疲れた夜に

ふぅ、と疲れたため息をした。

家事手伝いである僕は、今日も家事をこなしている。

食洗機もフル稼働で、それに入らなかった分の食器たちを、手洗いしていく。

下手したら、手洗いのほうが多いかもしれない。

少しげんなりしながら、淡々とこなしていく。

気分を上げるために、今日は動画サイトから、最近ハマっている歌手の方を選択して、曲を流す。

曲調に合わせながら、少しだけご機嫌になった自分は、あんがい単純だと思う。

時々、鼻歌を奏でながら、気づくと手洗いする食器は無くなり、代わりに崩壊寸前の谷のように、食器たちが重なっていた。

これを今度は、片付けなきゃなぁ。

めんどい。

食器を拭き、それぞれの居場所に戻していく作業。少しご機嫌になった気分でも、やっぱり憂鬱になる。

片付けの最中、考え事をしてみた。

この後、お茶飲みたいなぁ。
煎茶？あ、最近ほうじ茶届いたし、ほうじ茶かな？でも、ほうじ茶にも、カフェインあるって聞くよなぁ……

モヤモヤした思考回路で、もやもやしながら食器たちを片付けていると、目の端に映る、烏龍茶。

そういえば、妹が作ってたなぁ。余ったのかな。少しだけもらおうか。

幸い、妹はテレビに夢中でこっちには気づかなさそう。そっとマグカップと烏龍茶が入ったボトルをテーブルまで持っていき、注いでいった。

烏龍茶があるということで、心に余裕を取り戻した僕は、小さな冒険をすることにした。

最近買った、モナンのモヒートミントシロップあったな。ちょっと入れてみよっと。

マグカップの中の烏龍茶に、ほんのひと垂らし。烏龍茶が揺れた曲線を描いた。

手元にあった、ティースプーンで軽くかき混ぜて、氷もいれて、さらに混ぜる。

椅子に座って、頬杖をつきながらぼうっとして、片手でマグカップから烏龍茶を口に含む。

モヒートミントシロップ、ほんの少しだけにしていて、良かった。

いい仕事してる。

烏龍茶の香りや、味を邪魔しない程度に、ほんのりミントの爽やかな香りが付加されている。ささやかなアクセントになっている。

ごくごく、ごくごく。

最後の方になるにつれて、シロップが濃く感じられた。あぁ、混ざっていなかったらしい。

今度は1滴くらいに止めておこうかな。いつになるか、分からないけど。

さーて、今日も１日、頑張ったなぁ。
大きく背伸びをして、リビングを去っていく。
また、「明日」を楽しむために。