傾斜をどうしても解消したくて...
ひっさしぶりの投稿です。一応仕事はしています。新型コロナの影響か当方の営業不足かは存じませんが、こんなことをやる時間があります(^^;)
さて、当方の福祉タクシーはトヨタのノアを使用しています。車椅子は2台乗車できますが、2台目(後方)の位置は床面が後部のスロープに合うよう後方に約10度傾斜しています。開業して以来2台の車椅子でご利用いただいたことはなかったのですが、9月20日に初めて電動車椅子2台を搬送するご予約をいただき、事前に自ら体験すると気になる傾斜角だと気づきました。平たん路でも長距離だと首がだるくなるでしょう。また2台目の車椅子を少しでも後方寄りに固定するとハンドグリップが立てたスロープに当たります。この問題も解消したいと…。(y軸の傾斜です)
まだあります。この後方への傾斜はストレッチャーにも影響し、例えばシーツを敷いていると上り坂で利用者様の身体が足方向に少しずれてしまうことがありました。シーツを外せば良いのかも知れませんが自宅ベッドからシーツを担架代わりにしてストレッチャーに移乗することがあり、一旦外しても診察台に移動するときに再びシーツを差し込むと何度も利用者様に負担を強いることになります。この点でもやはり傾斜は解消したい…
ということで、何か良いものはないかとホームセンター、福祉用具取扱店、自動車用品店、自転車屋などなどなどを駆けずり回りようやく試作1号を製作しました。使用するのはホームセンターで発見した木製タイヤ止めです。
これを加工して車椅子やストレッチャーのタイヤの下に差し込んで高さ調整しようと考えたわけです。安定性向上のために車椅子やストレッチャーの後輪がタイヤ止めから脱輪しないよう溝を掘ります。
溝の幅と深さを決めてまずノコギリで数か所切込みを入れます。
次にノミで彫りこんでいきます。
木工やすりで溝の表面を処理し、その他の箇所も面取りします。
両方とも加工が終わりました。
最後に表面・裏面にラバーを張り滑り止めと傷つき防止にします。
私の母(82歳)を車椅子に乗せて近所の坂道を登ってみました。車止めなし・車止めありの2回、同じコースを走行して感想を聞きました。
y軸が前出の10.4°から0.7°に改善したことが分かります。
ハンドグリップが立てたスロープの縁より上に出ました。それにより車椅子をもう少し後ろに下げることもできます。
車椅子・ストレッチャーの位置決め・微調整に少し時間がかかってしまいますが、利用者様の乗り心地が向上し、2台目車椅子利用者の目線が高くなり前方が見やすくなりました。また顔の高さが上がったことでドライバーからお顔の様子をミラー越しに確認しやすくなりました。他にも良い方法が見つかるかも知れませんが、現時点では大成功と言えます。
最後にざっくりした費用をご紹介します。
☆材料☆
・タイヤ止め = 1200円ほど (ロープは最初からついていました)
・ラバーシート = 1000円ほど (ゴム臭のしないもの)
☆工具☆
・作業台 = 2300円ほど (バイス機能があります)
・接着剤 = 1000円ほど (万能強力なもの)
・ノミ・トンカチ・ノコギリ = 0円 (中学生時の技術で入手)
合計 = 5500円前後でした。
今後も必要に応じて安全性・快適性を考慮しつつ改良していきたいと思います。最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
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