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旅の出発編【AUS🇦🇺→USA🇺🇸】

パッキングが嫌いだ!という友人を何人か知っているけれど、わたしはパッキングが好き。
もともと荷物の少ないタイプで、オーストラリアを転々としている間も、いつもスーツケース一つ。服も少なく、靴もスニーカーとワークブーツのみ、美容に興味がないので、化粧水やクリームのようなものは持っていない。化粧品も最低限で、アイシャドウもチークも選択肢はない。
下着、トップス、ボトムス、タオル…と種類ごとに圧縮袋にいれてしまっていく。ポーチ類を整理する。こういう時は、しばらく使ってないものを捨てるいいチャンス。薬のポーチは大事だ。日本でほぼ毎年罹っていた扁桃炎の薬やムヒ、二日酔い用の胃腸薬などが入っている。偏頭痛持ちなのに、海外で効く鎮痛剤を見つけられないことが多く、常にバファリンを大量に持ち歩いている。小物のポーチは、ルイスシェリーのチョコレート缶に入ったほんの数種類のアクセサリーや、ソムリエナイフ、箸などが。日用品のポーチは、電動歯ブラシ、お気に入りのデンタルフロスのスペア、綿棒、コンタクト液などが入る。そして、電子機器類のポーチ。チャージャーやイヤホンのスペアなど。
服の圧縮袋をポンポンと入れ、空いた隙間にポーチを詰めていけば、綺麗に収まる。
さて、と荷物を測ると16キロ。じゃあ、捨てようと思っていたものを追加で少しだけ詰めて完了。23キロの制限めいいっぱいに荷物を詰めると、移動も辛い。
唯一、いつも嫌だなあと思うのは、ノートパソコンやiPadなど一式持ち歩くと、手荷物を7キロにおさめるのが難しい。特に、今回のように真夏から真冬の移動となると、着いた時厚着するための服を鞄に忍ばせているから、難易度が上がる。

部屋を空にして、ケアンズの家を出る。ウーバーのドライバーは、運転しながら映画を見ていて、まるで話をふってこないので、わたしもわたしで、ケアンズの生活を回想していた。ビザの延長のために来た街をとても気に入って、長く居させてもらった。家、仕事、友達…思い返すとやっぱり少し寂しくて、32時間のフライトは気も重くて、楽しみな気持ちだけではない不思議な感覚。

チェックイン。アメリカの入国審査は大変とは思っていたから、あらかじめいろいろ用意したつもりでいた。でも、オーストラリアでのチェックインの段階で滞在先住所、現地連絡先(名前、国籍、電話番号)、帰りのチケットを提示させられたのは驚いた。みんなスラスラ言えるものなんだろうか?こっちだってアメリカに住み着こうなんて思っとらんわ!と言いたくなる。

ケアンズの国際線の出国ロビーは、本当にすることがない。一緒にレストランで働いていた香港人のマックスから連絡が来る。「空港にお見送りにきたよ!」…もう保安検査場を抜けている。先に言ってくれれば、挨拶したのに。彼はいつもこう。いいやつなんだけど、なんかうまくいかない。最後まで彼らしくて笑った。会えなかったけど、気持ちはなんかほっこりした。

初めての、キャセイパシフィック航空。LCCに慣れているので、あらゆることが贅沢!動画のサブスクリプションに入っていないわたしは、動画コンテンツのあらかじめのダウンロードなどもしていなかったわけだけど、席についているモニターやヘッドホンを使って、映画や音楽やゲームができる。実際、映画を2本見ながら、機内食を食べたり、仮眠をとっていると7時間が全く長く思われなかった。おまけに、両隣と後ろの席が空席で席は倒し放題。ただのステイケーションのように快適だった。
ケアンズ-香港間の機内食は出発後2時間ほどしてランチ、到着の1時間ほど前にサンドイッチとフルーツとチョコレートが出てきたのだけど、かなりおいしかった。限られた設備やスペースで、こんなに美味しいものを作ってくれてる人たちに感謝🙏

もう何年も前に、列車が提供するお弁当や機内のスナックの開発(主に包材担当)に2件ほど携わったことがあるけど、本当に大変だった。味はもちろん、冷凍、解凍、加熱に耐え、ある程度の耐水耐油、中身も外見も工夫が必要だし、予算だってかなりシビア。担当の外商部のお姉さんとボロボロになったり、パッケージの会社に嫌われるほど何度も見積もりをお願いした記憶が今は思い出。そもそも確認する相手が多すぎて、課題しかなかった。あのときのプランニングが過去の仕事で1番正解のわからない仕事だったかもしれない。
多少機内食がおいしくなくても、全く文句が出てこないのは、あの経験のおかげかもしれない。そして、おいしかったときの尊敬もとてもある。だれか、頑張った人がいるんだろうなあ😌

香港に着く前に、モニターに、アメリカに行く人は保安検査に時間がかかるからできるだけ早く移動してください、と書いてある。トランジットは10時間だけど…できるだけ早くって、難しい。結局1時間ほど前にゲート前に着く。もう一度、空港スタッフに色々と聞かれる。滞在期間、目的。持っている荷物は全て自分のものか、目を離したり、人から荷物を預かったりはしていないか。など聞かれる。出発地点、経由地点で聞かれるものだから、アメリカはやはり入国審査が厳しいのだな、と思う。

フライトは15時間と長い。出発時間は、香港の夜中3時、出たケアンズの時間では朝の5時だから、もう眠くて仕方がない。でも15時間のフライトの後、ニューヨークに着く時間は朝の5時。もうわけがわからない。着いた先の時差ボケのことを考えると、とりあえず飛行機の中ではできるだけ寝た方がいい。度々出る機内食以外は、映画も見ず、本も読まず、できるだけ寝た。何をしようと自由であっても、機内が消灯されているとなんとなく煌々と灯りをつけているのが悪いことに思われるのも一役買って、ほぼずっと眠ることができた。

香港空港で5000円くらい払って食べた天津より美味しかった

最後の関門!入国審査。オーストラリアと香港ですでにあれだけ聞かれたのだから、何を聞かれることかと覚悟をして待つ。列は長く、1時間は待った。おかげでe-SIMも接続できた。ワイナリーの2月からの雇用契約書も、ビザも、帰りの航空券のチケットも印刷した。滞在先住所も、知人連絡先も、全部控えてある。よし。
パスポートを、と言われて出す。指紋を取られる。Have a nice trip. …サイトシーングさえ言わせてもらえなかった。用意してる時って、こんなもんなんだよねえ。ともあれ、無事にニューヨーク旅行が始まりました。

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