「試食は一人1つまで」〜乞食布教と呼ばれて〜 EP.3野宿は突然やってくる
無限の彼方へ、さあ行くぞ!
初日は→京都、二日目は→兄宅
という明確なゴールがありましたが、いよいよ今日から未知なる旅路です。
(といっても近場の親族は訪ねますが)
ひとまず昨日来た道を戻って再び山越えです。
相変わらず疲れはしますが、所詮攻略済みなので英気を養った僕にとっては恐るるに足らず。
やはり何事も、経験した事はコスト抑えられます。
問題なく山を越え京都市内に戻りました。
いきなり試されるたすけ心
本来車道を走らないといけない自転車ですが、歩道に専用レーンがあったり車道を走るのが危険な場合は弁えて歩道を通ります。
そして歩行者とすれ違う時は止まったり徐行したりするわけですが、いつものように通過しようとすると、突然オバサン(?)に声かけられました。
「千円貸して下さい!」
これ、都会とか駅前とかで結構あるあるらしいんですが、全く初めての体験だったのでかなり焦りました。
まさかのすれ違い無心に困惑してる間にもオバサン(?)は迫ってきます。
「どうしても千円必要なんです!必ズ返シマスカラ!」
圧がすごい。
(これから切り崩していく大切な資金、、オバサン(?)には分からないかもしれないけど僕にとっての千円は、もはや千円じゃないんだ!)
と心の中で思いましたが、頭に浮かぶのはやっぱりこのシーン
人だすけを目指してるのに、今ここで目の前の人を助けないっていう矛盾には敵いません。
返済は結構なんで、と頼まれた千円だけ渡して別れました。
見返りを求めない施しって本当に試されます。というか本心を試されます。
「今回は渡せたけど、もし冬に同じように頼まれたら、果たして唯一の冬用上着渡せるのか?」
って考えながら、
これ半端ない!!
って痛感しました。
グッバイ京都
オバサン(?)と別れひたすら一号線を走ります。
清水寺を横目に山?を越え滋賀に入り、甲賀市まで進みました。
きれいな夕焼けを見て、「天理では教祖誕生祭だったんだなぁ」としみじみ感じてると、ふと
「思えば遠くへ来たもんだ」
って呟いてました。
まだ滋賀です。
しかし、それでもなんだか感慨深いものがありました。
(疲労と景色のせい)
場所は大体このあたり。
初めて丸一日走ってみて、
・一日あれば案外進める
・全然知らない道を黙々と進むのはメンタルも削られる
って事が分かりました。
そして、
①日中走り続けると体力残ってない
②夜道は視界悪いから危ない
③山に入ったらいつ抜けれるか分からない
なので日没を移動終了の合図にしました。
新たな発見
初めて全く予定の無い夜を迎えて気づいたことがあります。
めっちゃ時間ある
日没から夜明けまでの時間をどうやって潰すか、完全に想定外でした。
さらに追い打ちをかけてくるのが
四月の夜はまだまだ寒い
です。
時間×寒さ=メンタル破壊力
という世紀の大発見をした瞬間です。
あと、この時はまだ街中で公園を見つける嗅覚を持ってなかったので心が折れるのにさほど時間はかかりませんでした。
①暖をとれる
②時間を潰せる
③安く済む
三拍子揃った場所、「i'm lovin' it」です!
コーヒー1杯で朝まで粘ろうとする典型的な迷惑客に成り下がる、自称 布教師。
店員さんにバレないように睡眠をとるテクニックもあるんですが、公序良俗的にギリギリアウトなので控えます。
18:30に入店し、気づけば22:00。
まだまだ夜は長いと思っているとやけに店内が騒がしい。
だんまりを決め込む僕に、店員がおもむろに近づいてきます。
「本日、年に一度の店内夜間清掃となっております。」
ぐうの音も出ない鮮やかさです。
夜更けの寝床探し
「マジかー」ってブツブツ言いながら外に出るとまさかの小雨。
真っ暗×寒さ×小雨×路上 という追い込みの四重奏。
完全に自業自得ですが半ばやけくそでウロウロすると、閉店後のスーパーを見つけました。
雨をしのげる立体駐車場に心惹かれますが、いよいよ不法侵入を問われかねないので断念。
その後もアテもなくうろつき奇跡的に公園にたどり着きました。
しかも東屋的な、
こんなやつまで!
これはもう今夜の寝床に即決なので早速寝袋インです。
いきなりQ&A
これは本当によく聞かれることですが、
Q.野宿とか怖くないの?
に対してのアンサーは、
A.不安こそ凭れるチャンス!
です。
無謀と言われればそれまでですが、不安を感じるような時でないと一切を委ねるって感覚には近づけないんじゃないかなと思ったりします。
あと、本人からしたら不審者が来ないか心配ですが、周りからしたら公園で野宿してる方がよっぽど不審だから基本近づいて来ません。
こういうのも相手の立場で考えるですね。
次回は、「EP4.気持ちじゃどうにもならない」です。
お楽しみに!