学生支援緊急給付金について

初めてNOTEに投稿します。個人のブログもありますが、今回は自分のブログのテーマに沿っていないのと、あとはブログのアクセス稼ぎみたいに思われるのが嫌だったのでNOTEを活用してみました。

コロナ禍でアルバイトができず困窮する学生向けに、一律給付金とは別途に学生支援緊急給付金ができると政府から発表になりました。こちらの給付金は留学生も対象になるとのことですが、留学生に限って学業の要件がつくという報道が以下の通りありました。

留学生だけを差別することは許されませんが、では日本人の学生には本当に学業要件はないのでしょうか?公開されている情報をもとに調べてみました。

日本人学生の要件

文科省のウェブサイトに載っている申請の手引の中で、日本人の支援対象者の要件(基準)の中で学業に関する条件がある項目は以下のとおりです。

既存制度について以下の条件のうちいずれかを満たす
1. 高等教育の就学支援新制度(以下、新制度)の第1区分の受給者
2. 新制度の第2区分または第3区分の受給者であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の供給が可能なものにあっては、限度額まで利用している者又は利用を予定している者
3. 新制度に申し込みをしている者又は利用を予定している者であって、第一種奨学金(無利子奨学 金)の限度額まで利用している者又は利用を予定している者
4. 新制度の対象外であって、第一種奨学金(無利子奨学金)の限度額まで利用している者又は利 用を予定している者
5. 要件を満たさないため新制度又は第一種奨学金(無利子奨学金)を利用できないが、民間等を 含め申請が可能な支援制度の利用を予定している者

条件が多くてちょっとややこしいのですが、1 〜3に関してはいずれもいわゆる就学支援新制度の対象者かどうかを聞いていて、区分というのは世帯の収入がどれくらいあるかの違いなので、少し大雑把ですが、5 を除けば基本的には新制度または第一種奨学金の受給者であることが基本的な要件と言えます。5 に関しては詳しいことがウェブサイトに載っていないのでわかりませんが、この給付金は大学を通じて申請することになるので、恐らく大学側が審査する際に個別に対応するのではないでしょうか。

では問題は、新制度と第一種奨学金を受給するために成績など学業に関する要件があるかということになると思いますが、答えはあるようです。

就学支援新制度における学業面での要件

文科省の資料によれば、

<入学1年目>
次のアからエのいずれかに該当すること。
ア 高等学校等の評定平均値が 3.5 以上であること
イ 入学者選抜試験の成績が入学者の上位2分の1以上であること
ウ 高等学校卒業程度認定試験の合格者であること
エ 学修計画書の提出を求め、学修の意欲や目的、将来の人生設計等が確 認できること​
<入学2年目以降>
次のア又はイのいずれかに該当すること。
ア 在学する大学等における学業成績について、GPA(平均成績)等が上位2分の1以上であること
イ 次の(A)及び(B)のいずれにも該当すること
(A)修得単位数が標準単位数※以上であること ※ 標準単位数 = 卒業必要単位数 ÷ 修業年限 × 在学年数
(B)学修計画書の提出を求め、学修の意欲や目的、将来の人生設計等が 確認できること
ただし、上記ア又はイに該当する場合であっても、在学中の学業成績等が適格認定の基準における「廃止」の区分に該当する場合には、支援の対象とならない。

第一種奨学金を受給するための要件

日本学生支援機構(JASSO)のウェブサイトによれば以下のとおりです。すでに大学に在学中の人のケースを載せます。

本人の属する学部(科)の上位3分の1以内であること。
ただし、上位3分の1以内の基準を満たさない場合であっても、生計維持者(原則父母。父母がいない場合は代わって生計を維持している人)の住民税が非課税(市区町村民税所得割額が0円)である者、生活保護受給世帯の者又は社会的養護を必要とする者(児童養護施設等入所者、里親による養育を受けている者等)であって、次のア又はイのいずれかに該当する者は、第一種奨学金又は併用貸与の学力基準を満たす者として取り扱うことができます。
ア. 特定の分野において、特に優れた資質能力を有し、特に優れた学習成績を修める見込みがあること。
イ. 学修に意欲があり、特に優れた学習成績を修める見込みがあること。

留学生が学生支援緊急給付金を受ける場合の学業要件

文科省の資料によれば以下のとおりです。

1)学業成績が優秀な者であること。具体的には、前年度の成績評価係数が 2.30 以上であること

差別はあるのか?

成績評価係数は満点が3ということなので、2.3というのが上位3割というのは正しいと思います。ただ、外国人だけに成績要件が課せられるというのは若干語弊があると思います。日本人の学生も基本的には既存のシステムの受給者である必要があり、そこに学業の要件があるからです。また日本人も留学生も例外が認められており、いずれにせよ大学を通じての申請となるので、そこで個別に対応されるようです。その点を踏まえれば、留学生だけを差別しているという事実はないと考えることが可能だと私は思います。

これについては与党の議員もツイッターで言及していました。

#文科省は外国人留学生全員に現金給付しろ というハッシュタグもできているようですが、国民の税金という限りあるリソースを財源とした支援なので、学生というだけで全員がもらえるものではないですし、日本人・留学生に限らず、やはり学業に取り組む意欲がある人に優先的に支給するのは当然でしょう。

終わりに

困窮していない学生はもらえないのか、という人もいて、日本人は公正さ(Equity)より平等さ(Equality)を求めるものだなぁと以下の図が頭をよぎりました。

画像1

要件を作ることで当然煩雑さは増しますし、全員に一律支給として収入が減っていない世帯は年末調整で回収すればいいという意見も一理あると思います。ただ人間一度もらったものを回収されるのは、最初からもらってない場合よりも理不尽さが増しますし、多少の煩雑さを乗り越えても申請する人は本当に困っているし勉強する意欲があるということにもなるのではないでしょうか。

今回の支給に対しては様々な意見があると思いますが、コロナ禍であるからこそ、より公正な社会を作っていく必要があるのは間違いないと思います。

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