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真っ暗な早朝、コンビニに行く

朝、コンビニによく行く。

家から徒歩2分ぐらいの場所にある、セブンイレブンに。

何より嬉しいのが、24時間営業であること。
真夜中でも、店内の蛍光灯が煌々と光っている。

「闇バイト」に対抗して、コンビニバイトを「光バイト」と呼びたいぐらいだ。



まだ真っ暗な早朝の4時や5時に、起きてすぐコーヒーを買いに行く。

早朝のコンビニは新鮮だ。

掃除用具が乱雑に置かれていたり、商品のケースが大量に積まれていたりして、見ちゃいけないものを見てしまった気持ちになる。

通勤電車でメイクしている女性を見て、目をそらしてしまう、あの感じに似ている。



早朝のコンビニは、店員があまりレジにいない。
裏の部屋にいたり、どこかで作業していたりする。

どこにも店員の姿が見えないときは、「レジで誰も対応してくれないんじゃないか…?」と一瞬不安になるが、レジ前に立つと、裏から出てきてくれる。

絶対に、必ず出てきてくれる。
「すいませーん」と呼ばなくても、だ。

裏で監視カメラの映像を見ているのかもしれないが、徹夜明けの眠い時間帯に、ここまで正確に客に気づけるだろうか?

僕なら眠気とダルさで動けない気がする。

「客が来たら電気が流れる椅子」とかで休憩しているんじゃないかと不安になる。



いつもコーヒーを頼むので、「ホットコーヒー」の「ホ」を言った時点で店員が先読みし、カップを取ってくれたりする。

「阿吽の呼吸」というやつだろうか。
すごく気持ちがよい。
他人とこんなに通じ合うことはない。

初めてコーヒーを頼んでから、約5年。
5年で培った信頼関係が成せる業である。

いつか店員がAIになり、今より早くカップを用意したとしても、この感覚は味わえないだろう。

ランダム要素の多い人間だからこそ、AIより動作が遅くとも、ささやかな感動が生まれるのである。

まぁどちらかと言えば、早い方が嬉しいけど。



最近、タッチ決済に対応したクレカを使い始めたのだが、気になる点がある。

決済の速度だ。

QUICPay や Suica などと比べると、僕のカードのタッチ決済は5秒ぐらい長く待たされる。

カードを読み取り装置にかざした後、静止して待ち続ける時間が、どこか気まずい。
店員も自分も、ただ静止して待つ静寂の5秒間。

早朝の、客が自分一人しかいない状況では、その気まずさが顕著になる。

日常の中に、こんな気まずさは要らないのだ。

必要なのは、本屋で綺麗なお姉さんと同じ本を取ろうとして、手が触れてしまうような気まずさだ。



さらに、決済完了時には成功か失敗かわからない「コンカ〜ン」という音が鳴り、装置が赤く光る。

最初は「ん?」と思ったが、店員が「大丈夫ですよ~」と言ってくれたので、そういう仕様らしい。

確かにレシートが出て、決済できている。
成功が赤なのか。違和感がすごい。

ブルガリアでは、首を縦に振ると「いいえ」、横に振ると「はい」を意味するらしいが、それに通ずるものを感じる。

調べたところ、セブンイレブンで、一部のカードで起きるらしい。

バグなのか知らないけど、早く直ってほしい。


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