灯り

世界が眩しすぎると私は苦しい

暗い部屋の中で見る灯りは眩しいし美しい

その美しさを知ることで失ったり見えなくなることが私はとても怖いのだ

その美しさを真に受け止めて綺麗だなんて口からこぼすことが出来たら

どんなに気楽で楽しいのだろうと灯から離れ過ごしていた

もちろん薄暗い部屋の中に一人はとても孤独で

でもそれは何も失う事もなく見えなくなることもない

穏やかな世界でもあって

最初から見なければ何も知らなければ

ずっとこの痛みや後悔を超えるような事も起きないはずなんだと

じっとただそこで息をひそめていた方がましだと思った


時が経って私も周りの世界も変わっていき

暗い部屋に明かりが差し込んだ時

私はもっとこの部屋を明るく優しく照らしたいと思った

それはきっと日常の中の小さな出来事の積み重ねで

少しずつ寄せ集めた私だけの灯で

私は誰よりもその灯を手に入れたいと願う気持ちが

本当はずっとそばにあったんだという事に

私はあなたの灯りの温かさで気づけたんだと思う

眩しいものには目を瞑るのは本能だと

教えてくれたあなたの灯が絶えまなくいつまでも

温かく燃え続けていますように

もしあなたの灯が消えそうになった時は

あなたの部屋を灯せる私でありたいと

厚かましくもそう願う私は

今日もこの世界で自分の部屋の灯りを灯すのだ

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