「知的好奇心」を持ち続ける7つの方法|これまでにないアイデア・創造性が高まる
思わぬ人との出会いが素敵なご縁につながった
新しい体験や活動にワクワクした
自分の好きなことを探求して、これまでにない発見があった
そんなふうに毎日が充実して、豊かな人生を過ごせたら幸せですよね。
ではどうすれば、素敵な出会いにドキドキしたり、面白い体験にワクワクしたり、新しい発見に深い喜びを感じたりできるのでしょうか?
その鍵は、「好奇心」にあります。
とくに「知的好奇心」といわれ、深く広く知識と理解を求める心の衝動です。心理学的には「認知の欲求」といわれます。
知的好奇心を持ち続けるメリット
新しい人やものごととの思いがけない出合いに恵まれる
創造性を発揮して、これまで世になかったコンテンツを生み出す
ある分野のことを探求し、新たな発見をする
素敵な幸運(セレンディピティ)が訪れる
新しく学んだり、チャレンジしたりすること自体に喜びと楽しみがある
何歳になっても学び続けることで自分を変化、成長させることができる
世界にはまだまだ自分の知らないこと、こんなにも面白いものがあるのだと気づき、生涯学び続ける−しかも夢中になって!−ことで、豊かで充実した人生をおくることにつながります。
そう思うと、いまの自分の年齢やおかれた立場、環境にかかわらず、いつでも好奇心を持ち続けておきたいですよね!
知的好奇心はこんな人に必要
革新的なアイデアでこれまでにないサービスや製品を生み出したいビジネスマンやクリエイターはもちろん、さまざまな出会いや体験を味わい、人生を楽しみたいすべての人。そして常に自分を変化、成長させていきたい、向上心のある人へ。
知的好奇心は磨き、育てなければ衰えていく
「子どもは好奇心の塊」といわれるように、知的好奇心は私たち人間が誰しもが持って生まれるもの。
ですが大人になるにつれ、好奇心は磨き続けなければ衰えていってしまいます。しかも好奇心は一朝一夕に高まるものではありません。
好奇心は、時間と労力をかけて大切に磨き、育てていくもの。
そのことをズバリ教えてくれるのが、茨木のりこさんの詩『自分の感受性くらい』だと、私は思っています。
私の大好きな詩なので、以下に全文を引用させていただきます(『自分の感受性くらい』)
ここでいわれる“ぱさぱさに乾いていく心”とは、まさしく「好奇心」にもあてはまるのではないでしょうか。
好奇心を持ち続けるためには、自分自身で“水やり”を怠らずに、大切に育てていくのが欠かせないと思い出させてくれます。
今回は、大人になっても、立場や状況におかれていても好奇心(知的好奇心)を持ち続けるための方法を7つご紹介します。
今回の内容は、好奇心の大切さについて論じ、話題となった『子どもは40000回質問する~あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力~』を参考にしています。
知的好奇心を持ち続ける7つの方法
①成功にあぐらをかかない
好奇心を磨くうえで、成功は邪魔になります。
業績も好調、仕事も無難にこなせるようになってくると、「自分はもう知っている、わかっている、できる」と思うようになります。
しかし自分の能力を過信するほど、そのことに無関心になっていきます。
あなたも仕事や趣味で初心者のときには、「どうやったら、もっとうまくなれるだろう?」と夢中になっていたのに、ある程度こなせるようになるとそれまでのように勉強や研究をしなくなったという経験がありませんか?
「もう知っている、わかっている」と思い込み、それ以上の研究や研鑽を怠れば、成長は望めず、業界や時代の変化に対応できなくなってしまいます。
そこで成功にあぐらをかかず、好奇心を持ち続けるためには、「自分の領域の外に目を向ける」のが有効です。
あなたが取り組んできた領域や専門分野からちょっと離れてみると、まだまだ知らないことにあふれていると気づけるでしょう。
「まだまだ自分には知らないことがある」と思う(無知に気づく)ことが、好奇心をふくらませ、さらなる探求と行動に駆り立ててくれます。
②自分の中に「知識のデータベース」をつくる
好奇心は「知識」の積み重ねによってさらに高まり、これまでにないアイデアがひらめいたり、創造性を発揮したりするのにつながります。
知識が蓄積されるほど、そこに付け加えられる新しい知識も吸収しやすい。またふだん見聞きするものにも、他の人は気にも止めないような小さなことに気づいたり、そこからインスピレーションを得たりすることもできます。
世界的なファッションデザイナーのポール・スミスはこう言っています。
超一流は、同じものを目にしても、そこから感じるもの、考えるものが違うのですね!
それが可能なのは、それまでに積み重ねてきた膨大な知識があってこそ。
いつか自分の中で“点がつながる”ようにアイデアが花開くのを信じて、たんたんと知識のデータベースを構築していきましょう!
③「スペシャリスト」かつ「ジェネラリスト」になる
これからの時代で活躍するには、ある特定の分野に精通した「スペシャリスト」を目指すのか、あるいは広くいろんなことを知っている「ジェネラリスト」を目指したほうがよいのか。
少ないことについて深く知るべきか、それとも多くのことを少しずつ知るべきか、という議論があります。学習や経験にあてられるリソースには限りがあるので、できたら効率的に取り組みたいですよね。
著者は21世紀には、「T型人材」になるのを推奨しています。
「T型人材」とは、ある1つの分野に秀でているスペシャリスト(I型)と、さまざまな分野に広く精通しているゼネラリスト(一型)の双方が持つ特徴をあわせもつ者。
なぜなら、高度な知識や情報がやりとりされる現代社会では、その分野に深く、詳しく知っている専門性が独自の強みとして発揮されます。
と同時に、その専門性を活かすには、さまざまな視点から考えたり、他分野との文脈のつながりを理解したり、仲間と協力しあったりすることが欠かせないからです。
T型人材になるには、まずは一つの分野・ジャンルの知識やスキルを伸ばしましょう。次に、それまで身につけた知識やスキルをもって、他の分野・ジャンルを経験するのが薦められています。
なのでもし今あなたが「どこから手を付けたらいいのかわからない」と悩んでいれば、まずは、現在手掛けているジャンルや業界でスペシャリストになる。
そして次に、横展開して(関わるジャンルを変えて)いくのを目指してみてはいかがでしょうか。
④「なぜか?」と深く問う
①で書いた過信と同じく「先入観」も、私たちの好奇心を鈍らせ、それ以上の発見や成長を妨げます。
ふだん身の回りにあるもの、体験すること、人と関わるなかで「なぜか?」と問うのをクセづけておくと、フレッシュな好奇心を持ち続けることができます。
例えば、
なぜ、今回のプロジェクトはこんな結果になったのだろう?
なぜ、あの人はあんな言動をとったのだろう?
なぜ、この現象が起きているのだろう?
なぜ、AとBは違うのだろう? など
いつもどおり、当たり前だと流してしまいそうなことにも、「なぜ?」と問えば、意外にちゃんと理解していなかったり、説明できなかったりするものです。
子どもがあんなにも好奇心旺盛なのは、「40,000万回質問する」といわれるように、身の回りのことがらにことごとく「なぜ?」と問いかけるからでしょう。
「なぜか?」と問うのは、決して機械やAIには真似できない、人間だけがもつ本質な特徴です。
ぜひあなたも、いつもの仕事や身の回りで起こることがらに対して、「なぜ?」と問いかけてみてください。そうすることで、新しい発見や違った視点、相手への深い共感が生まれてきますよ。
⑤手を動かして考える
知識や知能、アイデアが重要視される現代では、テクノロジーを駆使して概念を構築したり、マーケティングやシステムを編んだりする仕事が増えています。
ですが、ものごとを深く考えたり、クリエイティブに働いたりするためには、実際に「手を動かす」ことを忘れてはいけません。
知識と技術、思索と行動は依存しあっています。
どんなにすばらしいアイデアをひらめいても、それを具体的な形にして人や社会に伝えなければ、その良さは理解されません。
例えば、アップル社といえば、革新的なアイデアやイノベーションの代表とされますが、当社がもつ技術的な特許はなんと300件を超えるとのこと。
それくらい細部にこだわり、作り続ける(手を動かし続ける)のが、世界を魅了するアイデアにつながっているんですね。
実際に、メモするときにも、スマホやパソコンではなく、ペンと紙で「手書き」することで脳神経が広く活性化し、考えが深まったりり、アイデアが生まれやすくなったりするとわかっています。
「アイデアを出したい」「じっくり分析したい」というときには、ぜひ「手書き」でメモやデザインを描いたり、模型を作ったりしながら考えてみてください。
ふまじめな「妄想」に端を発し、「手を動かし続ける」ことで新しいアイデアやイノベーションが生まれることを問いた『妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方』もとても面白く、オススメです。
⑥自分で面白がる
と幕末の志士 高杉晋作が言ったように、私たちの心の持ち方次第で「つまらない」を「面白い」に変えることができます。
「つまらない」ものを自分で「面白い」ものに変えるためには、「内的動機づけ」を高めるのが鍵です。
内的動機づけとは、称賛やお金といった外から与えられる報酬(外的動機づけ)に対して、やっていることそのものに自分自身で意味を感じ、夢中になっている状態です。
あなたも好きで始めた趣味やスポーツが、いつしか試合で勝つとか、副業で稼いだりするのが目的になった途端、面白くなくなったという経験がありませんか。
やっていることそのものを面白がり、夢中になることで「もっと知りたい、うまくなりたい」という好奇心をふくらませます。
さらに好奇心は充足感につながり、人生の満足度や喜びも高まります。
内的動機づけを高める方法は、
細部にこだわって観察したり、工夫してみたりする
何のために始めたのか、自分なりの意味や目的を思い出す
などがありますので、ぜひやってみてくださいね。
⑦人生にミステリーを求める
ともすれば私たちは、解決したい問題や成し遂げたい目標を前にして、明確な答えを手っ取り早く手に入れたがります。それは「パズル」を埋めていくようなもの。
ですが、パズルは解けた途端に興味が失われますよね。
好奇心をふくらませ、純粋な興味・関心を持ち続けるためには、「ミステリー」を読み進めているときのように、世の中と向き合うのが大事です。
パズルとは異なるミステリーの特徴は、
すぐに答えを求めない(むしろ答えがわかったら面白くない)
「いくつ」「どこ」のように明確に答えられるものではなく、「なぜ」「どのように」を問う
たくさんの情報が解決への伏線にもなれば、障壁にもなる
などがあります。
体験談として
“好奇心は磨き、育て続けなければ廃れていってしまう”と書きましたが、私も実体験があります。
大学卒業後、理学療法士としてキャリアをスタートした頃、次々に対峙する初めての病気やケガを抱える患者に応えるべく、貪欲に知識や技術を身に付けたいと追い求めました。
ですが10年以上の経験を積み、ある程度どんな患者の悩みにも対応できるようになってくると、好奇心が下がってきているなと感じるようになった時期があります。
「こういうケースには、こうすればいい」という考えが固まって、それ以上学ぼうという意欲が湧いてこないのです。その落差には、自分でも驚くほどでした。
これではマズイ、自分としての成長がないと感じて、どうしたかというと、自分の働き方や業界を変えることでした。それまでの病院勤務を辞めてフリーランスとして動いたみたり、web制作やコンサルの仕事をしてみたりしてきました。
そうして新しいジャンルや働き方と向き合うことで、「自分にはまだまだ知らないこと、わからないこと、できないことがたくさんある」と思い知り、また学び続けている最中です。
「知らない、わからない」ことと向き合うのは、楽ではありませんが、だからこそ学ぶ、成長するプロセスに充実感を感じることができています。
むすびに
いかがでしょうか。
今回は「知的好奇心」を持ち続ける7つの方法をご紹介しました。
おさらいすると、こちら。
成功にあぐらをかかず、自分の「外の領域」にも目を向ける
自分の中に「知識のデータベース」をつくる
「ジェネラリストかつスペシャリスト(T型人材)」になる
「なぜか?」と深く問う
手を動かして考える
自分で面白がる
人生に「ミステリー」を求める
いつまでも知的好奇心を持ち続けることで、思わぬ幸運や発見に恵まれたり、何かの分野を探求し、創造性を発揮したりできます。そうして豊かで、充実した人生につながります。
知的好奇心は、人間だけが誰しも持って生まれるものですが、磨いて育て続けなければ廃れていってしまいます。
ぜひ今回ご紹介した7つの方法を心がけ、どんどん知的好奇心をふくらませることで、すてきな人生をお過ごしください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
参考書籍
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