来てみれば



『来てみれば』
譲る本捨つる本春遠からじ
愛の日や切り花に水吸ふちから
薬まだ脳にとゞまり雪柳
春時雨くれなゐを足し絵の果実
目つむりて跳ぶ春昼のせゝらぎよ
さへづりを来てみれば閉館日らし
桜貝握りし方の手を当てよ

角川『俳句』2023年3月号・俳人スポットライトに掲載

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