【連続note小説】日向食堂 小日向真司55歳
歳之にも家族ができていた。
きれいな奥さんと女の子が一人、名前を恵子と千秋と言った。
仕事の都合で、遠く離れて暮らしていて真司とは疎遠だった。
ある日、歳之の家族が3人でふらっと日向食堂にやってきた。
歳之:「久しぶりに兄さんの料理を食べにきたよ」
恵子はこの兄弟の過去を知っている。
疎遠ながらも真司のファンだった。
3人はそれぞれに料理を注文し、それを食べ始めた。
しばらくすると恵子がしくしくと泣き始めた。
その様子を見た吾郎は思った。
"あの時のおれと同じだ"