シュルレアリスムの宝庫 ボイマンス・ファン・ベーニンゲン美術館 【オランダ】
オランダの首都アムステルダムは「アムステル川の河口にダム(堤防)を作ってできた街」という意味です。
同様にオランダ第二の都市ロッテルダムは、ロッテ川のダムに由来し、その河口周辺を干拓してできた街のことです。
ロッテルダムにあるロッテルダム港はユーロポートと呼ばれ、2003年までは世界最大の貿易港でしたが、その後、上海やシンガポールの後塵を拝するようになりました。
しかし、現在でもヨーロッパ最大の貿易港の地位は維持しています。
ちなみに第2位はベルギー・アントワープ港(アントウェルペン港)、第3位はドイツ・ハンブルク港です。
そんな貿易都市ロッテルダムにはシュルレアリスム作品を多く展示しているオランダを代表する美術館があります。
それがボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館 (Museum Boijmans Van Beuningen)です。
(以下ボイマンス美術館と記述します)
ボイマンス美術館入口
概要
このボイマンス美術館、2017年にオランダの至宝であるブリューゲルの「バベルの塔」を提げて東京都美術館や、大阪の国立国際美術館で特別展を開催していたのでご存知の方も多いと思います。
ちなみに私はどっちの展示も見ていません。
あれよあれよと言う間に展示が終わっていました。
実際に行った人によれば「人が多すぎてゆっくり見てる暇なんかなかった」と言うので、見に行っても見に行かなくても大して変わりはなかったのかもしれません…(強がり)。
そんな悔しさもありーの、たまたまオランダに行く機会がありーので、ボイマンス美術館に寄ってみました。
入館してすぐのコートを預ける場所 これもアート?
→『メリーゴーランド・コート・ラック』という作品でした。
ボイマンス美術館はフランス・ヤコブ・オットー・ボイマンス(Frans Jacob Otto Boijmans)という弁護士兼美術品コレクターが集めた作品をロッテルダム市に寄贈し、1849年に設立されました。
その後、実業家ダニエル・ジョージ・ファン・ベーニンゲン(Daniël George van Beuningen)が寄贈した作品も加わり、1935年に現在の場所に開館しました。
収蔵作品数はおよそ150,000点超です。
そこらの美術館とは桁も質も違います!!
私の感想ですが、マグリットやダリなどのシュルレアリスム(超現実主義)の作品が多数展示されている印象です。
ただ残念なことにその作品数多さゆえに改修工事が施されることになり、2026年まで改修工事のため閉館する予定です。
(2019年8月時点で閉館しています)
しかし、収蔵作品は各地の特別展で閲覧することが可能ですので、ボイマンス美術館の公式ページをチェックしてみてください。
収蔵作品の一覧を見ることもできます。
今回は、「ボイマンス美術館に行けなかった!」、「行こうと思ってたけど閉まってた!」という人向けに展示作品の紹介をしていきたいと思います。
訪問は2017年12月31日、大晦日のことです。
所蔵作品
ボイマンス美術館といえばやっぱりこれ!!
ピーテル・ブリューゲルのバベルの塔です。
ブリューゲルの描いたバベルの塔には2種類あり、オーストリア・ウィーンのウィーン美術史博物館にあるものは通称大バベル、こちらボイマンス美術館のは通称小バベルと呼ばれています。
小バベルについてはこちらのnoteで紹介しています。
さて、このバベルの塔の驚くべきポイントはその緻密さです!
この絵画には1,400人もの人が描かれていると言われています。
ボイマンス美術館は広く、混雑もしていないので、日本の美術館のように何時間も並んで間近で見られるのは1分もないなんて馬鹿げたことはありません。
じっくり鑑賞できます。
ウィレム・ファン・デ・ヴェルデ2世 『入江に浮かぶ船』
この美術館で一番好きな絵画かもしれません。
フィンセント・ファン・ゴッホ『ポプラのある小道』
館内にはこのような部屋がいくつもあり、見所であふれています。
どなたの作品かメモるのを忘れていましたが…奇妙な絵です。
家には飾りたくないかも。
フランシス・ベーコン『青にいる男』
レンブラント『机の前のティトゥス』
なんだか余計なこと考えていそうな顔です。
ギュンター・フォルグ『ランドシャフト(風景)』
思わず、「はあ?」と首を傾げました。
私には前衛すぎて分かりません…。
誰の作品だろう…マティス?
キース・ヘリング『無題』
昔ユニクロのTシャツのデザインに採用されていた方の作品ですね。
チャーリー・トーロップ『食事と友人』
怖いです。
ピエト・モンドリアン『構成 No.2』
これ結構好きかも!
ジョルジュ・デ・キリコ『トゥルバドゥール』
ベクシンスキーっぽさを感じます。
サルバドール・ダリ『白い媚薬入りの電話』
おふざけの作品に見えますが凡人には分からない計算し尽くされた美があるのかもしれません。
サルバドール・ダリ『戦争の顔』
この絵はスペイン南北戦争の終結と第二次世界大戦勃発間に描かれたものです。
ルネ・マグリット『生ける鏡』
考えるな、感じろ!ってことでしょうか?
ルネ・マグリット『赤いモデル』
だんだん解説が欲しくなってきたのですが、それはそれで野暮かも…。
ルネ・マグリット『自由の境目で』
これ教科書でみたことがあるかも!!
ヨープ・バン・リースハウト『木と袋』
袋の中身に関しては嫌な予感がしました。
解説を読むと思った通りのことが書いてあり、凹みました。
展示作品はまだまだあります。
ちょっと面白いかも。
よく分からないけどすごい!よく分からないけど!
一体、何を、表現したいのかが、私には分からない…。
もはや何がなんだか…。
マーク・ロスコ『マルーン色上の灰色、オレンジ色 No.8』
ボイマンス美術館でみた作品の中で最も訳がわからない作品でした。
いやー芸術って難しいですね。
オンライン鑑賞
これらの作品はボイマンス美術館の公式ページで閲覧可能ですし、簡単な解説もなされています。
(15万点中4.2万点が解説されています)
興味がある方はぜひアクセスしてみてください。
収蔵作品や館内の3Dツアー:https://www.boijmans.nl/en/boijmans-online
作品解説ページ:https://www.boijmans.nl/en/collection/artworks
最後までお読みいただきありがとうございました。
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