配送会社社員が教える配達票『品名』欄の重要性
宅配便の配達伝票に「品名」という欄があります。
送るときに、なんて書けばいいのかと気にされたこともあるのではないでしょうか?
先日、下記の記事を見つけました。
品名欄に
「サプライズなので書きたくありませんが、どうしてもというのなら、衣類です」
と書いて出したところ、集荷担当の人に
「プレゼントでいいですよ」
と言われたのだそう。
これ、賛否両論あるみたいですが、配送会社社員としての回答は、その集荷担当の人は間違ってます。
配送物には、物によっては運んではいけないものや、航空搭載できないものも多々あります。
なので、品名欄に詳細を書くことによって「この中のものは、配送禁止されているものではないですよ」という申告になります。
(結構大事)
ということで、今回は、品名欄に書かれていたために起きたトラブルを紹介。
(ちなみにこれらに上げるトラブル例は、全て実例をヒントにしたフィクションです。)
■例1 大切にしてと呼びかけたせいで…
某会社から個人宛の宅配便。
品名欄には『大切な書類』と書かれていたそうです。
おそらく、「大切に配送してね」という意味で書かれたかもしれません。
しかし、この『大切な』から信書を疑い、
「中身がわかるまで配送できません」
となったそう。
佐川やヤマトの宅配便で信書を送ることはできません。
依頼主である会社に確認し、信書ではないと確認できたので、無事お届け先様までお送りできたそうですが、品名欄さえ『書類』とだけ書いていたら、そこまで言及されることはなかったので、お気をつけくだされ。
■例2 空の旅が急遽海の旅に…
化粧品通販を新しく始められた会社様。
目玉商品であるオイルタイプのメイク落としを大々的に売り出すことになりました。
品名欄には『化粧品(オイル)』と表記。
これのせいで、離島などへのお届けが大幅に遅くなってしまいました。
沖縄、北海道、離島などは、航空搭載で荷物が運ばれます。
しかし、オイル類など、引火性のあるものにかんしては、飛行機に乗せられないため、陸送&船での発送になるのです。
そのため、通常2日ほどで届く宅配も、かなりの日数を要することとなりました。
■例3 夏の思い出を作りたかったのに…
夏の風物詩と言えば、花火!
いくつになっても楽しいですよね。
しかし、花火も 宅配便では送れません。
クラッカーや花火など少量であったとしても引火物は不可です。
宅配は、沢山の人の荷物をトラックで運びます。
引火物に仮に火がついたとすると、他の荷物まで燃える可能性があるので、ダメなんですよね。
よくあるのが、バースデーケーキについている『スパーク』と呼ばれる花火のようなもの。
これが品名欄に書かれているせいで、誕生日当日にケーキが到着しないなんてことも…。
■品名は正確に具体的に!
ということで、送り手が想像する以上に大事な『品名』欄。
正しく書いて、遅延しないように気をつけましょうね。