美しいパディントン駅と食べきれないごはん ロンドン到着1日目 【旅行記】
ここ1週間、腑抜けのようで、地に足がつかなくてフワフワしている。旅先で出会った人たちにお礼の連絡をする時と、お土産話をしている時だけ気持ちが湧き立つ。あとは、ぼおとしている。
3週間のイギリスとスペインの旅行は楽しすぎて、心がさらわれてしまったようだ。
先日、予約サイトのBooking .comからこんなタイトルのメールがきていた。
”KIMURAさん、「旅行ロス」を感じてはいませんか?”
開いてみると、飛行機の写真が添えてあって、
”旅行ロスの特効薬?それには新たな旅が一番!”
これにはやられた。Booking .comだけが唯一、私の今の気持ちを理解してくれていると思ったものだ。秀悦なマーケティングで笑ってしまった。
とはいえ、現実には次の旅には当分行けそうもないので、今回の旅を振り返ってしばらく楽しむことにしよう。それでははじまり。
6月25日(火) 1日目
17時。予定通りにロンドンのヒースロー空港の第2ターミナルに到着した。
なんだかこの空港は暗い。エスカレーターから軋む音が聞こえている。国の第一印象を決めるから威信をかけて整備するはずの空港でこれは大丈夫かしら?と思う。
手続きを済ませて外にでたら、足元にコロコロと何かが転がってきて右足にぶつかった。それは青い目をした猫の人形の頭部だった。周りには誰もいない。
「こわっ」
と思ったけれど、これもご縁と思い、拾い上げてリュックのポケットに入れた。
結局、日本まで連れて帰ってきた。「ty・人形・青い目」で調べてみたら、世界150ヵ国で愛されているぬいぐるみブランドだそうだ。
ただ、頭部だけって怖いし、よくわからないものを持ち帰ってきたのは危なかったかしら。
頭の中に白い粉は詰まっていないよね?、ボイスレコーダーが内蔵されてはいないだろうか?と見てみたけれど、一応大丈夫そうだ。
全行程一緒に旅にしたと思うとなんだか捨てられなくて、今度、胴体をネットショップで買おうかと思っている。
さて、空港について一息入れようとカフェに入り、マンゴーフラペチーノのようなものを頼む。6ポンド(1200円)くらい支払う。大きなカップで出てきたから、飲み切るのに苦労する。
カフェで周りをみてみると、スーツケースを横においてゆったりとおしゃべりをしている人たちがほとんどだ。けれど、盗難対策の動画を何本も見てきた私は、スーツケースを股の間に挟み、リュックサックの片方の紐を椅子の脚に引っ掛けて身を固めてジュースを飲んでいた。
ここで到着したことを各所に連絡。ドコモのahamoプランで順調にネットに繋がっている。
一休みしたあと電車でホテルに向かう。切符はtrainlineというアプリ経由で取得。このアプリは電車の発着状況、時間、値段もわかるうえ、そのまま切符を予約できたので便利だった。
エリザベスラインでパディントン駅に到着。
ガラス張りの屋根のアーチが美しい。実際は、このアーチが3連続いているので、連続性があって、写真よりずっと広くてより素敵である。
ホテルへ。
ホテルの前の道は街路樹がうわっている。立派な木だ。この眺めが気に入った。やっぱり緑が好きだ。
部屋に入るとおしゃれで綺麗だったし、受付のインド系の小さなおじさんは、「お客さんがたてこんで忙しいからちょっと待っててね」とか言いながら笑顔で動いていて、感じがよかった。
宿に荷物をおいてから、お腹を満たしに駅の周辺に向かう。
パブやレストランは賑わっているが気後れしてしまい、ケバブがあるトルコ系の店でチキンとポテトとサラダが盛られた1品とレモンの炭酸飲料を注文して、2テーブルほどしかない小さなテラス席で食べる。8ポンドだった。
隣に座ったお兄さんは近くの店で勤めている人らしく、不機嫌そうな顔でさっと食べたあと、中にいる店員に「じゃあな、店に戻るよ」とみたいな声をかけて去っていった。店員も実につまらなそうな顔をしている。
彼らにとっては今日も退屈な1日なのだ。旅人の私には、そのだるそうな表情すら興味深くて、1シーンとして記憶されている。
結局、飲み物も食べ物も残ってしまって、両手に持ちながら宿に帰った。
2日目に続く😃