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#150 山火事は続いています(民報サロン第2回)

2020.1.31 福島民報 民報サロン第2回 全文
「山火事は続いています」

2019年の10月から12月にかけて、震災復興支援のために組織されたJCSレインボープロジェクトのプログラム生として、オーストラリアに滞在しました。

福島の復興創生を担う人材に成長したいという自分の想いを、現地の皆様は全力で応援してくれました。

今回、海外で学び得たことを執筆するつもりでしたが、昨今の山火事についていてもたってもいられなくなり、原稿を大幅に書き直しました。

福島に住む多くの人々にオーストラリアの現状が届けば、と思い筆に力を込めます。


オーストラリアが山火事による未曾有の大災害に見舞われています。

コアラをはじめとした野生動物が10億匹以上亡くなっています。焼失した森林の面積は、執筆時点で日本の国土面積の半分近くにのぼっています。

火煙による健康被害が深刻です。消防団員から死者が出ています。約3000軒以上の住宅が全焼しました。ただただ凄惨な森林火災が、昨年9月から今まで続いています。

消防団員には、ボランティアが数多くいます。オーストラリア人にとって、クリスマスは家族と過ごす大切な日。

そのクリスマスに、数百人のボランティア消防隊が活動したとのことです。

現在、何千人もの地元住民が、自分の命と生活をかけて、被害を防ぐために慈善活動をしています。

あるボランティア団員が取材を受けていました。

その方は、自宅が燃えていることを知りつつ、別の建物を守るという指示を遵守したといいます。続けて、任務のために消防署に戻り1日過ごし、次の日の朝、家を見て1人涙したと答えます。

なぜ家に戻らなかったのか。

「自分の家はとても気に入っていたけど、所詮はモノだからです。自分はそれより大切な人々やコミュニティーを守ることを優先できた。だから後悔はありません」。

その方は現在、避難しながらも、消防ボランティアを続けています。

オーストラリアの消防隊は、東日本大震災が発生した翌日、直ちに緊急捜索救助隊を編成し、すぐに日本に駆けつけています。

冒頭で申し上げたJCSレインボープロジェクトは、2011年5月にシドニーで発足し、東北の若者を対象としたグローバルリーダー育成プログラムの企画や、3.11関連イベントなどを通年開催しております。
なお、この組織はチャリティー団体です。東日本大震災発生直後、そしてその後何年にも渡り、日本はオーストラリアから数多くのご支援を受けています。

山火事に関する必要な支援はたくさんあります。

消防団員への支援。避難者への食料供給。先住民コミュニティーへの支援。野生動物の保護・治療。観光分野も大打撃を受けていることは容易に想像できます。

自分自身、オーストラリアに多大なご恩があり、今のこの現状は他人事と思えないのです。
なんとかしたい。

僕は、福島市民向けに英語教室を開催していますが、当面の間その参加費を全額支援団体に寄付することにしました。
また、可能な限り、関わる活動全てで寄付箱設置をお願いしています。これらを通し、継続した寄付活動・情報発信に努めます。

「山火事は続いています」。

多くの人々がオーストラリアに想いを寄せてくださることを願い、筆をおきます。

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