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「古代文明と気候大変動 人類の運命を変えた二万年史」 ブライアン・フェイガン

東郷えりか 訳  河出文庫  河出書房新社

今日は「古代文明と気候大変動」。小船とタンカーの喩えがわかりやすい。
(2008 06/13)

全ては南ラブラドル海にあり


さて、今から12000年前くらいに小氷期になり農耕生活が始まったきっかけになったのが、タイトルにあった南ラブラドル海(大西洋北西部)に冷たい淡水がはいりこんだ為と「古代文明と気候大変動」には書かれている。
今の五大湖の西、マニトバ州辺りに今ある湖の数倍もある氷河の先端の湖があった。その湖が氷河後退により外洋(南ラブラドル海)に流れ込み、先述の状態となった。これにより、世界の海の海流循環がストップして暖かいメキシコ湾流もその上を吹く風も止まり、ユーラシア側が寒冷化・乾燥化した。と、これが西アジアに農耕生活をスタートさせるきっかけになった、という。
地球温暖化によって、逆に寒冷化するという現在の環境問題の一つの説も、この南ラブラドル海への冷たい淡水の流れ込みにもかかっているらしい。
(2008 06/17)

黒海今昔物語


昔は黒海は今よりずーっと小さい淡水湖で、当時の沿岸には初期農耕民族がたくさん暮らしていたという。それがエーゲ海・マルマラ海からズドーンと海水が流れ込み、それら農地を湖底→海底に沈め、現在の黒海になったそう。あっという間に。
自分はブルガリアやトルコで黒海眺めたことがあるので、あの辺そんな古い歴史があったのかと思い出している。
でも、もし琵琶湖かなにかに海水が流れ込んで外海と繋がったら…なんて想像もしてみると面白いかも。
(2008 06/18)

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