「十全の守護」の活用法
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こんにちわ、福之助福太郎です。
今日は「十全の守護」の活用法について書いていきますが、初めての方はまずこちらをご覧ください。
今回のポイント
①二つ一つ
②上がるだけのシーソー
③モンスター資料
④普通のシーソー
"二つ一つ"
これまでの投稿から、
・「十全の守護」の方位には意味がある
・それぞれを個別に考えるだけでは図式の意味がない
という事が言えると思います。
これについて深谷忠政さんは、
世間の常識は自分は自分、人は人という考え方で夫婦・親子・国と国・今と過去未来・神と人 といった全ての事柄を個別に捉える「一つ一つ」である。しかしお道の考え方は「二つ一つ」で、夫がいて妻があり、親がいて子があり、神がいて人間がある といったように考える。また、たすける事とたすかる事や出す事と入る事なども世間では個別に考えるが、お道ではたすける事とたすかる事、出す事と入る事も「二つ一つ」と考える。
という事を言っておられ、「十全の守護」も かんろだい を中心とした"二つ一つ"であるとされています。(『たすけ一条・ひろめ一条』111-125頁)
シーソー理論
また宇野義明さんは、2018年の『大望』誌上で連載されていたようにシーソーに例えて説明をされています。
それは、
・体や身の周りに表面化してきた不調=シーソーの作用点が上がった状態
・原因は力点にある=シーソーの下がった側に人間の取るべき行動がある
・シーソーが水平になれば調和の取れた元の姿に戻る
・しかし、足の裏に付いた糊のように水平へと動けなくさせているものが積んできた心の埃
というものです。
これも「十全の守護」における一方だけで考えるのではなく、対極にあるもう片方との"二つ一つ"で考える方法だと思います。
『布教の手引き』
天理教青年会本部発行の『布教の手引き』(1982年)からも少し紹介したいと思います。この書籍は、
・明治十六年「桝井本」を基準にした「神のこふき」
・山澤為造先生口述「ぢばの真義」(第一~第三席)
・安藤正吉先生口述「よふぼくの道」
・「みかぐらうた略註」
・「おぢばがえり」
・「おさづけの理とその取り次ぎについて」
・「身上の理(参考資料)」
・「事情の理(参考資料)」
・「にをいがけとその実際」
一、にをいがけの心構え 二、個別訪問とその実際
三、個別訪問以外のにをいがけ 四、質問に答える
・お話の取り次ぎ方
・教理問答
・お道の信仰と他の信仰
と全351ページにわたるかなり重厚な内容で、今回はその中から「身上の理」を参考にしたいと思います。
この「身上の理(参考資料)」は、身上の理の悟りを深める一助、あくまで素材として大略を掲載したものだそうですが参考にした主な文献が、
・諸井慶徳 身上、事情のさとしに就いて、著作集第二巻「道の先達の心得」(昭和38年、道友社)所収
・深谷忠政 教理研究身上さとし(昭和37年、道友社)
・諸井政一 八つのほこり『正文遺韻抄』(昭和45年、道友社)所収
・柏原源次郎 おたすけと更生(昭和8年、よなほり会)
・柳井徳次郎 身の内はなし(昭和21年、一條会)
・安藤正吉 『病理』への考察「用木の道」(昭和33年、本愛大教会)所収
と凄まじいラインナップになっています。
また悟りの角目として、
・身上の理の悟りの角目
・おさしづに基づく悟りの角目
・八つのほこりからの悟り
・十柱の神様の守護からの悟り
・患部・症状からの悟り
と様々な視点からの多様な悟りが載っているのでとても読み応えがあります。
乗った側にも影響がでるシーソー
中でも「十柱の神様の守護からの悟り」において、
〇〇のみことの働きが欠けると~~となり、(対極にある)△△のみことの働きが高まって~~になる。
というように、働きの欠如とその結果としての対極の働きの高まりの二方向に言及しているのが特徴的でした。
これを先ほどのシーソー理論に当てはめると、
原因:力点(働きの欠如)
結果:力点の側(働きの欠如)+作用点(働きの高まり)
となると思います。力点の側にも結果が表れるとしているのがシーソー理論との違いです。
しかしこの方法で結果から逆算すると、表れたのが力点か作用点かによって原因、つまり改善すべきポイントが分かりにくくなるようにも感じました。
普通のシーソー
上記の二つを考えると、どちらも作用点は上がるしかないという解釈だと思います。そこで僕は、"二つ一つ"ということから結果は作用点にしか表れないという前提で、上がるだけのシーソーではなく作用点が下がる場合もあるシーソー、まさしく普通のシーソーとして考えることにしました。
例えば「切り傷」をした場合は、
【結果が作用点】
結果:"くにさづちのみこと"に表面化(働きの高まり)
原因:"月よみのみこと"の働きの欠如→突っ張りが不足
もしくは、
【結果が力点】
結果:"くにさづちのみこと"に表面化(働きの欠如)
原因:"くにさづちのみこと"の働きの欠如→繋ぎが不足
の2つの解釈になりますが、普通のシーソーで考えると、
結果:"くにさづちのみこと"の繋ぎの働きが下がった
原因:"月よみのみこと"の働きが上がったため→突っ張りが過剰
となります。
また、「切り傷」と「腫れ物」を皮膚に表れる事から同様に"くにさづちのみこと"の高まりと捉えるよりも、
「切り傷」:作用点が下がった(繋ぎの働きの欠如)
「腫れ物」:作用点が上がった(繋ぎの働きの高まり)
と捉えた方が僕は考えやすかったので、普通のシーソー理論を採用しています。
with"ほこり"
また、普通のシーソーで考える"二つ一つ"と"ほこり"との関係を結果から逆算する式で考えると、
結果:働きの欠如or高まり+対応する"ほこり"が出やすい状態
原因:働きの高まりor欠如+対応する"ほこり"
といえるのではないかと思います。
最後に
今回は「十全の守護」を"二つ一つ"で考える方法と、今のところ僕の中でしっくり来ている考え方を紹介しました。非常に概念的でシーソーの絵も無く分かりにくかったかもしれませんが、自分の中でしっくりくる解釈ができ、日々の生活の中で実験・実践していければなによりかなと思います。
僕自身は方法論はさほど重要ではないと思いますし、日常の生活においては絶対解より納得解が重要かなと思いますが、悩み事に対しての具体的なアプローチの目安になったり、一日一日の喜びの実感が増していければと思います。
シリーズ「十全の守護」もいよいよ残り2回の予定です。
楽しくお付き合いいただければと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。