映画「私のはなし 部落のはなし」を観た話
ドキュメンタリー映画「私のはなし 部落のはなし」を観た。
部落解放同盟に所属する男性
若い頃部落解放運動に打ち込んだ女性
部落を記録する映画を自主制作した元共産党員
部落解放に関連するNPOメンバーの対話
被差別部落出身者とその友人の対話
被差別部落周辺に住み人権活動するママ友の対話
部落差別の歴史を研究する研究者
被差別部落を訪れ動画配信するyoutuber
被差別部落出身者への差別心を隠して生きる女性
そうした人々が、部落を語る。「私のはなし」として。
地域とはなにか
福祉とはなにか
アイデンティティとはなにか
国とは、政治とはなにか
文化とはなにか
差別とはなにか
部落問題という枠を超え、そんな問いがあらわれる3時間。
しかしこの映画はそうした問いに答えない。
ただ、自分の中に、複雑な図形のような、ドロドロと生温かい粘土のような、
そんな、なんだかわからなものが立ち上がってくるのを感じる。
そんな映画だった。
ドキュメンタリー映画とは、作品とは、こういうものなんだと思う。
一分の隙もない映像と人々の語り。対話。それだけの映画だが、傑作中の傑作だと思う。