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「生活の世界歴史 イスラムの蔭に」 前嶋信次
河出文庫 河出書房新社
吉祥寺の読みた屋で購入。
(2009 01/17)
10世紀イスラムの源平
だいたい10世紀のイスラム世界を描いているが、その中でブワイフ家を平家にセルジュク家を源家にたとえている。ブワイフ家の当主は文化面では高かった一方カリフに傲慢な態度をとる。セルジュク家はブワイフ家より東方で起こり、武力でブワイフ家を追い出すが自己分裂してなくなってしまう。2世紀の差はあるが…
そのブワイフ家にも仕えたことのある文人が描く「茶飲み閑談」。千夜一夜物語もそうだが、イスラム世界の文学には枠物語とかこういう時にはこれこれの話とかいう方法で様々な物語を入れていくものが多いのではないか。
(2009 01/21)
イスラム世界はギリシャ哲学の楽園…でもなかった
イスラム世界では、ヨーロッパ中世では途絶えていたギリシャ哲学の翻訳・研究がよく知られているが、イスラム世界でも全くの規制なくやられていたわけではなく、例えばある実力者の宰相を疎む勢力が「あいつはギリシャ哲学という異端の哲学に凝っているらしい」と訴えたりしていたらしい。それに対しこの宰相は前のカリフの蔵書を焼くことで応えたらしいが…燃えた本は何だったのだろうか?
今日は引き続きイスラム世界の歳時記の部分を読んでいるところ。
(2009 01/27)
イスラムの蔭にを読み終えたけれど、例えば千夜一夜物語とかこの本に出ている中世イスラムの著作とか…と、例えばプーシキンなどの近代小説とかを結ぶ線上には間には、いったい何があるのか?セルバンテスの模範小説集とか当てはめてみるとぴったりかも…
(2009 01/28)