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子どもの写真が撮れないのは、下手だからじゃなくて、楽しくないから。かも。
子どもって動き回るし、なかなかこっち向いてくれないし、いい写真が残らないんですよね。
撮影に伺うと、たまーにこういう悩みを聞くことがあります。
たしかに、大人の撮影と違って言うことは聞いてくれないことがあるし、機嫌に大きく左右されるし、止まっててくれる時間は短いし、難しい部分はあると思います。というか、正直めちゃ難しい。
家族写真をメインに撮影しているので、この難しくて可愛すぎる方々を相手に日々試行錯誤しているわけですが、そんな中で気づいたことがあります。
写真撮られてる時間って、もしかして楽しくないのでは、、、?
子どもたちの、そしてパパとママの撮影体験をいいものにするために、
現状分析と改善策を考えていきたいというのが今回の趣旨です。
写真撮影について振り返る
写真撮るときって、どんなことが起きているのか?客観的に捉えつつ、生じている課題はなんなのかを考えてみたいと思います。
子どもの特性・気持ち
まずは子どもたちがどんなことを考え、行動しているのか想像してみたいと思います。
今回は、言葉をある程度理解している年齢、2~6歳前後を想定しています。
・じっとしているよりは、動いたり走ったりしている方が好き
・好奇心が強く、色々なものに興味が移る
・自由に活動できる方がストレスが少ない
・パパママと一緒に遊ぶのが好きで、喜んでもらえると嬉しい
・未来のことよりも、現在の気持ちを優先しがち
他にも色々あるだろうし、個人差ももちろんあると思うのですが、
こんな感じのことを考えているのかなと推察します。
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撮影者としての気持ち
一方で、撮る側の時のことを考えてみてみると、
自然に遊んでいるところがいい!と思って撮る時と、旅行や行事で記念写真を撮る時があると思います。
後者の方が悩みが多く、撮影者としては
「止まって、こっち向いて、笑顔で」 いてくれると撮りやすいですよね。
その後、ちょっと可愛いポーズなんてしてくれたら最高だと思います。
思い出として、どこに行ったかと顔がしっかり見える写真が残したいと考えているからだと思います。
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その想いから
「じっとしてて」「にっこりー!」「ちゃんとして!」
みたいな声かけをしがちです。(私もプライベートではやりがちです、、、)
課題点
子どもの気持ちと撮影者としての気持ちを比べた時、
お互いのやりたいことが相反していることが見えてきます。
子ども的には止まってるとつまんないが、
大人的には動いたら撮影するのが難しくなる。
下にある石やどんぐりが気になるので、
カメラを見なかったら「ちゃんとして!」って怒られる。
グラデーションはあろうかと思いますが、こんな感じのやり取りが生まれやすいのではないでしょうか。
これを繰り返していくと、最悪「写真キライ!!!」になっていく未来も考えられます。
家族の楽しい思い出を残すことが目的なのに、写真撮影が楽しくないなんて本末転倒な気がしますよね。
改善策を考える
この「やりたいことの対立構造」を改善するための方法を3つ、考えてみました。
1:自分でやってもらう
ひとつ目は「写真を撮るという行為」をエンタメ化して参加してもらう方法です。
<手順>
①三脚を立てて、10秒くらいのタイマーでカメラをセット。
②パパかママが先に立って待ってて、もう一人が子どもとシャッターを押す
③急いで移動して一緒に写る
例えば自撮りをするときは【自分がカメラに写っている】ってことを面白がったりしますよね?
しかし実際に写真を撮るとき、見えているのはスマホやカメラ。何が起きているか分かりづらいので、興味が持ちづらい状態なのだと思います。
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撮影という行為に一緒に参加することで体験を楽しみつつ、シャッターを押した後に「急げー!!!」と移動すれば「じっとしている時間」も解消ができます。集合写真の時におすすめです。
デメリットとしては、「私がやるー!!!」って毎回なっちゃう可能性があることと、子ども一人の写真はなかなか難しいという点です。
2:制限をゲーム化する
ふたつ目は制限を「ルール」と定義して、遊びに発展させる方法です。
例えば「一番ゆっくり動いた人が勝ち」「片足で何秒立てるか」「四角い形を探してその上に立つ」などなど、止まっていることやじっとしていることにゲーム性を取り入れた遊びを一緒にやります。
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そもそもゲームにはルールが存在してて、制限を加えることで楽しみが生まれているので、子どもにとっても楽しく過ごすことができる可能性が高いです。これやったよねという思い出になったり、「今の成長」がわかる写真になるのも魅力の一つだと思います。
デメリットを挙げるとすれば、ルールという概念を理解できる内容を考えないといけないこと、思い描いてた動きと違ってしまう可能性があることかなと思います。
3:カメラの後ろを大事に
最後はカメラやスマホではなく、その先に楽しいものを用意する方法です。
変顔、好きなおもちゃ、お菓子。なんでもいいです。
カメラやレンズの後ろから「これなーんだ」と出すだけで、カメラを見てくれる確率が非常に高いです。
さらに、好きなものだと笑顔になってくれやすいです。
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これは写真館などでもよく使われていて、アシスタントの人がアンパンマン持ってたりするのは、この方法にかなりの効果があることの裏付けになっているのではないでしょうか。
デメリットを強いてあげるとすれば、近づいてきてしまう可能性があることかなと思います。
「楽しむ気持ち」が一番大事
解決策も提示しましたが、写真って「今この瞬間が素敵だから、思い出として残したい」という気持ちで撮るものでもあると思っています。
写真を撮るのが大変で1日が楽しくなくなっちゃったら、それこそ本末転倒。
その時を心から楽しむことで、後日写真を見たときに「楽しかったなー!」って感じられると信じてます。