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【好奇心とは?】「知的好奇心」を高めて、セレンディピティ(素敵な幸運)を引き寄せる方法

こんな方へ

最近「なんとなく、面白いことがない」、「夢中になって打ち込めるものがない」、「毎日同じことのくり返しで、楽しめていない」、「自分の本当にやりたいことがわからない」と思っていませんか?

それは「好奇心」が鈍っているせいかもしれません。

「好奇心」は、「あの人は好奇心旺盛だ」、「子どもは好奇心のかたまり」という形で使われるように、珍しいものや、今までに自分が出合ったことがないもの、目新しいものに興味を持ち、見たい、知りたい、体験してみたいと思う欲求(心の動き)のこと。

私たちは好奇心を発揮することで、初めての人やものごとと出会い、新しいことを知ったり体験したりします。
その出会いのくり返しと積み重ねによって、豊かで充実した人生を築いていく
ことができます。

本記事は「自分が好きなことに夢中になって生きたい」という方へ、「好奇心」を磨いて、豊かな人生をつくるヒントをお伝えします。

なお本記事の内容は、好奇心の重要性を論じてベストセラーとなったイアン・レズリー著『子どもは40000回質問する~あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力』を参考にしています。

好奇心を発揮して生きるメリット

  • 面白いことに出会い、毎日を楽しく過ごせる

  • これまで縁のなかった人と繋がり、交友関係が広がる

  • ものごとを探求して、予想外の発見や驚きがある

  • 知識や情報を組み合わせて、新しいものを創造できる

  • セレンディピティ(素敵な偶然や思わぬ幸運)が訪れ、人生が豊かになる

あなたを行動へ駆り立てる3つの「好奇心」

「好奇心」と一言でいっても、どんな場面で発揮されるのか、どんな対象に向けられるのかによって、以下の3つの種類があります。

【好奇心①】拡散的好奇心

「拡散的好奇心」は、目新しいものすべてに惹きつけられる、好奇心の始まり。それは「“知りたい(知らないものを理解したい)!”という心のうずき」として芽生えます。

拡散的好奇心は、人間が生まれながらにもっているもので、生まれた赤ちゃんも2ヶ月ですでにふだん見慣れない形に注意が惹かれることがわかっています。
大人になると、新しいものや初めてのものに次々と注意が向けられる、飽くなき欲求が現れます。

私たちは拡散的好奇心によって、未知なるものに目を開き、新たな経験を求めたり、人との出会いを広げたりすることができます。

ただ、それだけでは好奇心は育っていきません。
まわりの刺激におもむくままに興味の対象が移り変わっていくのは、エネルギーと時間を浪費するばかりで終わってしまうことにもなるので、その関わりには注意が必要です。

【好奇心②】知的好奇心

拡散的好奇心によって芽生えた“知りたい!”という心のうずきをうまく導き、さらに深く広く知識と理解を求める欲求が「知的好奇心」です。

知的好奇心は人間の探究心や行動力に火をつけ、組織やチームにとって独創性やイノベーションをもたらすとともに、知的好奇心にどっぷりつかることは個人的にも大きな満足感や喜びがもたらされます。

知的好奇心を磨いてクリエイティブな才能を発揮したり、人生を豊かにしたりするには、ある分野やスキルに対してある程度の時間をかけて意識的に訓練し、育てていく必要があります。

【好奇心③】共感的好奇心

人と関わり、社会の中で生きていく私たちは、「他人の考えや感情を知りたい」という欲求(=共感的好奇心)も持ち合わせています。

共感的好奇心は、単なるうわさ好きや野次馬根性ではありません。
人がとった発言や行動の内容だけでなく、そこに至った理由に思いをはせるなど、相手の立場に身をおいて、気持ちに寄り添おうとするときに発揮される、非常に社会性のある心です。

共感的好奇心が発揮されることで私たちは、家族や職場の同僚、友人などの考えや気持ちを理解し、社会のなかでうまく振る舞っていくことができるのです。

好奇心は磨き、育てていくのが大事

現代は、「アテンション・エコノミー」と呼ばれるように人々の注目や関心をひくことに経済的価値がおかれ、日々おびただしい量の情報が行き交っています。

まわりには私たちの拡散的好奇心を刺激するものにこと欠きません。
例えば、ツイートや広告、キャッチーな見出し、スマートフォンのアプリなどが次々と、私たちの注意を奪おうと躍起になっています。

さらに数秒から数十秒で消費されていくコンテンツがますます流行ったり、「〜だけやれば、うまくいく」「失敗しないための〜」といったノウハウものが至るところで目につきます。

ですが、目の前で流れ去っていく刺激やわかりやすい、手っ取り早いばかり情報ばかりに触れていては、人生を豊かにしたり、自らの人間性を高めたりする「知的好奇心」を育てることはできません

それは、好奇心がどこから生まれるかという性質ゆえです。

好奇心は「理解」と「理解の空白」によって高められる

心理学・行動経済学者のジョージ・ローウェンスタインが提唱した「情報の空白」理論によれば、好奇心は「理解」と「理解の空白」の双方によって刺激されるといいます。

つまり私たちがある事柄について何らかの知識を得ると、そこでまだ「知らない」ことがあると自覚します。「無知を知る」わけですね。

虫食いパズルのように、ある一部だけがわかっていて、まだ「知らない」部分が残っている状態が続くと、そわそわして、落ち着きませんよね。

そこで「情報の空白を埋めたい」という衝動が生まれ、それこそが「もっと知りたい!」という知的好奇心へと発展していきます。
発達心理学や学習意欲に関する分野では「学習の最近接領域」と呼ばれ、学習効果も最も高まるところです。

例えば、新しい本を読もうとしたときに、まったく知らないワードや知識ばかりが出てくると、投げ出してしまいます。逆に、ぱっとみて知っている内容ばかりでも飽きてしまって、だめです。

全体の2割は知っている、でも、8割は知らないくらいのレベルのときにちょうど、「自分にはまだまだ知らないことがある」と気づき、「もっと知りたい」という好奇心がむくむくと湧いてきて、どんどん読み進めることができます

セレンディピティを引き寄せる好奇心の育て方


  • これまで縁のなかった人と偶然知りあり、意気投合する。

  • 誘われてたまたま参加したイベントで、打ち込める趣味が見つかる。

  • 書店でふと手にとった本からインスピレーションを得て、仕事や創作のヒントになる。

そんなふうに素敵な幸運(セレンディピティ)に恵まれる人生を送れたらハッピーですよね。

世の中に出回っている商品やサービスの中にも、はじめに意図したいたものとはまったく違ったけど、思わぬヒットにつながったものがたくさんあります(抗生物質ペニシリンの発見や、ポストイット、電子レンジなど)。

では私たちがセレンディピティを引き寄せるには、どうすればよいのでしょうか?

イアン・レズリー氏によれば、セレンディピティを引き寄せるにも好奇心が鍵になるといいます。

歴史において偉大な発見や発明をした者たちは、単にラッキーだったわけではありません。

それぞれの専門分野において膨大な知識と経験を積み上げてきていたのです。ものごとを深く掘り下げて考え、その周辺知識まで理解しようと努めていました。

それこそ「自分にはまだ知らないことがある。もっと知りたい、理解したい」という知的好奇心のなせる技です。

そうした膨大な知識と経験の素地があったからこそ、いつもと違う現象が起きたときに、見過ごすことなく、ふと立ち止まって掘り下げて考えることができたのですね。

ルイ・パスツールのこの言葉を胸に刻んでおきたいですね。

観察の分野においては、チャンスは準備の整っている者だけに訪れる

【知的好奇心を高める】いますぐ役に立つかどうかはさておき、立ち止まって掘り下げてみよう


まずは、あなたの好きなこと、興味関心をひかれるものやジャンルから始めてみてはいかがでしょうか。

好きなことや興味関心のあるものに時間を割いて、本を読んだり、じっくり体験したり、人と会ってがっつり話したりするのをオススメします。

その情報や経験がいますぐ役に立つとか、将来のためになるかどうかはわかりません。わかりませんが、それがあなたの知的好奇心を育み、やがてセレンディピティを引き寄せるかもしれないのです。
そして自分が好きなこと面白いと思えるものなら、続けられますよね。

例えば私は、人間の心理や行動原理に関するジャンルに興味があって、学ぶことで生きやすく、豊かな人生につながると思っています。だからこうして「好奇心」について調べて、まとめているんですね笑 

あなたも、そのことを深く広く知れば知るほど、「まだ自分には知らないことがある」「もっと知りたい!」という知的好奇心がどんどん発揮され、面白がって続けていけるでしょう。

むすびに

いかがでしょうか。
本記事では、人生を豊かにする「好奇心」について理解を深め、とくに「知的好奇心」を磨き、育てる方法と心構えについてまとめました。

最後に、私たち人間だけに知的好奇心が備わっており、その心の動き(衝動、欲求)に従って学べるのがいかに素敵なことなのか、著者イアン・レズリー氏の言葉をご紹介します。

好奇心を追求するのは学校や職場で成績を上げるためではない。
一見役に立ちそうにない事柄も含め、学ぶことの本当の美しさとは、自分だけの世界から抜けだし、自分が壮大な営みの中で生きているのだと改めて思い起こすことにある。

私たちは学ぶことで、少なくとも人間が言葉を交わすようになってから受け継がれてきた、とてつもなく壮大な営みの中で生きていると実感できるのだ。知識を蓄え、分かち合う生き物は人間以外には見当たらない。
(中略)
私たち人間は、人類の記憶が詰まった深い井戸を利用できることに感謝すべきだ。

『子どもは40000回質問する~あなたの人生を創る「好奇心」の驚くべき力(イアン・レズリー著)』

知的好奇心を磨き、育てていくことで、豊かで深い喜びと満足感ある人生を築いていきましょう!最後までお読みいただき、ありがとうございます。

参考書籍

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