妹が死んでしまった②
その日は祝日だった。
私はお昼ごろから、友だちが出店するイベントに夫と息子と出かけた。
前からとても楽しみにしていて、天気もよくて、知り合いにもたくさん会えて、久しぶりの人にも会って話せた。おいしいものもたくさん食べた。
私は第二子を妊娠していて、もうすぐ産まれるんです、という会話もした。
こういう、人が集まるイベントは久しぶりだったから、ほんとに楽しかった。
一段落したころ、近くの公園に行って子どもと遊んだ。下の子が産まれる前に、家族3人でいっぱい思い出作ろうと思っていた。
今日はいい一日になったなあと思った。
そんなふうに、ゆったりと時間を過ごした。
夜になった。
明日はまた平日だから、そろそろ息子のお風呂と歯磨きしないとな。
そんなことを思っていたとき。
お母さんから電話があった。
夜の9時前くらいだった。
「もしもし、お母さん?元気?」と私は電話をとった。
「……、、、、〇〇ちゃん」
いつもは名前で呼ぶのに、
お母さんは私を、
〇〇ちゃんというあだ名で呼んだ。
様子がおかしいのはすぐに分かった。
「どうしたの?」
おばあちゃんが具合が良くないと聞いていたから、おばあちゃんに何かがあったのかもと咄嗟に思った。
「…〇〇ちゃん、…〇〇ちゃん、、、
……□□(妹)が死んじゃった…」
声を絞り出して、お母さんはこう言った。
頭が真っ白になった。
「…うそ!!…うそだ!!」
私は叫んでいた。泣くよりも先に叫んでいた。
それしか口から出てこなかった。
そのあと涙が溢れてきて、泣き喚いて、話せなくなった。
「〇〇ちゃん、ごめんなさい、お母さんが殺しちゃったんだ、ごめんなさい、、」
お母さんはそう言っていた。
夫がすぐ電話を代わってくれた。
息子は私が泣き喚いているのを見て、とても驚いていた。
夫が少し話して電話をきり、息子を連れてそっとお風呂に向かった。
私はまだ泣き叫んでいた。
③へ続く。