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冬至の代わりにみかんを
冬至っていつだっけ?
クリスマスが終われば、世間はもう年末年始へと移り変わってしまう。少し前まで、ほんの数時間前まで「クリスマス」で盛り上がっていた気がするのに、不思議だ。
年末が終われば次はお正月。それが終われば、非日常感はうすれ、日常がこくこくと過ぎさるのみ。
ここ数年、ちまたの季節の先取りに疲れてしまっている。先人たちの知恵を借りて、季節それぞれの行事を大切にしたいな……と思い、冬至や、夏越しの祓なんかを覚えたときもあった。結局、まだまだ身になっておらず、自分の未熟さがせつない。
いまだに冬至がいつ頃か分からない。せっかく覚えたはずだけど。忙しなくすぎていく12月。あ、そうだ。冬至は、12月半ばくらいだった気がする。
まあ今時期だろう。
そういえば、スーパー行った時も、ゆずが置いてあった。ついでにスーパー内をめぐったら、値上がりしたかまぼこも置いてあった。日常ではお目にかかれないおめでたい衣装着ているかまぼこ。くぅ。かまぼこ大反乱に負けた。
冬至といえば、ゆず湯に、ゆず茶かなあ。お茶屋さんのメルマガに冬至の楽しみ方が載っていた気がする。
ガラケー時代も思ったけど、メールが随時ほぞんできるのはとてもいいよね。溜めすぎて泣く泣く消すこともあるけど。
スマホを開いて、メルマガを探していく。誕生月だから、むかし利用した店舗からの誕生日クーポンを知らせるメールもたくさん届いていた。それぞれ個性があるメール。ファッションから雑貨、化粧品までさまざま。
目当てのメルマガを探すのに少し手間取り、見つけた頃には「何探してたっけ?」状態になっていた。ひと呼吸。昔は、肩が凝ってても痛みを感じることは無かったけど、ここ数年痛みを実感するようになった。これは老化なのか健康な証拠なのか……。肩を回し、肩甲骨を寄せるストレッチをして、スマホに向き合う。
みつけたメルマガには、冬至のわかりやすい説明と、ゆずの皮を使った緑茶の淹れかたのレシピが載っていた。
そうそう。これやって見たかったのよ。
レシピをざっくり見ながら、朝の買い出しからの2回目のスーパーか……と、げんなりしてしまう。スーパーまで歩いて20分ほど。遠くはない。けど近くもない。往復を考えると何度も行きたい場所ではない。
なにか代用しようかな。できるものあるかー?と、室内を見渡すと、目が合ったのは「みかん」だった。
冬至といえばゆずだけど、まあ似たような柑橘類だから。そんな言い訳を頭の中で用意しつつ、みかん緑茶+みかん(お茶請け)を用意することにした。
鍋に水を入れて沸騰させるまで火にかける。その間に、茶葉とティーポットの用意。お湯が沸くまで時間に余裕があるから、みかんの皮を少しだけ削いでティーポットに入れておこう。親指の爪くらいの大きさのミカンの皮を5つ削いで、残り少ないお茶を全部ティーポットにいれてしまう。たぶん3gくらいしかなかったから。ほぼ1杯分。
メルマガには、お茶はあまり濃くしすぎない方がいいらしいので、選んだお茶は、すっきりとした優しい甘みを感じた滋賀県産茶葉を使った「朝宮茶」を使う。
朝宮茶は、1200年もの歴史を誇る滋賀県を代表する日本茶のひとつだ。滋賀県といい、京都といい関西地方には、いろんなお茶処があって正直うらやましい。東北出身のお茶好きとしては、地元に「お茶処」があるなんて誇らしいものだよ。もっとみんな地元を誇りに思えばいいんだ。
そんなことを考えていたら、お湯がちょうど沸いていた。火を止めて、茶葉とみかんの皮の入ったティーポットめがけて細くお湯を注いでいった。2杯分くらいの量にした。
マグカップやら、皮をむいたみかんの実の方の準備をしていたら、少しぬるくなってしまった。準備だいじ。次回に反省、持ち越し。
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とりあえず、いただきます。
ゆずの香りと比べたら、まあ、こんなもんかなと言うくらい穏やかな香り。でも、柑橘類なだけあって、ささやかながらもいい香りを感じる。そして、皮をむいたみかんと一緒に楽しむことで、緑茶のさわやかな苦味とみかんの優しいさわやかな香りがバランスよく感じる。
朝宮茶は、単体で飲むと優しくまろやかで渋みはそこまで強くないと思ったんだけど、みかんの皮の成分で、やや渋みが目立つ感じがする……けど、みかんの果肉の方はめちゃくちゃ甘いので、一緒に合わせたら甘みが際立つ。うまいうまい。
さて、もうひと頑張り。年末年始にはまだ早い。