今村仁司・三島憲一 他 訳 岩波文庫 岩波書店
以前、岩波現代文庫で出ていたのと同内容らしい
電子書籍(kindle)で購入(だから読みがいつも以上に貧弱(笑))
「パリ-十九世紀の首都」
だって…続き読みたいよね…5巻仕立てだよ。
(2022 12/28)
とりあえずハイライトしたところを
「土星の輪」といえばゼーバルト…はたぶんここから。その他ソンタグも。
こちらはギンズブルグの「徴候」時代論。
「ためらっている」ってのが泣かせる。突き抜けて極北に至った現時点から見れば。
(2022 12/29)
波が打ち寄せる最前線が、芸術と商品経済の境目のようなイメージ? いや、浜辺というより滝壺?
とりあえずここまでで、ベンヤミンが公にした論考の「パリ-十九世紀の首都」(フランス語、ドイツ語双方)が終わり、この先は、ベンヤミンが集めたり書いたりした資料集(それが文庫で4巻と半巻分…)
(2023 01/05)
A:パサージュ、流行品店、流行品店店員
前の箇所には、パサージュが発展して百貨店になった、というのは誤解で別物という記述があった。百貨店に至るのは「倉庫」であって、パサージュそのものではない。そしてその百貨店の原理は一望監視?施設パノプティコン。
(2023 01/06)
ひょっとしたら、現在パリのパサージュの多くは、「交通」のみで前者の要素は死に絶えているかもしれない、とも思った。あとは、パサージュから溢れた商品が「潰瘍」に喩えられているのも(まだ理解できてはいないけれど)面白いところ。
(2023 01/08)
最初の百貨店は(アジアの)バザールに似せて作られたらしい。パサージュにはエジプト風のもあったらしいが、ベンヤミンが引いてる文章によれば、ここはあまり流行らなかったらしい。
上の文はシャプダルという人物の演説から。下の文はベルクソンの注釈。物を手に入れる側が、その物自体を自分で品定めしなくなるのはこの時代からか。
(2023 01/19)
(そんな記述ありましたっけ?(p171の広告文集辺り?) これは要調査だな)
アイスランドの苔とか楽しい表現多いし、今年はバルザック1作読みたいな。(後注:結局読めなかったけど…)
あと、別な話で、パサージュ(全部ではないだろうけれど)では、不潔な人、あまりに大きな荷物を持った人、喫煙や、唾やら何やら吐く人は外に退去させられたらしい。
(2023 01/28)
というわけで、ここの「彼」はディケンズで、「骨董屋」のことについて述べている。実際の小説では、骨董屋自体は最初しか出てこない…チェスタートンは、「街路」という構想のもと、「パン屋」とか「油屋」とかいう小説書いて欲しかった、と付け加えている。
(2023 02/07)
B:モード
今日からBのモードに入る。
ここでのベンヤミンの原風景は、広場で自転車に乗る練習をする若い女性たち。19世紀末くらいから、女性も自転車とか他の分野に進出し始める時。何故ベンヤミンの精神にここまで印象を与えたのかは、それまでの女性の位置を考えてみればよりわかるのではないか。
この文章(またこの項目)の取り方がよくわからない、のだけど、惹かれるものがある。
(2023 02/09)
速さ、より量という気がするが、予言は半ば当たっていると思う。というか、朝起きたら窓全てにポスター貼ってあったという方が怖い…
あと、ジェットコースターはロシア由来なのか…
楽しくSF要素あってかつ重要な内容なので、断章全てコピペ…
(2023 02/12)
ポール・ヴァレリー「芸術論」より。
(2023 03/15)
C:太古のパリ、カタコンベ、取り壊し、パリの没落
柿木伸之氏の「ベンヤミン-闇を歩く批評」に、ベンヤミンがパサージュ論を書くきっかけとなったのが、アラゴンの「パリの農夫」だったと記述があった。アラゴン、まだ触れたことないのよね。
(2023 04/06)
D:倦怠、永劫回帰
倦怠の項から引用…
ほんとかな…もう一箇所。
何も言うことはありません…
(2023 06/07)
これもほんとかな…
時代的には合っている気がするのだが…
へー…
ニーチェと帝国主義なんてわんさと論文ありそうだな(笑)
(2023 07/03)
E:オースマン的都市改造、バリケードの闘い
Eの章に入った。
この文章は1895年のパリを描いたものからの引用。この頃には既にパサージュはかなり下火になっていたのがわかる。そしてベンヤミンはこうしたパサージュから何を読み取ろうとしているのか、自分にはまだわからない。
(2023 07/25)
今からすれば、ブルジョワと労働者がある程度仲がいい?(関係性がある)のに驚く。せいぜい150年くらい前。
あと他には、ル・コルビュジェの著書への言及もあって、そこではル・コルビュジェはオースマンに対してかなり批判的。都市計画とは言えない独裁性、とか。
(2023 07/29)
同じくル・コルビュジェから
あれ、こちらではル・コルビュジェはオースマンに対して好意的?
(2023 08/17)
とりあえず「獲物の分け前」を思い出させる文章だが、他の小説にも関連あるか?
「一人の帝国」ね。あらゆる帝国が集積した帝国。
あと、これ書いたのがハインリヒ・マンというのもポイント。兄貴読んでないからなあ。結構作家の伝記風なもの多いんだっけ?
(2023 08/24)
居住空間の分割、細分化と、芸術の変容の連動性というテーマも興味深そう。このラヴェルダンという人、19世紀の人らしいが、家の部屋の細分化・孤立化を「監獄制度」から取り入れた…とかフーコーを思わせることも言っていて、ひょっとしたらフーコーの方がこちらを参照したのでは。
(2023 09/15)
このブランキという人物ちょっと気になる。
オーギュスト・ブランキ(1805-1881)
兄は経済学者、彼は社会運動家。パリ・コミューンの時はコミューン側の大統領に選任されたとか。バクーニンやレーニンにつながるプロレタリア独裁を説いた。
(2023 10/13)
列の延長と、差異の消滅、ね。
(2023 10/17)
ここかなり興味ある。確かにパリにおいては、旧市街とか新市街とか言わない気がする。
(2023 10/27)
F:鉄骨建築
19世紀後半くらいかな。こういう思考の枠組みが出てきたのは。
(2023 11/15)
マイアーが続く
パサージュの建築は「ホール」(元の意は天井があり壁が無い)であり、幅広い空間が必要になってくるとともに発展しものだという。
(2023 11/28)
G:博覧会、広告、グランヴィル
一断片引用してしまった…
芸術と産業の進み具合の差分がモードなのね。
(2023 12/20)
ここも面白い…
(2023 12/28)
ロンドン万博の建築から。このガラスと鉄骨の建築を実行した(ハイドパークにて)パクストンは、この前にキュー植物園も同様の方式で建てている。西洋建築の歴史は、窓と明かり取りの歴史。ガラスによって広い面積開口できるようになっていく。
(2024 01/22)
エルネスト・ルナン「道徳と批評に関するエッセイ」(1859年)…だからここでいう「わが世紀」は19世紀、前々世紀。
こちらはニコライ・ゴーゴリの「現代の建築について」…このゴーゴリってあのゴーゴリ?
(2024 02/15)
(フェルディナン・ブリュノ「起源から一九〇〇年までのフランス語の歴史」より)
日本によくある外国の言葉風にして印象づける(商品名、広告、歌詞、等々…)、欧米ではこの効果をどう出すのかな、と思っていたら、ギリシア語だったか…
というわけで?やっと「パサージュ論」第1巻の本文(って言っていいのか…)読み終わり。解説は付いている…
(2024 02/20)
解説(三島憲一)
この三島憲一による解説ではベンヤミンとアドルノとの関係や比較に焦点を当てている。アドルノにある時はもっと実証的になれと言われ、またある時はそこまでやらなくていいよとも言われ、双方いろいろあったらしい。別のところで、ベンヤミンはヴェーバーの分析をひいて、資本主義が宗教によって導かれただけでなく、資本主義そのものが宗教なのだという考えを示しているともいう。
ハンナ・アレント「暗い時代の人々」から。アレント自身がベンヤミンの原稿を持ち出して守ったから、この言葉はかなり響く。
第2巻すぐ買う?…
(2024 02/27)
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