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独白

実は

我が御身は病気のデパートだったりする

28才 
春になる頃、突然の脱毛が始まり、夏には
ほぼ尼さん状態
秋にはお医者様もびっくりするくらいの太く
黒ぐろとした毛がわさわさと生えだした
因みにほぼ治療という治療はなかった
検査してもなんの異常も無かったらしい
ということで
「育毛剤のちょっと濃いやつね」と
液体のお薬を処方され、せっせと振りかけていた
もう30年近く前のことなので、今の医学であれば
何かしらの病名があるのかも

精を付けろと、勤務先のロビーまで
大量の根菜類と茹で小豆を持って来た
行きつけのバーのママ

仕方がないので自慢の長い髪を
ベリーベリーショートにすると
「おっ、カッコいいね」
と、朝一番に声掛けしてくれた勤務先の上司

39才
冬に入るころ髄膜炎で緊急搬送
「脳に炎症が起きたら致死率は95%」と言われ
3週間の入院後、無事生還
深夜に搬送された総合病院の当直医が
神経内科の先生であったことに救われた

退院後、花束を用意してくれていた
娘の保育園の園長先生

46才
芸能人の方々がよく闘病している病気
甲状腺と右乳に同時発症
ステージ4とステージ1だった
検査中ずっと手を握っていてくれた先生がいた
手術直後に「あなたはもう病気じゃないよ」
と言われ心が弾んだ
治療前から治療後以降、色々と
良いも悪いもすったもんだあったが
何とか10年乗り切った

これ以上の休職延長が出来ない
座っておくだけで良いから、と
職場をリハビリ代わりに使わせてくれた

現在
脊椎の免疫性疾患
はい、なかなか大変です
「僕は、あなたの病気が再発するような
治療はしない」
また、カッコいい先生に出会えた

せっせとお買い物を手伝ってくれる
別居中の夫

街に出られなくなったわたしに変わって
ノンホールピアスを買って来てくれる娘

本当に、本当にタイヘン

病気の数では
そんじょそこらの奴には負けてない

出会った幸運の数だって
そんじょそこらの奴には負けてない














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