本当に助けてほしかったのは あの時だった
洗濯物をたたんでいた時に
「洗濯物が少ない時はたたむのも楽だね。」と
夫がパンツと靴下とフェイスタオルだけをたたんでいた時に
何気なく言った
その言葉で働いていた時を思い出してしまった
夫は、仕事とパチンコのことしか考えていなかった
私より早く帰って来ても
溜まっていた食器を洗うこともなく
掃除機をかけることもなく
洗濯機を回してくれることもなく
ただ、テレビを見ていた
何度掃除機をかけてほしいと頼んでも
ペットがいるから汚くなっても仕方ない
ペットを飼ったのはお前なのだからお前がしたらいい
洗濯物をたたんでいる時に、自分のものくらいたたんで欲しいと頼んでも、面倒だからやらない
食洗器に入れるだけだから食器を洗っておいてほしいと頼んでも、それならお前がやればいい
そんなことを言われていた
私は会社が閉まる時間まで働いてから、急いで帰って食事の支度をした。
10年くらいは、義理の親と一緒に暮らして介護もした
なのに家事負担が不公平過ぎて、辛かった
こんなに身を粉にして仕事をして家事もして介護もしていたのに
夫は何も私を助けてくれなかった
そんなに多くのサラリーをもらっていたわけでもないのに
何もしなかった
家政婦だと思えば良いんだと自分に言い聞かせていた
私は体力もなくて、出来ることは限られていたのに
どうして体力もある夫は何もしないのか
面倒だと言って何もしなくても良いのか
私には今も理解できない
だから、他の人から面倒をみてもらって
それが当然だという人を見ると
怒りが込み上げてくるのだと思う
出来ないのとしないのは違う
家事は、難しいことはないけれど
やろうとしない人は出来ないと言い訳する
その夫が退職してから
朝にコーヒーを淹れ
パンを用意している
洗濯物もたたんでいる
掃除機もたまにかけている
今より
もっと助けてほしい時があったんだよ!
私は、あの頃の悲しんでいる自分にかける言葉を
まだ見つけていない