積ん読本が増える、これはまさしく魔書である【#読書の秋2021】
最近、純粋に楽しむための読書ができていない。
なんとなく、noteのネタ探しのために本を探しているような…。
それに私、自他共に認める読書家だと思っているけど、実は文豪が書いた系の名著ってそんなに読めてない。
これまでたくさん面白い本に出会ってきたから、後悔はないけど、名作を読み逃しているかも?と思ったら、ちょっと後ろめたい気がしたりして。
そんな風に思っていた時に出会ったのが、この1冊。
三宅香帆・著『人生を狂わす名著50』
これね、むちゃくちゃいいブックガイドです。
とにかく「面白い本ないかしら?」って、書店や本の検索で、さ迷っている方にオススメ。
本の紹介って、ちょっとずつつまみ食いしたいもの。だって、肝心の本の中身を、ガッツリ読みたいでしょ。
でね。この本は、すでに読んでいる本だったら、「そうそう、そうなのよ~」って共感できるし、タイトルは知ってるけど読んだことない本に対しては、「なるほど、そんな本なんだ!」って、三宅さんの親しみやすい語り口で、心にストンと入ってくる。
例えば。
ハルキストには申し訳ないけど、村上春樹作品がいつまでたっても好きになれない私。
この本でも、村上春樹のページの冒頭は、
村上春樹なんて、正直、好きじゃなかった。
の一文ではじまる。
しかも太字で。
めっちゃ共感!
でも三宅さんの解説を読んで、
村上春樹なんて読まなくったって生きていける。ていうか小説なんて読まなくったって生きていける。
(中略)小説が、あなたを助けてくれる日がくるかもしれない。
なーんて書かれたら、やっぱりオススメの作品は、手にとってみようかなという気持ちにさせられる。
なんていうか、まんまと三宅さんの術中にハマっている気分。でもそれが心地いいんです。
この本は、どこから読んでもOK。
素直に、最初の『この本の使い方』から読むもよし。
目次にある、『○○なあなたへ』から、自分の今の気持ちにピッタリ合うページへ飛んでみるもよし。
『教科書に載っている文学作品って何がおもしろいの?と思うあなたへ』
名著にニブイ私は、どんな本を紹介してくれるの!?って興味を持たずにはいられない。
パラパラめくって気になるフレーズが出てきたら、手をとめて読みふけるもよし。
また、
この本を読んだ方に
おすすめする「次の本」
として、さらに3冊、紹介してくれているのも嬉しい。
本のタイトルである、名著50の期待を軽く越えている。面白い本が、まだまだこんなにもあるんだ!という喜びを与えてくれる書籍です。
面白そう。
気になる。
読んでみたい。
あらゆる好奇心を刺激される書籍です。
おそらく、この本を読むと積ん読本が増えます、まず間違いなく。
だってすでに私の枕元には、この本きっかけに入手した本がいろいろ。
しかもそれは、まだまだ増えそうな予感、おそろしや~。
積ん読本が増える覚悟がある方は、ぜひこの本を手に取ってみていただきたい。
必ずや思いがけない本と出会い、あなたの心の琴線に触れる作品と巡り会えるはず。
人生狂っちゃうかはわからないけれど。
こんなに面白い未読本があるならば、
まだまだ死ねないと思わせてくれる"名著"である。