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トマトとトマト缶は違う話

「ダメだ、集中できない……」

自分は今、京都天狼院にて入試を受けている最中だ。
天狼院ライティングゼミの上級コース「ライターズ倶楽部」の試験の日のことであった。

限られた時間の中で、コンテンツを作成するというプレッシャーの中、もしかすると「落ちるかもしれない」という緊張感でタイピングをしている。

ふと1階から、店長の声がふと聞こえるのである。

「カレーのコクがなくない?」

おやおや、どうやら仕込んでいた。天狼院名物バターチキンカレーについてのことらしい。解説をすると、このカレーは具沢山でボリュームがあり、お腹も大満足するカレーである。

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何かが足りないようなと味見をして確認をしているが、レシピと何か違っているとのことだ。

「腹減ったな〜」と呑気に試験中に頭に浮かんだのは試験後の晩御飯のことであった。

1階から聞こえる。カレーについて話しているスタッフの会話の内容をきき耳をたてている自分がいた。
本当に目を向けないといけない課題があるのに頭の中はカレーのことばかり考えていた。

「もういっそ、今日のことを記事にして提出してみようかな……笑」

笑いに走ろうとする自分が出てきた。むしろ情報は鮮度が大事というし、プロジェクトXのような語り草で今日のことを書きたい。

「レシピは確認した?」店長の声が聞こえる。調べてみるとトマト缶の代わりにトマトをカレーに入れてつくったようであった。

確かに!
その場合、トマトの水分でコクがなくなるのかな?と思いながらスタッフの方々のお話を2階から聞いていた。

「これをお客様に提供するのはよくないよ!今から買ってくるね!」

店長は勢いよく店から出て行き、トマト缶を買いに行くのであった。

京都天狼院の店長は、熱意と勢いがあって不思議と身近にいるお客さんをファンにする能力を持っている。漫画のキャラクターに例えるとONE PIECEの主人公、モンキーDルフィのような存在だ。

自分と関わる人をその場で味方にする能力を遺憾無く発揮している姿をみて、同年代なのにすごい能力の持ち主だな。と天狼院に行くたびに思っていたりする。

気がつくと、終了時間の10分前になっていた。

「トマトとトマト缶か……ふふふ」と思いながら、不思議と緊張感がなくなり筆が進むのであった。無事に試験は終わり、まずまずの出来であった。

「落ちても仕方ないか〜、次、通ればいいしな。」正直なところあんまり自信はなかった。それほどまでに、その上のクラスは難しいと聞くし下手しいかなりきついという前情報もスタッフの方から聞いていたのである。

ちょうどその日は、ライティングゼミの講座の日であり、結果は講座の後にわかるとのことでドキドキしながら講座を聞いていたのを覚えている。

結果は合格であった。

正直なところ、今でも自分がなぜ合格したのかよくわからない。多分まぐれだと思う。ただそれでも嬉しかったのだ。レベルの高い環境で自分のライティングスキルをもっと強化したいと思っていたから。

すぐに、店長がいる店頭に向かった。

「めっちゃ会話聞こえていたんですが、トマトとトマト缶でカレーのコクって変わるんですね。」

驚いた表情をした店長をみてこの話を年内のうちに記事にしてみた。
そんなこんなで、ドタバタなエピソードを体験できる。書店はないと思う。

天狼院書店のコンセプト
『READING LIFE』
『本』のその先を体験する書店である。

「ははは、そっか〜」多分だけど自分の中で不思議とこの場所でもっと学びたい気持ちと運の良さで受かったんだな。

そして、この日に名前をつけるのなら

11月10日は「トマトとトマト缶記念日」って俵万智さん風に締めようと思います。

(この話はノンフィクションです!)


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ふみー
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