「試食は一人1つまで」〜乞食布教と呼ばれて〜 EP2.旅立ちといつ野宿するの?
「親神様、教祖 行ってきます」
次いつ帰ってこれるか全く分からない参拝は、本当に感慨深いものがあります。
それまでは住んでいたり予定通りに帰れたり、予定はなくてもだいたいの想定ができたりだったので、「次は何年後だろうか」というのは初めてでした。
こういう時の参拝で会う人は、会うべくしてってのがよく分かりますね。
もちろんみんな、
「え、今から布教?これ(ママチャリ)で?笑」
でした。
話は少し逸れますが、どれだけ感慨深くても、どうにか聞いて欲しいお願いや言葉にできない感謝があっても、どんな時でも変わらずおつとめをするってなんかいいなぁって思います。
個人に限らず記念祭とか年祭とか、いつもおつとめ。
ルーティンとかとは違う感覚だけど、言葉にしようとするといつまでも出発できなそうなので話を戻します。
2013.4.16 出発
参拝を終えて、天理にいた父とたまたま会った友人たちが見送ってくれました。
↑右から二番目が僕
目指せ国道1号線
そもそもどう行けば東京に着くか全く知らなかった僕ですが、「国道1号線をひたすら行けば東京に着く」って聞いたのでまずは1号線を目指して京都に向かいます。
169号線を通って見慣れた景色の中、奈良を通過し北上します。
人を頼らず神に頼るべし!
自転車に乗って転々とするので、
「各地の教会に寄らせてもらったら?」
というアドバイスもよくもらいましたが、探す+寄るだけでも移動に支障が出るし、人を当てにし出すと神さまの出る幕が無くなってしまうと思ったので、道中見かけた教会に参拝だけさせてもらう事にしました。
「荷台にPR用の旗付けたら?」
とかもありましたが、僕の気持ちが「これ見て興味持って欲しい」よりも「お道の人が励ましてくれるかも」ってなりそうなのでナシでした。
奈良を越えて
出発してから2時間くらい走って、分かってきた事があります。
普通に疲れる
いくら勇んでいても、リュック背負って荷物積んだ自転車は重くて遅くてかなりバテます。
考えてみたら一度も、実際に乗ったり寝袋で寝てみたりしてませんでした。
舐めててごめんなさい、です。
初日から泣き言なんて言ってられないのでせっせと自転車漕ぎますが、みかぐらうた口ずさむのは早くも限界を迎えました。
「みかぐらうたは1日2回まで」
新ルールすぐ作ります。
最初の事件
前回の持ち物リストに載せ忘れてましたが、クロックスも自転車に引っかけてました。
いつの間にか片方だけになってました。
出発してわずか3時間です。
本来必要無かったから削がれた気分でしたが、さすがにクロックスに申し訳なかったので来た道を15分くらい戻りました。
ちなみに大体このあたり。
心当たりありそうな段差とか探しましたが見つからず、この時点で"クロックスだったもの"はもはやペットボトルが入りそうなゴム製のものと化しました。
これ以降、「なんで片方だけ?」に対して
「ペットボトル入れです」と笑顔で答えるようになります。
気を取り直して京都へ
もっとあっさり着くと思ってた京都にさえ中々たどり着けません。
出発前にもらったお菓子、「今日の夕食これでいいや」なんて思ってましたが夕方には完食。
いやぁお腹って減るもんですね。
開き直って自転車乗ってると携帯に着信が。
当時の分会青年会の委員長からでした。
「今晩どこいる?激励行くわ!」
今日は初日なので甘えるわけにはいきません。
「京都ですッ!」
即答してました。
そして夜の激励をモチベーションにひた走り、天理出発して5時間後に京都に着きました。
この時の僕にあったのは達成感ではなくシンプルに空腹感です。
激励までまだ2時間ある、、、
2時間後には夕食が、、、
にもかかわらずコンビニでカップラーメンを食べるという意志の弱さ。
情けなさを痛感しつつも、僕は自分で苦しくなるのは嫌なので、あっさり自分を許す事にしています。
「やっぱ疲れた後のジャンクフード最強!さ、さっさと切り替えてまた頑張ろ!」
しかし誘惑は続く
その後、激励のおかげでお腹もMAXに満たされ京都駅で別れる時です。
「今日はこれでビジネスホテルかどっか泊まって!」
宿泊費までとかホント勘弁です。
さすがに初日からやりすぎです。
でも、いくら断っても帰ってくれないので受け取って見送りました。
🔎 京都 ビジネスホテル 最安
自分を許し過ぎてもはや開き直っています。
かなり苦しい言い訳に聞こえると思いますが、全てにおいて「○○に使ってね」というものは先を案じて残しておくよりも、極力望まれる用途で使う方が良いと思ってます。
という事でしっかりとご厚意に甘え、初日の夜はネットカフェ泊に決定しました。
2日目(4/17)
本日は1号線を確認しさえすればミッションクリアで、兄の家に行くため東京と反対方向に進みます。
布教、その前に東北ですが、そのついでに日頃行けなかった親族巡りです。
布教は一体いつになるやら。
東京と反対方向に進むので、翌日にはまた来た道を戻る事になりますが初の山越えです。
自転車での山道の上り(ほぼ押して歩くだけ)は体力的にはもちろん、どれだけ上るか先が見えないので精神的にも結構キツイですが、上り切りさえすればあとは楽々下るだけなので
先を楽しむ
がよく分かります。
先が楽しいと決まっていれば、あとは今を喜べるかどうかだけなのでとてもシンプル。
夕方兄宅に着きテキトーに時間をつぶして、夕食は大好きな激励です。
実の兄からしても僕のこれからの活動とそのメンタルは気になるところだったようで、話も弾みそのまま兄宅で泊まらせてもらいました。
布教もせず野宿もしない、今のところただのママチャリ移動です。
最初はこんな感じでしたが、やっぱりやってみてこそ分かる事ばかりなので実際にやってみるってホント大切だなーと感じた二日間でした。
次回は、「EP3.野宿は突然やってくる」です。
お楽しみに!