「試食は一人1つまで」〜乞食布教と呼ばれて〜 EP5.旅人第一号との出会いと東京入り
調べて参拝した唯一の教会
四日市の次は名古屋(わずか40kmちょい)で一泊し、出発から続いた親族巡りも終了。
ここから先はただ東京に向かうのみですが、折角なのでいつか行ってみたいと思っていた教会に行く事に。
天理教愛町分教会
当時、噂で聞く程度の話しか知らず内心かなりビビッてました。
住所を調べて着いたものの自転車をどこに停めていいのか、勝手に参拝していいのか、天理教じゃないフリをした方がいいのか、悩んでうろつく姿は完全に不審者。
初代会長さんの銅像を確認してささっと参拝を済ませましたが、「タブーな事やっちゃってないか」とか「心を見透かされてるんじゃないか」とかホントにビビりまくる始末。
おかげで若干の視線を感じつつ、誰にも何も話しかけれず早々に自転車に跨る事になりました。
旅人第一号との出会い
名古屋を抜け静岡に向かっていると前方にバックパックを背負って歩いてる青年を発見。
実はその後ろ姿、数日前「ようぼく大会」に向けて車で移動してる時に見覚えがあったので話しかけてみると、
かなりのイケメンさわやかボーイ!!
どうやら彼(ショウくん)は大学生で、大阪から東京まで歩いて向かってるとのこと。
(彼の出発日のFacebook)
[スタート]
梅田HEP 4月18日22時
↓
[ゴール]
東京タワー 4月30日20時
これを目標に頑張ります!!
こんなことが出来なくて
将来なにができるものか。
人生で最大の味方であり、最大の敵は自分自身。その自分に打ち勝つためにもやるしかない!
やってやるぞー!!!
ここまで通ってきた道が同じだったこともあり会話も弾みます。
(ここでもあいの土山で盛り上がりました)
徒歩のショウくんに合わせて僕も自転車を降りてのんびり進んでましたが、愛知県の豊川市で二人の体力的にも時間的にも限界に。
雨も降ってきたのでマクドナルドで雨宿りする事にします。
独りだと狭い肩身も二人なら堂々たるもの。
足を伸ばしてくつろいで、くつろぎ過ぎて気付けば朝になってました。(お店の方ごめんなさい)
雨がしっかり降ってたので僕は延長確定ですが、一日でも休むと目標のゴールが絶望的になってしまうショウくんは大雨でも出発すると言ってます。
彼の無事を願って僕が持っていたサポーター(膝から足首までのタイツみたいなやつ)を渡し、東京での再会を約束し彼を見送りました。
(彼の当時のFacebook)
昨晩は目的地に辿り着けず
マクドで朝を迎えました。
初マクドの寝心地は
意外に良かったです!笑
そして、昨日はママチャリで奈良から東北まで行くという方と出会いました!(というよりも、話しかけて下さりました!)
なんと、その彼からサポーターまで貸して頂き、最強装備となりました!!サポーターあるとないとでは全然違う…
本日の愛知県は一日雨ですが、雨にも負けず、足にも負けず、自分に負けず!
"あわてず、あせらず、
あきらめず。そして、あかるく"
をモットーに
今日も55km程を歩きまっせ!
なかなか良いこと言う。
一方の僕はと言うと、再び独りになってからの籠城は天気・時間・店員・充電との、まさに四面楚歌状態。
(ちなみに出発前に用意したソーラー充電器は太陽からもコンセントからも蓄電できず、ただの充電対策してる風アイテムと化しました)
店員さんの「ナニカ注文シテクダサイ」攻撃を、ひと口ひと口時間をかけて味わう「スーパースローeating」でどうにか軽減しつつ、夕方には雨もだいぶマシになったので、ようやく僕も出発。
目指せ静岡→神奈川→東京です。
道中、
鯉のぼりに癒されたり、
妙に親近感を感じたりしながら進みます。
ちなみによく聞かれる服の洗濯ですが、
①泊まった公園で翌朝水洗い
②フルパワーで絞る
③下着&靴下は前カゴのロープに挟む
④シャツ&タオルはリュックや腕に干す
⑤走行中の風で乾燥完了
の5ステップです。
方針の転換
布教に向けての道中に色々想定してた僕でしたが、ここまで来て分かったのはやはり現実は予想通りにはいかないって事です。
当初の想定と現実をいくつか挙げると、
・食事は試食でいける→試食があるスーパー自体少ない、そもそも大通りにスーパーめったにない
・喉乾いたら川の水でも→どこにでも水道がある
・空腹感は無視→できない
・道中にをいがけでもしながら→全然進まない
・お風呂は最低限でいい→翌日に臨めない
などなど。
結果、東北までの道中は移動優先、布教は東北終えてからと割り切る事にします。
そしてここから、ショウくんに教えてもらった作戦が常套手段になります。
日が暮れる
→早々に風呂屋へ
→しっかり温まり休憩室で睡眠
→閉店で追い出されるように出発
という、お風呂に入れて睡眠もしっかりとれる夢のプラン!
寝起きに外気の寒さは辛いですが、入浴→睡眠の至福タイムはかなり魅力的でしかも閉店2時なら6時間近く寝れるので即採用。
極楽湯に行った時は確実に「ここはこのよの~♪」って歌ってました。
静岡にて
無事に静岡入りを果たした僕でしたが、この頃になると公園はもちろんバス停や店の軒下など見える景色全てが
寝れるかどうか
という基準になります。
屋根がある=寝床候補 ですが、肝心のベンチはかなりの割合で手すり付き。
僕予防としか考えられません。
そして、歩道橋の下や高架下など「これは!」という場所には大抵フェンスが張られてます。
なんだか、同じ境遇だった先人とそれを防ぐ側の歴史みたいなものを感じました。
そんな感じで寝床の目星を付けながら進みますが、通り道に教会があれば参拝させてもらいます。
「感謝 慎み たすけあい」
の親近感と安心感ハンパないです。
ちなみに、ほとんどの教会では僕の恰好と荷物見て
「おぢば帰りですか?」
て聞かれますが、↑の教会では
「これから単独布教ですか?」
でした。
これ言われたの後にも先にもこの時だけで、まさか言われる事無いと思ってたので衝撃の発言!
聞いて下さったのは前会長夫人と思しき方でしたが、
「そう思える時代を生きてこられたんだろうなぁ」
ってしみじみと感じました。
最大の難関・箱根
ショウくんと別れてから数日後、ようやく箱根の手前まで辿り着きました。
ここさえ越えればもう東京はすぐそこ。
箱根 14km
が見えます。
ママチャリなら1時間あれば約15km進むので山道なら途中自転車降りたとしても2時間あれば、というのが今までの経験からの僕の予想。
素晴らしい富士山を眺めながら気持ちよく登っていきます。
しかし、さすがは国道1号最高地点のある箱根。
全く漕げない勾配の坂をひたすら自転車押して登るのに3時間かかり、しっかりと心折られました。
疲れ果てていた僕でしたが、立ち寄った「道の駅 箱根峠」で一気にアゲてもらいました。
すっかり忘れてましたが、ここ箱根は「エヴァンゲリオン」に出てくる第3新東京市の舞台なのです!
テンションも上がり自転車に戻ると、僕の自転車の周りに人が群がっています。
どうやら停めた場所が箱根峠展望台のベストスポットだったようです。
「ちょっと、自転車出しますよー」なんて思いながら分け入っていくと、周囲の視線が、
箱根<僕
になりました。
それもそのはず、ベストスポットを妨げていた自転車には大量の洗濯物が干してありました。
この謎の自転車を怪しく思っていたところに持ち主が現れ、案の定の風体だったからか皆さんサッと空けてくれ、スムーズに出発できました。
芦ノ湖を越え、あとは箱根駅伝のコースをひたすら下ります。
下るだけなので楽なもんですが、小まめにブレーキしないと事故りかねない無限下り坂でブレーキ片方ブレイクされました!
片方のブレーキしか効かないのは寂しくなったけど、ここまで頑張ってくれて本当にありがとう!
第1ゴール到着
その後神奈川の小田原→横浜→川崎を経て、大田区に入り無事東京到着!
布教の先輩でもある兄貴分に会いに北上していると耳なじみのある音が。
カーン 、 カーン 、 カーン
間違いなく拍子木!!!!
次回は、「EP6.運命の出会いと東京滞在、そして東北へ」です。
お楽しみに!