リアル勉強会「書くメシナイトVol.6」 ~書くを学ぶ~ レポート
3月14日 ホワイトデーに開催された
【書くを学ぶ勉強会】福岡の美味しいを極める!「ソワニエ+」現役ライターから学ぶ文章で食べるということ。
に参加しました。
ちなみに書くメシのページはこちら
講師 センスの見立て
今回の講師は
クリエイティブノート 福岡オフィス代表 鳥越 毅氏
福岡で知らない人はいないグルメ雑誌「ソワニエ+」、この雑誌に取り上げられたお店や食材は一目置かれるという程の信頼度の高さ。
そして、勉強会前に届いたレジュメをぜひ見てほしい。
それがこちら。
これを見た時点でどれだけ期待値が上がったことか。
テーマや見出しの分かりやすさだけでなく、この視覚に訴えるおしゃれさ。
グルメを得意とするライターである鳥越氏ならではのセンス、文章だけではない何かをつかめそうだ。
会場での軽食サービス
当日会場に向かうと、帽子をかぶったおしゃれな男性がお茶と小さなおにぎりをサーブしてくれた。
ガラスボトルから注がれるお茶は香り高い。そして一口サイズのおにぎりは丸くてかわいらしく、運びやすいようにカップに入れられていた。
お礼を伝え、席に着く。
開始時間になり、紹介された鳥越氏の姿を見て驚く。先程の帽子の男性が現れたのだった。
最後に分かったのだが、ご本人が取材し、伝えたいと思った商品をサーブしてくれたそうだ。
奈良時代から、受け継がれてきた、伊都国のシナモンの葉のみで作られたノンカフェインのシナモンティー。
話を聞く前から、ご本人がモットーとしている、「自分が実際に試して良かったものを、データではなく経験としてお勧めしたい」という思いが伝わった。
鳥越氏はどんな人?
21歳の時、熊本のタウン誌「シティマガジンくまもと」でアルバイトをしたのがきっかけで編集の道へと進むことになった。
その後、チケットぴあ九州立ち上げのため社員として福岡へ。
福岡の街が変わる様を見ることができたのは、経験としてとても役立っているそうだ。
鳥越氏が携わっているソワニエ+はこの5月で創刊9年を迎える。epiという福岡のグルメ雑誌休刊に伴い、グルメ情報だけでなく、飲食業界や食材まで応援したいという思いから生まれたそうだ。
ライターとしての仕事の仕方
鳥越氏の思いとして、まずは自分が下見をし、美味しい、安心して紹介できるものを記事にしたいという点で、仲の良い、お店のファンとして話をするところから始めるそうだ。
また、旅行記事の場合も、実際に現地に行って感じる空気、色彩、植物、景色など、思わず言葉に出た、体感して気づいたものを書くようにしているとの事だった。
言わんとしていることに対し、一人の目線で感じた物語をプラスする。
データとして調べたものは感動を与えない、行った時の気持ちを整理し、その思いを再認識することにより、喜んでもらえる記事が生まれる。そしてその記事を見て人が実際に行動する。
ただ読んで終わるのではなく、人の気持ちを動かす記事で、多くの人が笑顔になる。
仕事を自ら取りに行く
生産者は作ることに精一杯で、PR不足になりがちである。
良いものを作っているがなかなか広く浸透しないものを紹介したい、伝えたいという思いからマルシェを開催。
日ごろから気になっていることに対し、自分からやりたい、やりませんかと訴えていくことが大事であると説いた。
この表は一般的な受注の形を表している。
とすると、中央の丸で囲まれた部分は企画提案の余地がある箇所。ここを狙って普段からアンテナを張っていくことが大事なのだそうだ。
格言
仕事をする上での格言を5つ教えていただいた。
・嘘をつかない 約束の取れないことは情報から省く
・いかんとわからん 自分の目で五感をくすぐるものを判断
・デジタルになるほどアナログで データではなく自分の体験を
・原稿はラブレター 思いのたけを込めて
・人生綱渡り アイデアだけでは妄想どまり 着地まで綱渡り 一本の綱ではなくいくつもの糸を編んだ網のようにもう一度会いたいと思わせる。つながりはより太く持ちたい。
最後に
振り返ることで雰囲気も変わり、いい言葉に出会うことができる。そのため書く前に寝かせることが重要。熟すものが何か、言葉を探し、最後に一番残った言葉が良いものであるとのことだった。
その時の熱量の高さでたくさんのメモがあったとしても、一番伝えたいこと、伝えなければいけないことを選りすぐり、情報を並べすぎることのないようにするのが良い文章であるとまとめられた。
原稿はラブレターという言葉がとても響いた。いくら想いを込めて書いたとしても相手からの反応が薄かった場合は片思い。双方の想いが合致して、反響が大きかった場合は両想いの気分になるという。
やはり想いを載せた文章というのは伝わるだけでなく人の心を動かし行動につながるのだという事を再確認することができた。
自分の経験したことを、想いを込めて文章にする。これをモットーとして私も精進したい。