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聖年の幕開けとともに観る「Conclave(教皇選挙)」

 今年の初映画はこちら。ローマ教皇を選出する選挙、コンクラーヴェ(Conclave)を舞台に、その陰謀や駆け引き、疑惑やサプライズを描いたドラマチックな物語で、カテゴリーが「ミステリー」であることに後から気がついてなるほどと納得。

 一言で言うならば、さすがアメリカ映画、よくできてる。教皇選挙をテーマにした映画といえば、ナンニ・モレッティ監督の「ローマ法王の休日(Habemus Papam)」(2011年)が思い起こされるが、あの作品がモレッティらしさ炸裂の、シニカルでくすくす笑いに満ちた映画であったことに比べると、こちらはもうともかく、壮大でドラマチック、そしてこれは両作品に共通するのだが、いかにも「それっぽい」人々が登場する。この場合はもちろん、選挙権を持つ枢機卿たちのことだけれど。「聖」職者である人たちの中での、野心に欺瞞、偽善や駆け引き。ああ、きっと、そんなこともあるんだろうな、という感じ。

 いや、なんてことはない、バチカンの教皇選挙という、一見ものものしく、ビジュアルが派手で、誰もが知るけれど私たち一般人には通常手の届かない、特殊な環境を舞台背景にしているようでいて、人間たちの権力争いなんて、しょせん同じようなことなのかもしれない。そうそう、バチカンの教皇選挙といえば、狭い世界のようでいて、実はなにげに国際的な舞台であるところもまた、スケールを大きく、構図をわかりやすくするのに一役買っている。

 衣装の美しさもさすが、CGを駆使しているであろう映像もさすが、ところどころで、あら?どこで撮影したのかしら?などとロケ地が気になってしまったり。

 興味深いし、単純におもしろい、でもこちらの想像や期待を超えてはこない・・・かな。舞台に最も近い映画館で見たことがよき思い出となりそう。

Conclave(教皇選挙)
監督 Edward Berger
2024年、米、120分
出演 Ralph Fiennes, Stanley Tucci, John Lithgow, Lucian Msamati, Brían F. O’Byrne.

#映画 #バチカン #教皇選挙 #コンクラーヴェ #イタリア #ローマ

5 gen 2025

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