏から入るとか、2泊裏、4泊裏、やっぱ2拍目、4拍目が大事なポイントにはなりがちですし、三連符のワンエンドトゥエンだってあったとしても、必ずその裏拍にアクセントが来るように弾く人が多いんですよね。ジャズって裏拍から入って裏拍に終わるとかそういうのが多いんです。だから、和座のポップスとの整合性をやるときにそこらへんをうまくやるということは日々色々考えながらやっています。裏はどこにアクセントを置くかみたいな。
 
ーmaroさんからは、先ほど「歩く」ではウォーキングベースを取り入れてみたというお話がありましたが、 他に演奏しているときのポイントはありますか。
 
m:通常の順番だとドラム取って、ベース取って、キーボードを取って、歌やギターを入れたりすると思うんですけど、 今回タイミングもあって、ベースは後入れ式だったんです。その時にすでに3人の中でのグルーヴがあって。それはやっぱり最初合わせた時にすごく特徴的だなと。普通のポップスにはない、裏をずらすというか、 八分の裏をずらしてるようなノリがあって。それにマッチするようにグルーヴをチューニングする工夫をしました。
 
ーレコーディングの時のベースと、ライブでバンドで演奏するときの「歩く」には、maroさんの中で違いはありましたか。
 
m:そこは結構一緒だなと思いました。3人の段階で、おそらくレコーディングの時にすでにあったグルーヴはライブでもにじみ出てて、それに合わせていたので。もうレコーディングのまんまのグルーヴでライブができているのかなって。そのグルーヴこそが3人で形成されたリズムなのかなとすごく感じて。 自分はそれにチューニングしていって。でもチューニングしながらも、ちょっとこっちが影響させて、みたいな。それこそ、レコーディングの時は一方的でしたけどライブの時はこっちがグルーヴ的に出せるみたいな、そんなとこはありましたね。ちょっと勢いづけるところはベースを前乗りにしてみんなを引っ張ってみたり。で、ちょっと後ろにいくとこはゆったり後ろにいってみたり。
 
ーそれはライブでしかできないと、今話しながら思いました。私は日常に音楽があるという価値観を大切にしているので、そういった意味で音源で音楽を聴くことを大事な時間だと感じているのですが、たくさん音源を聴き込んで体に染み込んだ上でライブに行くからこそのライブの感動というのもあると思ってまして。
 
わ:気持ちはよく分かります。本当に音源を何回も聴いて目の前で聴いた時のあの感動ってすごいですよね。
 
ーmaroさんの話を聞いて、「歩く」がリリースされたらたくさん聴き込んで、ライブごとに生き物のように変わるグルーヴ感も楽しめると思うので、ますますライブで聴くのが楽しみです。対バンを意識した曲作りから始まり、わざざさんの歌詞や歌やメロディーを最大限活かしつつジャズへの愛や要素を詰め込んだ楽曲になったと思います。「歩く」リリースへの意気込みや思いなどをお一人ずつ伺っていきたいと思います。
 
わ:聴いてくれた人が、何も自分らのことを知らない人が仮に聴いてくれたとしても、ワンフレーズでもこびりついてくれるような曲であってくれるといいなとすごく思ってます。
 
D:モクメルイボスをもっとこれから知ってほしいなっていう思いがあるんですが、元々いろんなバックグラウンドを持ったメンバー達がこうやって集まってて、同じジャズ好きでも好きなジャズのジャンルが4人とも違うしで、聴いてきた音楽も違う。そんな中で、 今までどんな音楽を聴いてきた人でも、ライブ会場での演奏や音源を聴いて、一聴しただけで興味を持ってもらえるような。いろんなバックグラウンドを持った人に興味を持ってもらえるような、初めて聴いても「いいね」と思ってもらえるような音楽になるようにって思って作った曲です。
 
m:そうですね。本当にもう、2人の言う通りで、多くの人に届いたらいいなと思います。
 
藤:私も同じように頑張っていきます。


【新曲情報】

「歩く」モクメルイボス
2024年8月28日配信

作詞:わざざ
作曲:わざざ
編曲:モクメルイボス
Vocal/Guitar:わざざ
Piano:Daichi
Bass:maro
Drum:藤田
Recording/Mix Engineer:林田涼太(いろはスタジオ)

<配信サイト>
「歩く」モクメルイボス

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