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世紀末の車屋さん時代の記憶 ランチア・デルタ HF

80-90年台の欧州車見てて色々思い出したわー。
今ほど、外車が走っていなかった、そう、メルセデスかBMWかフォルクスワーゲンはよく見るね、アストンマーティンなんて見ようもんなら興奮してた、そんな時代。
それでも海外自動車事情は雑誌も出てたし、モータースポーツの中継もそこそこあった。
外車も良いねーなんて考えてて、埼中販オークションに仕入れに行って見つけたね、これだ!って。

ランチア デルタ HF インテグラーレ。
コレがかっこよかったんだ。その後コルツィオーネとかエボルツィオーネとか出るんだけどまぁかっこいいことかっこいいこと。ラリーの写真だけでしか見たことなくてね、買おうと思った。400万円、あ、もってねーやw
その直後、同じ会社から出てきたんだよね、ランチアデルタ。
インテグラーレじゃないの。ただのデルタHF、スタート20万円。なんとなく一回り小さいなーって思ったけどその違和感の答えは買った後でわかった。入札は俺だけ、20万3千円でのお買い上げ。
落札して実車周り回ってあー、なるほど。ブリスターフェンダーが小ぶり。ルーフウイングなし。要はワイドボディじゃない。あのマッチョ感が魅力でもあるだけどもこれはこれでこぶりな感じでカワイイ。室内は広い。

実際乗って見ると足回りも問題ない、E/gも快調、内装も欧州車独特のあの匂い以外問題はない。なのに安い。疑問を持ちながらも陸送を手配して帰社。
とりあえず整備に出して翌週もオークションへ。まぁ毎週仕入れにはいってた。そしたらね、また出てるのデルタ、インテグラーレじゃない奴。20万スタート

まぁ、買ったw いろいろ同業の輸入車商にも聞いたんだけど特に問題はない、安いのは需要がないからじゃね?とのこと。需要がないというよりも、知らない、うん、みんな知らない。 ラリーファンとかランチア・ストラトスからのランチアファンとかS4好きとかデドラとか乗ってる人くらいしか知らない。

最初に買った一台が整備から帰ってきた。そもそもが好調だったんで快適だった、あの季節までは。
欧州って元々雨が少ない。スイスなんかは多いけどイタリアとか日本の半分。だから車の作りもそうなっている。

そう、あの季節とは梅雨。
雨が降り始めて真っ先に起こった変化、朝になると窓が内側から曇る。
日本車でもマットが水を含んでたりするとなるけど、こいつは違う。
どこからともなく湿気る、全体的に湿っぽい。
買うよね、水取りぞうさん押し入れ用。4つも。

でもまぁ湿気るなんてのは快適さが失われるだけで、3日にいっぺんくらいブロアーしたり乾燥させてやりゃいいわけなんでさしたる問題じゃない。本当に厄介なのは冷却。湿気が多いと蒸し暑く感じるように、放熱がしづらくなるのだ。

欧州で設計された車、今みたいに販売する国に合わせてーーなんていうのはない。並行輸入だし。湿度が80%あたりで気温が25度超えるともう2時間程度で水温が上がって走れなくなる。首都高でオーバーヒートしそうになり、流石にコレは参ったってことで整備のおっちゃんと相談。

E/Gバラしてウォータージャケット広げるとか、冷却水を水+防錆剤にするとか色々考えたけど、1日でいけるラジエーターコアを大きい物に変更、ウォーターポンプを交換する、という手段。もちろんランチア用ではなくて国産車用。2Lクラスであれば大衆グレードでもコアは行けた。

ウォーターポンプはお任せしちゃって日産のものを使って、ケースを溶接してつけたらしい。Z32かR32のだっと思う。
で、コレが効果てきめん。
蒸し暑い日でも安心!ってことで98万円の値をつけたら3日で売れていきましたとさ。
エンスー向け欧州車を買うなら水回り!覚えといてください。

ちなみに同じ仕様で4台くらい売れたんだなぁ

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