心の重さ
心が重いと感じたことがある人はどこくらいいるのだろう。
心の重さなんて感じたことがない人がほとんどなのかもしれない。
でも、わたしは多分、物心ついた頃から心が重い。
ついでに腹の底も重い。
あくまでわたしのイメージだが、心は簡単に傷つかないように、感情が吹き出してこないように、鉛のようなものを心の周りに何重にも何重にも貼り付けているような重さだ。
腹は、腹の底に大きな石がずしんとはいっているような感じで、その石は朝起きた時、今日も1日あれやらなきゃこれやらなきゃが迫ってきて、起き上がれないほど重くなる。
これがどのくらいの人が感じるものなのか、普通なのか、異常なのか、わたしにはわからないが、この重さはわたしの中にずっと、どうやってもあるものなのだろうし、これを抱えながら一緒に生きていくしかないと思っていた。
一応、今も思っている。
でも、わたしの人生のなかで、心の重さがなくなったときがある。
むしろその時に、普通のとき、自分の心が重いことを自覚した。(それまではずっとあったのでそれが普通だと思っていた。)
好きな人の隣で眠ったときだ。
ずっと寝れなかったわたしが、好きな人の隣で安心してぐっすり眠れた後目を覚ますと、まだ起きていて腕枕をして頭を撫でてくれていた。
その時、今まで感じたことがないような心の軽さで、体ごと浮かんでしまうんじゃないかと思うぐらい軽かった。
心がふわふわするのに、それでいて包まれているような、暖かくて幸せで泣いてしまった。
こんなに心が軽くて動きやすい世界があると、そのとき知った。
心を軽くする方法は他にもあるのかもしれないが、自分1人では大変だから、一緒にいると心が軽くなるくらい安心できる人と、自分を信じてくれると確信できる人と、これからも出会いたいし一緒にいたいと思う。