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読書記録「日本思想の言葉 神、人、命、魂」

小学校低学年の頃、祖父に「タマシイってなに?」と聞いたことがある。 離れて暮らす祖父は電話越しで、まさか6、7歳の孫がそんなことを聞いてくると思わなかったのか、単に耳が遠かったのか(あるいは僕の滑舌が良くなかったのか)、「え、カマキリ?」と聞き返された。僕は「タマシイ!」ともう一度伝えたものの、「カマキリ?」と更に聞き返され、腹を抱えて笑ったのを覚えている。 肝心のその先の記憶がないのだけれど、とりあえず小さい頃の僕はタマシイとかイノチとか、そういうものに興味があった。 霊と

    • 読書記録「森と木と建築の日本史」

      寺や神社に行くと大体どこも木造で、特に屋根まわりのデザインはすごい凝ってるなぁと思っていた。ちなみに写真は日光。豪奢すぎる。 完全に素人感丸出しの感想だが、素人なのだから仕方ない。木材への知識も建築の知識もまるで無いのだ。でも最近、ほそぼそと御朱印を集めはじめて、どうせならもう少しだけ詳しくなりたい!と手に取ったのがこの「森と木と建築の日本史」。 今更言うことでもないけれど、日本は森林資源が豊かな国だ。森林伐採や砂漠化が世界中で問題となって随分経つが、それでも日本は森林が

      • 読書記録「いつもの言葉を哲学する」

        「いつもの言葉を哲学する」読了。 もともと「言葉」への興味が強い方で、更に心配性なので「ちゃんと意図が伝わるか」を結構気にしてしまう。仕事であれば必要なことが過不足なく伝わってほしいと思ってメールや電話をするし、友人や家族には伝えたいことの熱量や微妙なニュアンスをも正確に伝えられたらいいな、と思っている。だがそれは簡単なことではなく、新しい言葉は次々と出てくるし、同じ言葉でも受け手との距離感によっては与える印象も変わってくる。そしてどの言葉を使うかをよく考えているうちに疲れ