今、スマホのSIMロックはどうなっているか知ってる?
(この記事は2021年9月22日に執筆しました)
今や、「ケータイ」というと古臭いにおいがして、ガラケーをイメージさせてしまうようですが、Docomoやauなどは未だに携帯電話会社と呼ばれています。
それはさておき、携帯各社は、他社への顧客流出に制限をかけるために、SIMロックという仕組みを導入していました。
SIMとは
最初のSIMカード(Subscriber Identity Module Card)は、1991年にミュンヘンのスマートカードメーカー、G+D(Giesecke+Devrient)で開発され、ETSI(ヨーロッパ通信規格機関)で仕様が決まっています。
SIMカード(Subscriber Identity Module Card)には、ICチップが搭載されており、1990年代に日本以外の世界各国に普及した第2世代(2G)携帯電話システム「GSM」(Global System for Mobile Communications)規格で導入されました。電話番号、カード識別番号(ICCID)、加入者識別番号(IMSI)などが記録されており、端末とは別に加入者を管理することができます。
SIMロック解除に向けて
日本では、2000年にドコモのFORMAから導入されました。当時は、通信の規格が各社で異なっており、SIMカードと携帯端末は同じ携帯電話会社のものでなければ使用できなかったため、SIMロックは必要なものとされていました。しかし、iPhone(初代)が発売された2007年頃から総務省の有識者会議「モバイルビジネス研究会」で話題になるようになります。2008年には最初のMVNOが開始され、SIMロック解除に向けて動き出します。
SIMロックは、スマホ側でこのSIMカードのICCID情報を読み取り、指定されたキャリアのSIMでないと通信できなくする仕組みです。この仕組みは、日本と韓国にしかありません。
総務省は、2010年6月に「SIMロック解除に関するガイドライン」を出しましたが、この時点では強制力はありません。2014年12月に改訂され、2015年5月1日以降に販売される端末について、原則とし利用者からのSIMロック解除の求めに応じなければならないとなりました。このため、携帯電話各社は、購入後一定期間(6か月)を経た場合に、SIMロック解除の申請に応じるようになりました。この年のiPhoneの販売台数は、大きく伸びています。(iPhone 販売台数と売上推移)
更に2017年1月には、「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」を出し、携帯各社は一括払いで購入した場合は、購入日から解除可能、分割払いの場合は購入日から100日経過で解除できるようになりました。
そして、とうとう、2021年8月10日最終改正の「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」で、2021年10月1日以降は、SIMロック原則禁止となりました。
SIMフリー端末や違うキャリアの端末を使う
キャリアによって割り当てられている周波数帯は異なっています。また、地域によっても使える周波数帯が異なる場合もあります。iPhoneでは、主要な周波数帯をほぼカバーしているようですが、Android端末では、異なるキャリアのSIMを使うと速度が出なかったり、場合によっては通信できないなど、問題が発生する可能性があります。電波事情が悪い場所で使用する場合は注意が必要です。
また、購入したキャリアが違う場合には、端末のサポートもしてもらえません。つながってしまえばいいのですが、何か問題が発生した場合、自力で解決する覚悟が必要でしょう。MVNOでは、対面によるサポートがないだけでなく、電話でのサポートもない場合もあるので、手元のマニュアルをきちんと読むくらいはしなくてはいけません。
かく言う私も、楽天モバイルの設定で、つながるまでに半日くらい悩みました。