スピーカー登壇|読みたくなるレイアウト
2021年2月27日
あおもり地域編集会議(現 EDIT青森)の講座でスピーカーとして
登壇しました。
エディトリアルデザイナーの長谷川ちひろさんと一緒に
「読みたくなるレイアウト」についてお話ししました。
長谷川さんに技術的なところをお話しいただき
私は概念的なところをお話ししました。
デザイナーの役割を改めて考えるとても良い機会でした。
私は恥ずかしながら、美大も専門学校も出ていなくて
現場でアシスタントとしてキャリアをスタートしました。
イラレもフォトショも何もわからない状態から
先輩方、印刷会社さん、そしてクライアントの皆さんに
お世話になりながら、技術を教えていただきました。
参加者の皆さんは、地域づくりや編集に興味のある方々や
ライター気質のある方々でした。
発信する行動を起こす時、デザインは大きく役に立つ手段だと思います。
私たちが普段から行なっていることが何か一つでも役に立ったら良いなと
願いを込めてお話しました。
実際に手を動かす時間も取り入れました。
私たちが普段行なっている「誌面レイアウト」を
参加者さんと一緒に取り組んでみました。
いくつかある情報の中で取捨選択し
限られた誌面の中に要素をどう配置するか
何を削り、何を生かすのか
強弱や緩急をどうつけるか
発信する側の目線と、誌面を手に取る時の目線
どちらも行き来しながら考えていきます。
ここでの正解は一つではありません。
時と場合によって違いはありますが
発信側と受け取る側のコミュニケーションを経て
落とし所を自分の頭で考えることが重要です。
正解を知る、というより正解までの道筋の付け方を
一緒に考えていく練習、という感じです。
このプロセスがあれば、印刷時のトラブルや
作品が世に出た後に何かあっても
ひとつずつ立ち返っていけば良いのです。
商品やサービスをアップデートするときの材料にもなります。
このプロセスは、デザインだけでなく
企画や何かアクションを起こすときに
使えるものかもしれないと考えています。
読みたくなるレイアウトとは?
私が考える読みたくなるレイアウトとは?ですが
見る人の行動を邪魔しないレイアウトです。
情報の信憑性、見やすさ読みやすさ
あわよくばデザイン性が優れている、これらは当たり前。
もう1歩目指したいのが
見る人の行動を邪魔しないレイアウトです。
商品の詳細をもっと読み込みたい
生産者さんの想いをもっと知りたい
SNSやってるのかな?フォローしたい
注文したいから問い合わせフォームってある?
など、誌面を見た人はさまざまな疑問や
行動遷移のきっかけを得ると思います。
そのチャンスを逃すことなく
誌面上で行動しやすく整理できていれば
商品の売上や周知・認知に役立てるかもしれないと考えます。
デザインはあくまで手段。
見る人からするときっかけに過ぎません。
講座の最後にいただいた質問
回答は、当時私が返答したことに
今だから言えることも足して回答しています。
A
文字を大きくするのはもちろんなのですが、
文字間や行間を開けて、余白を増やすと見やすくなることがあります。
また、情報量が多過ぎたり転在していると
視線誘導の点で混乱を招きます。
1か所にまとめるだけでも見やすさは変わります。
もしイラレやインデザインを使用されている方であれば、
文字の大きさを示す数値であるQ数10ポイント以上が望ましいです。
文字で伝えることに限界を感じたら、
イラストや画像でイメージを伝えることも一つです。
A
テーマが決まっていれば、それを連想する色をいくつかラフで提示して、
絞り込んでいきます。
決まっていなければ、テーマカラーを2つに絞り込んで
メインカラー、サブカラー、のように設定する方法もあります。
テーマが決まっていない場合の色の決め方は、
発信したい内容をできるだけ俯瞰してみて
・何を伝えたいのか
・何を大切にしたいか
・お客さまに何をもっとも伝えたいか・伝わってほしいか
などを最初に整理していきます。
そこからどんな色がふさわしいのか一緒に考えていきます。
また小技として、画像と一緒に文字を配置する場合、
画像で使用されている色の要素を抽出して使う時があります。
最初はモノクロで作って、そこから何色を足していくか判断していきます。
私もまだまだ勉強しなければいけない立場で
このように参加者の皆さんとコミュニケーションができたのは
貴重な機会でした。
ありがとうございました。