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「生きていたパスカル」 ルイジ・ピランデッロ

米川良夫 訳  福武文庫  福武書店


ピランデッロって…


「生きていたパスカル」を読んでいる。始めの方は、「シチリア・愛の劇場」ってな感じのお昼のメロドラマ的展開だが、ピランデッロはさっさとそっちには背を向け、主人公をルーレットで大当たり、そして自分が自殺したという新聞記事を見る、など、展開はめまぐるしく、しかし軽く。このめまぐるしさはセリーヌ「夜の果てへの旅」を思い出させる。
また、昨日読んだところでは、主人公が浜辺で砂を見ている場面が登場し、ここはマンかと。
さっき言った「軽さ」という点ではカルヴィーノかなあ…え?何を言いたいのかって?
(話がまとまらない…)
(2008 07/23)

文学における本当らしさとは?


ピランデッロの「生きていたパスカル」を読み終えた。巻末の作者による注釈にもある通り、出版当初は「本当の人生が描けていない」という批評が多かったそうだが、今からみるとかなりありそうな話に思える。
現にこれまた作者注釈によると、似たというかそっくりな話が新聞記事にあったそう。死んでいたと思われていた夫が現れて、妻の再婚が無効になる(当時のイタリアの法律では)という話が。
現代では何が「本当」なのか「本当らしい」なのか誰にもわからない(笑)。ちなみにこの作品は1903年に執筆された、20世紀のとばぐちの作品。
(2008 07/29)

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