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翻訳品質チェックが辛すぎて財団活動全般へのリソースが食われる現状に喝を入れるべく、お金に励まされる人になった
こんにちは。読者の大半の皆さんははじめまして。SCP Foundationという創作コミュニティの日本語版で主に英日翻訳をしている者です。
かなり唐突ながら、なるべく早い段階で警告しておくべきだと思うので書きますが、SCPというのは英語圏のネットロアカルチャーに起源をもつとされるウェブコンテンツです。つまり、基本的に世界観はホラー寄りです。近年は割合的に恐怖表現に重点を置いた記事は減ってきましたが、それでも唐突にホラーパートが始まることがあります。リアルな虫の画像が使われることも(全体の頻度としては少数派ですが)あります。ホラーが駄目な方には正直閲覧をおすすめできません。この記事では別に怖い話や画像を引用したりしないので、安心してお読みいただけます。閑話休題。
心理学や認知神経科学に詳しい人からすれば、人間がお金に励まされてるのは当たり前じゃないかと思うかもしれませんね。
何が起こったのか
今は亡きFC2WIKIの非公式翻訳Wikiでの楽しい読み専生活が、私の財団活動の始まりでした。その当時から、読んでいるとちょくちょく「あれ、この訳おかしくね?」というケースが見受けられました。
翻訳デビューとの正確な前後関係は覚えていませんが、定期的に原文と照らし合わせてちくちく修正していました。自分で気になった記事を訳して満足するだけはやめようと、いくつか訳したら間に訳チェックを入れるというローテーションを意識して作っていた記憶があります。
ところで、翻訳にはVoteを入れない主義のWikiメンバーは多いようです。さらに言えば、そもそも翻訳を読まないと公言する方も少なくありません。ぶっちゃけ、コンテスト上位でない翻訳の新作には反響は皆無です。そこで数少ない反響を求めて、Twitterで「scp 翻訳」でエゴサーチ(?)したりします。
ときに少し前CONTROLというSCP財団風味のゲームが出たようで、感想が大量に目に入るんですね。
「SCPみある」
「翻訳の質が結構ひどい」
ふむふむ。
「翻訳の質がイマイチでSCPっぽい」
!?
そもそも、普段の検索でも時折「SCPの翻訳品質が悪い」というつぶやきがあることはあるのですが……
非公式Wikiの時代から未訳記事をブックマークしておく傍ら、まだ読んでいない記事を見つけたら、翻訳品質を暇なときにチェックすべく、読み始める前にまずはブックマークしていました。さらに、いつからか「あれ、今の明らかにやばいぞ」と思った記事を、さらにもう1つのブクマフォルダに突っ込んで、優先的に簡易品質スクリーニングをする候補に入れるように(こっちは時折非英語版も入る)。財団関係以外の後で読むリストを合わせると、凄い勢いでブックマークが肥大していきます。それでもまあ、まだ問題があるとまでは言えませんでした。
しかし結局、あまりにも後者が崩せないまま膨らみ続けるので、簡易スクリーニング枠を設ける意義が見出せなくなっていたある日のこと。
「そうだ、読みながら怪しい箇所をメモしよう。そうすれば、読了後に即原文との照合を始めることができる。コメントに最低限直されるべきところを投げる作業も早くなるんじゃね?」
いいアイデアでしょう? むしろ何故今までそうしてなかったのかという感じですよね。
それでどうなったと思います? 今現在、翻訳記事に投げるコメントの下書きだけでメモの冒頭が1000行ほど埋まり、翻訳チェック以外のタスクをスムーズに行うどころか、ある程度品質に信頼のおける数名以外の翻訳記事が読めない状態です。
後半に続く
ちなみに最近はプログラム・ラスアノド-1やブライトの内在などを訳しました。SCPに一切馴染みのない読者を想定して書いているのに、なんと初心者に対して不親切なチョイスか……! でもまあ、ネットでちょいバズしなくてもRate 100の記事が当たり前の時代(この話題についてはおいおい)に+1と+9(※2020年9月20日11時現在)という数字は、まさしく普通の翻訳記事が置かれた立場のサンプルとして典型的だと思います。
素敵な見出し画像はAlan LevineによるOpen As Ephemeral。
そして唐突ですが、今晩(※執筆時現在)11:20からBSプレミアムでマシュー・ボーンの白鳥の湖をやります。面白いやつなので見られる環境にある方は是非見てみてください。