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「試食は一人1つまで」〜乞食布教と呼ばれて〜 EP4.気持ちじゃどうにもならない

清々しい朝

不本意な展開からの野宿でしたが初野宿の感想は、

断ッ然野宿!!

です。
横になるって想像以上の効果で、色々気にしながら夜を越すくらいなら圧倒的に野宿一択。

ちなみに寝床にたどり着いた時は気づきませんでしたが、周りは民家もいっぱいで案の定住民の怪しいものを見る視線。

でも一晩越せばどうせ明日は次の公園だから

恥<睡眠

です。

素早く身支度を済ませ本日の移動スタート。

どうにもならないコト

早朝に出発し滋賀→三重に向かいますが何か違和感があります。

ケツが痛い!!

布教に出る前に散々心配されつつも、

守ってもらえる信仰者であれ!

と豪語していた僕には想定外の痛み。


心が折れるには十分過ぎる痛さで、「理解よりも体解が大事」だと痛烈に感じました。

そしてこのケツ痛を、

肉体が精神を凌駕した瞬間

に認定しました。

どうにもならないコト②

痛みはどうにもならないので耐えながら進むと、

道の駅 あいの土山

に着きました。

用を足す時は、お尻を労わって少しでも摩擦ストレスを減らす為に、ウォシュレットがマスト。

その時ある異変に気付きました。

ウォシュレットが止まらない


想像してみてください。
「止」を何度押しても洗われ続ける恐怖を。

すでにケツ痛に襲われている僕にとっては謎のサプライズ拷問

パニックになりかけながら頭をフル回転しますがウォシュレットは無情にも洗い続けてくれます。

あれこれボタンを押しまくり、かろうじて機能していた「乾燥」ボタンのおかげで事なきを得ました。

本当に危ないコト

気を取り直し、無事に鈴鹿峠を越え三重県入り。

ちなみに、携帯は電池を温存し極力使わないので、ナビは道路の案内標識頼り。

自転車で移動するにあたって気をつけなければならないのは、所々マジで轢かれかけるって事です。

路肩は急に凹みや段差があったり極端に狭くなったりするし、バイパスとかは自動車道じゃなくても、そもそも歩行者や自転車の想定してないからか路肩鬼狭+歩道無いという二重苦。

タイヤとられて変な方向に傾いたり、荷物のヒモでもトラックにひっかかったら一巻の終わりです。

文字通り、オワリDEATH!


実際に通った場所ですがイメージはこんな感じ。

車の脇を寝袋+リュックのママチャリが走ってるイメージです。

身の危険と好奇の目にドキドキしながら無事四日市まで。

親族宅に一泊
→百三十年祭に向けての「ようぼく大会」参加のため車移動
→四日市に戻り再開

という日程で、再び四日市に戻った後友人との夕食に向け出発。


食事をとり談笑していると、

友「ところで今日はどうするの?」

福「どこかの公園でも探して寝るよー」

友「さすがに家は親がびっくりするからダメだけど、車で良かったら使う?」

車!!!

地面 < ベンチ < 車 < 布団

という格付けなので、「車で良かったら」じゃなくて「車が良い」です。


友「朝はこれでロックして、キーはポストに入れて出発してくれたらいいから」

と、アナログ式のスペアキーを受け取り、外からリモコン式のキーでロックしてくれて別れました。

思いもよらぬ車中泊あらためソファー泊。

よく眠れそうです、おやすみなさい。

どうにもならないこと③

のはずが、目が覚めました。

時計を見るとまだ2時過ぎ。

寝床に体が慣れてないからかな?と寝直そうとするとともに、僕自身の尿意に気付きました。
それもものすごいやつです。

とりあえず外に出ようと鍵を開けた瞬間、

パーン!パーン!パーン!

と、けたたましいクラクションの音。

焦って鍵を戻すと鳴りやみましたが、寝ぼけ状態での突然の出来事に状況が全く理解できず、クラクションの音が寝床の車から出てるかも分かりません。

ガチャ。 パーン!パーン!パーン! ガチャ。

どうやら僕が犯人で間違いなさそうです。

尿意と戦いながら(防戦一方)調べてみると、盗難や車上荒らしへの対策でリモコンでのロックを手動で開錠するとセキュリティーアラームが作動するって事が分かりました。

仕組みが分かっても、密室×尿意 という地獄は何一つ変わりません。

最悪の事態も想定しペットボトルとかも探しましたが車内にそれらしいものは無く、なにより人様の車でのそれはなんとしても避けないといけません。

Yahoo!知恵袋で探したり車種と説明書調べたりして、エンジンかけてからならロック解除できるかもって事が分かりました。

他に打つ手無しなので、一か八か。

ガチャ、ブルルルルルル!(やった!エンジンかかった!)
パーン!パーン!パーン!
ガチャ、プスンプスン、、、

友人のご家族、近隣の皆さま深夜に何度も何度もごめんなさい、です。

いよいよなりふり構ってられなくなったので友人に鬼電して起きてもらい、部屋の窓からリモコンで開けてもらいました。


どうにか事なきを得ましたが、僅かこの数日だけでも
・シンプルにケツ痛
・止まらないウォシュレット
・軟禁状態での尿意
は気持ちじゃどうにもならないって事がよく分かりました。


翌朝四日市を出発し、見るだけのつもりで立ち寄った自転車屋で

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ジェル入りのサドルカバー購入。
(「尻も弱いし意志も弱い」というパンチラインが生まれました)


守ってもらえる信仰者であれ!

の気概でも、僕はお尻を守ってもらえる信仰者ではなかったようです。

しかしこれ以降、カバーのおかげかお尻が硬質化したからか、それとも守ってもらえる信仰ができたからか、痛みを感じる事はありませんでした。


次回は、「EP5.旅人第一号との出会いと東京入り」です。
お楽しみに!


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