生化学が嫌いだったのに。
#想像していなかった未来
癖になっていることが一つあります。
「化学物質の名前を聞くと、ひとまず構造式を調べて自分のノートに構造を書いてみること。」
普通の人は「ふーん」と思って流すところを、僕の場合は構造式までしっかり調べてメモする。
ちょっと変な人です。
でも、化学物質って名前を聞いただけじゃどんなものか全然ピンとこないじゃないですか。
体に良いのものなのか、名前だけじゃ悪いものなのか全然定かじゃない。
例えば、「GABA」
これはγ‐アミノ酪酸(gamma-Aminobutyric acid)の略で、近年睡眠の質向上やストレス軽減などの効果があるとしてサプリメントに入っていたりするそうです。
https://www.suntory-kenko.com/column2/article/11716/
これをみて、「比較的シンプルな構造のアミノ酸だなー」「ぱっと見たかんじ毒性がありそうな構造はしてないなー」とかを考えつつ、頭に入れるわけです。もちろん専門家ではないので、詳しいことはわからないので、まあなんとなくです。
■大学時代は生化学が苦手でした
大学時代は生化学の授業が本当に苦手で、単位も一度落として、翌年後輩と一緒に再度授業を受けた上に、ギリギリ単位を取得といった有様。
クエン酸回路、解糖系、脂質代謝などなど、、
当時は本当に嫌いで苦手意識を持っていました。
下記の図を見るだけでも本能的に苦手意識を持つ人もいそうです。
というか僕でした。
大学の講義では、講義回数の関係でそんなに時間もなかったこともあり、上記の図をまるっと覚えることを求められ、
「名前を覚えるだけでなにも面白くない!!」
とずっと思っていました。
「ただ暗記するだけ」ということに退屈さをを覚えていたのが苦手意識のもとです。
■研究所での経験
社会人になって化学メーカーの研究所で新規プラスチックの開発に携わる機会を得ました。
当時、スマホカメラレンズに求められる性能を満たし、より高機能な素材を開発するために、新規化学物質の重合を試しては物性を手分けして調べるという毎日でした。
その時の上司は、毎朝1時間、開発チーム全員でミーティングをすることを大事にしている方でした。
ミーティングの内容は、半ば雑談のような日もあれば、光学や高分子化学の授業のような日もありました。
そこで構造式をホワイトボードに描いたり、HGSの分子模型セットを使って、開発中の化合物を作ってみたり、PC上で構造をシミュレートしたりと、視覚的に化合物を理解する機会を多く得ました。
つまり、「構造の持つ機能と意味」が少し分かるようになりました。
ただの名前では興味が湧かなかった化学物質が、構造と機能を知ることで意味あるもの、興味深いものに変わったんです。僕の中では。
■最後に
僕の場合は化学式でしたが、苦手なものが得意になった、もしくはそこまでいかなくても、苦手なものがちょっと得意になった経験ってあると思います。
大事なのはそれが「好き」の始まりだということです。
僕のお世話になった方から教わったのですが、ふつうは下のように考える。
「①好き→②やってみる→③うまくいく」
でも、実際にはスタートの位置が違っていて、
「①やってみる→②うまくいく→③好き」
の順だと。
好きになると、もっとやりたくなる。それでうまくいくとさらに好きになる。こうやって正のループが働いていく。
苦手だと思っていたことでも、少しずつできるようになると好きに変わっていきます。
なので、もしよければ、苦手だと思っていることにも、もう何度かチャレンジしてみるのはどうでしょう?
案外、コツをつかんだり、うまくいったりで、好きなことに代わる可能性があるかもしれないです。
では!
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