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「歴史は現代文学である 社会科学のためのマニフェスト」 イヴァン・ジャブロンカ
真野倫平 訳 名古屋大学出版会
読みかけの棚から
読みかけポイント:序説を少しだけと解説
一方では、リュシアン・フェーヴル、ミシェル・ド・セルトー、ポール・ヴェーヌらの歴史家による史学史的考察の系譜につながっている。他方では、ロラン・バルト、ジェラール・ジュネット、ヘイドン・ホワイトらの物語研究の新たな地平を切り拓こうとするものである。
(p276)
…らしい。解説によると。前者にはギンズブルグも入るのかな。
続いて序説から、ジャブロンカの思いを。
私は、社会科学と文学創造は両立させられず、ましてや公の場でそのようなことを主張できるはずがないと判断した(2000年代半ばに、ほぼ同じテーマの博士論文と『姉妹なる魂』という小説を匿名で刊行した時)。「もし私が歴史家になれば、書くことは単なる趣味になってしまうだろう。もし作家になれば、歴史はもはや金儲けの道具にすぎなくなるだろう」。私がこの『私にはいなかった祖父母の歴史』という非合法的形態を採用することを決意するには、何年かの歳月、いくつかの試み、いくつかの出会いが必要であった。同書が歴史学的な性質を持つのか、文学的な性質を持つのかは決定不可能である。私はついに作りたいものに到達したのだ。
(p11)
『私にはいなかった祖父母の歴史』は、ポーランドのユダヤ人村から、パリへ、そしてアウシュヴィッツ収容所まで、ジャブロンカ自身がその祖父母の足跡を追っていく、歴史研究でもあり、調査のドキュメンタリーでもあり、私的な喪の作業としても読ませる、という。同じく名古屋大学出版会から翻訳出版されている。そしてその姉妹篇としての理論篇としての書物が本書なのだという。
(2023 02/26)