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何のために準備するのか

みなさん、こんにちは。
雨やら何やらで5月に先発1試合、リリーフ1試合しか投げられなかった福谷です。
天気やピッチャーのやりくりなど、自分じゃどうすることもできないことが多いですが、登板が少ないという事実はしっかり受け止めてます。


前回のnoteで「何のために練習するのか」という問いに触れました。

練習の目的意識について書いたものというよりは、僕らは人間(動物)だからロボットを目指すのはいかがなものか、というポイントに行き着きましたよね。
そこから2週間近く経ちましたので、今回はその続き(だと、僕が勝手に思っている)テーマで書きたいと思います。
それは

何のために準備するのか

です。

僕は先発に転向してすぐヘルニアを患って離脱した経験、そしてみどりクリニックや球場で行ったリハビリの経験などから準備はとても大切だと思うようになりました。
他の選手より早めに球場に向かい、全体練習までにできるを準備をしっかりしようと意識してきました。

ですが、最近、準備についての考えかたが少しずつ変わってきています。
そのきっかけになったことに触れつつ、お話ししたいと思います。

①先発の準備とリリーフの準備

去年の夏過ぎから1軍ではリリーフとして、2軍では先発として、登板するようになってきました。(もちろん今後はわかりません)
先発として登板するときは、試合開始時刻に合わせて自分のペースで身体を温めたり、食事したり、ピッチングしたりします。
一方で、リリーバー(特にロングリリーバー)は1回から9回まで、何かアクシデントが起きたときに登板する可能性があり、いつ投げるかどうかは状況次第です。
2つの役割で1番違うのは、準備を合わせるタイミングと準備にかけられる時間ですね。

早めに球場入りし、時間をかけてでもしっかり準備しようと何年も過ごしてきた自分には、リリーバーとしての準備はとても短く、不足感があります。
ロングリリーフとしてベンチ入りするようになってから、活躍しているリリーバーを見ても、登板直前の準備をしっかりしている選手は少なく、中には「そんだけの準備で行けちゃうの?」って思うことも結構ありました。
でもしっかり結果を残すし、マウンド上ですばらしいパフォーマンスをするんです。
初めにその光景を見たとき、「準備こそ正義」くらいに思っていた僕にはショックでした。

②いつ球場入りする?

僕らは試合があろうがなかろうが、みんなで練習する時間が毎日決まっています。
ファームの場合、ナゴヤ球場で試合があるときは8時40分、試合がないときや本体が遠征に出ているときの残留練習は10時から始まることが多いです。

それぞれの選手が自分の好きな時間に球場入りしてから、シャワーを浴びたり着替えたりトレーニングしたりして全体の練習が始まる時間に合わせて動きます。
たとえば、去年、8時40分からのウォーミングアップのとき、僕は6時過ぎに球場入りしてました。

ほかの選手が何時に来ているのか、正確に記録したわけじゃありませんが、1時間くらい前にくる選手がマジョリティかなって思ってます。
球場に来て、着替えてそのまますぐ全体練習に入る選手もいますが、そういう人は、かなり早くきて準備をたくさんする選手と同じくらいマイノリティですね。

じゃあ肝心の「結果が出る人はいつ球場入りしてるの?」って話なんですが、長年活躍されてる中島さん、ワクさん、大野さん、タジさん、翔さん、松葉らを見るとほぼ全員がマジョリティである1時間くらい前でした。むしろそれより遅め(全体練習に近い時間)で来る人が多いかなって印象です。

  1. 先発の準備とリリーフの準備

  2. いつ球場入りする?

この2つの疑問(他にももっとあったような…)から、準備を減らしてみて、心と身体にどんな変化があるのかを試してみようと思いました。

何のために準備するのか?

しっかり時間を決めてやってるわけじゃないですし、「どれくらい準備を減らせるんだろう」と徐々に減らしたり戻したりを繰り返している感じですが、いくつか気づいたことがありました。

(毎度書いてますが、これは僕個人が感じたことで、皆さんに当てはまるとは思ってません。)

まずは

大差ない

です。
準備の時間を減らしたとて、その日のキャッチボールの出来やダッシュのスピード、ブルペンでの球速に大きな違いはありませんでした。
むしろ、準備をほぼせず(自分の感覚です)ブルペンに入ってみたところ、その前の週よりスピードが速いこともありました。

もうひとつは

全体練習で勝手に補おうとする

ことです。
キャッチボールやランニングで「ちょっとここの動き悪いな」と思ったところを練習のなかでトレーニングコーチに聞いて改善しようとしたり、プラスアルファでトレーニングを追加してもらうことが増えました。
もしかしたら、準備を少なくした分、全体練習をしてるときに、体力的に余裕だと感じたのかもしれません。
去年、アメリカに行ったとき、ブルペンデーの朝ストレッチをしてたら、他の選手から「ストレッチやウォーミングアップすると疲れちゃうから、あんまりやらない方がいいよ」ってアドバイスをもらったことを思い出しました。

体力的に準備を減らすことがプラスにはたらくことはありそう、そう思ってもゼロにするところまで僕はまだできていません。
それはなぜかなーって考えると、「パフォーマンスが落ちるから」ではなく「怪我したらどうしよう」という気持ちが強いことに気づきました。

「準備不足で怪我をする率が上がったら…そして怪我したとき、準備しなかったことを後悔するんじゃないか」

結局のところ、不安だから準備してるんですよね。不安を減らすために準備をするってことです。

もしかしたら、準備が多ければ多い人ほど不安が強い人なのかな…
なんてことを最近では考えるようになりました。

世界的なコーチの言葉

さいごに僕が好きな言葉をご紹介して終わりにします。
世界的に有名なコーチ、アンソニー・ロビンズさんの言葉です。

Most people overestimate what can be accomplished in a year. And underestimate what can be accomplished in decades.

訳すと『人は1年でできることを過大評価しすぎる。 そして10年でできることを過小評価しすぎる。』という意味です。

その日の準備を過大評価し、準備によって何とかしようと思いすぎず、長い目で、長い時間が過ぎたのちになっていたい自分を想像して、1歩ずつ進む感覚が、僕には必要なんだと思います。

資産運用で投資なんかをしてると、こういう考え方が大切なんだと思い知らされます。

このnoteも、力を注いで書きましたが、1つの記事を過大評価せず、積もり積もった記事たちで何か(誰か)がほんの少し動かすことができたら良いなと思ってます。

長文失礼しました。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました🙇‍♂️

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