公演の振り返り②(演出編)
[フキョウワ]第二回公演『足掻き(あしかき)』及び、
公演にまつわる話の振り返りを行っていく。
今回は演出面での振り返り。
過去の2公演(第一回公演、仮想劇場短編演劇祭)を踏まえて
意識的に改善したこと。
・仕事を抱え過ぎない
(人に仕事を振ることで、演出に注力する環境を作る)
・不確定要素を最後まで持ち込まない
当たり前のようなことだが、私の苦手な部分だった上記2点。
今回の公演ではある程度、改善できたのではないかと思っている。
もちろん、完璧にうまくいったというわけではなかったが、
多くの人に助けてもらいつつ
致命的な状況に陥ることはなかったように思う。
一方で、今回の反省点は小屋入り後の演出にある
小屋入り後、決定的にランタイムが伸びた。
稽古時の通し(前説抜き)では92分くらいで推移していたが、
小屋入り後のランタイムが100分くらいに伸びてしまった。(前説あり)
前説の時間が1分少しなのでこの分を差し引きしても7分くらい伸びていることになる。もちろん、稽古段階では舞台美術もなく、音響・照明との合わせもほとんどできない為、ある程度伸びるのは仕方ないが、それでも95分までに納めなければならなかったと思っている。
95分と100分でそんなに変わるのか?と思われるかもしれないが
これは体感的には大きく変わる。
5分のシーンが追加されているのではなく、全体として5分伸びているというのは、大きく間延びした感覚を与える。
このランタイムの伸びの違和感に明確に気づいたのが、1日目が終わってのこと。2日目の1回目のステージは、その点を強く指摘し
なんとか96分のランタイムまで戻すことができたが、小屋入り後にここをうまく調整できなかったのは演出としては致命的だったと思っている。
前半、男と女が入れ替わるまでのところまでは
テンポよく、スピーディに展開すべきだった。
ここが全体的に間延びしてしまった。
これは、役者やスタッフに責任はない。完全に演出の指示ミスなのだ。
ゲネプロが終わった時点で、「割とこれでいけてる」そう思ってしまっていた。演出に慢心があったと言わざるをえない。
問題は「小屋入り後」だけではなかったかもしれない。
今回、稽古のかなり早い段階で一通り段取りをつけることにした。
ただ、そこから音響・照明のキッカケをうまく落とし込むことができなかった。それは、感染症の状況やスケジュール等、いくつかの問題が重なったこともあったのだが、演出としてより明確に詰め切るべきだったように感じる。そこがお座なりになった結果、小屋入り後の状況につながったようにも感じる。
他にも、小道具と舞台美術の解離や、美術のより有効な利用方法など
考えるべきこと、反省すべきことはいくらもある。
[フキョウワ]はここで終わるわけではない。
むしろ始まったばかりと言ってもいい。
一つ一つ、課題を明確にし、対策を立て、一歩一歩前進していきたい。