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「ふくしに関わる人図鑑をつくろう」 デザイン編集会議 + フィールドワーク を開催しました!【ふくしデザインゼミ 2022-23】
こんにちは!ふくしデザインゼミメンバーの飯田です。
9月17日(土)、「ふくしデザインゼミ」の第1弾「ふくしに関わる人図鑑をつくろう」のデザイン編集会議 + フィールドワークを開催しました!福祉のしごと、魅力、地域との関わりを取材し、文章を書き、編集を経て1冊の冊子をつくることで、福祉を捉え直していこうという本プロジェクト。今回は、いよいよはじまる福祉法人を舞台とした取材・フィールドワークをオープンな1DAYプログラムとして実施しました。
この記事では、当日の様子をメンバー目線でレポートしていきます!
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■ オープニング
朝10時、八王子駅近くの社会福祉法人武蔵野会の本部に関東各地から学生が集結。1DAYプログラム、スタートです!
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はじめは全体で自己紹介をすることに。
名前・所属だけならふつうの自己紹介ですが、「福祉・デザイン・編集と〈私〉との距離感」が項目のひとつに挙がっていることからも、「ふくしデザインゼミ」がいよいよ始まったのだと高揚しました。
なかなかふだん考えることのない、3領域との距離感というテーマに悩みながらも、参加者それぞれがいまの自分の話をしていきます。「ふくしデザインゼミ」に集うだけあり、福祉・デザインに主軸をおいて学んだり活動したりしている人が多いですが、自分と各領域との距離感に、揺れたり迷ったりしながら関わっている様子です。
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そんな面々が一堂に会して、「ふくしに関わる人図鑑」をつくるプロセスを共にすることで、自身の揺れや迷いを許容できたり、あるいは各領域への向き合い方が変化したりするのかな、と終了後の姿にも思いを馳せ、期待が高まっていきました。自己紹介から、みなさんが「ふくしデザインゼミ」にワクワクを感じて参加していることが伝わってきて、私も胸が高鳴りました。
■ レクチャー
いよいよ田中さんと小松さんによるレクチャーが始まります。
まずはデザイナーの田中悠介さんから「ふくしデザインゼミ」の概要について説明があり、このプロジェクトの意義について理解を深めました。
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福祉やデザインという分野の垣根を超えた実践的な学びの場、ふくしデザインゼミ。大学院でデザインを学ぶ私にとっても、デザインという言葉の持つ意味や力を捉え直す機会になるだろうという期待感がどんどん高まります。
つぎは、小松理虔さんによる編集や取材、インタビューにおいて大切なことについてのレクチャー。バスに乗って見える風景やインタビュー中の些細な仕草一つとっても、読み手の想像の解像度を高くするための重要なディティールになるという内容が強く印象に残りました。
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小松さんの「今日は何一つ見逃さない姿勢で臨んでください」という力強い言葉。これから起こることやここで得られる学びをとりこぼさないぞ、と気合の入る時間になりました。
■ 昼食
レクチャーを終えてからは、いよいよ2班に分かれてのフィールドワーク。私の班は先に本部で昼食をとりました。メニューはホットサンド、クロワッサン、マスカットのロールケーキ。なんと八王子福祉作業所で製造・販売されている商品なんです!
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はじめて顔を合わせた参加者のみなさんと和気あいあいとお話しながら食べたそれらは、どれも美味しくて、ほっとする味わいでした。これから向かう福祉作業所で利用者の皆さんによってつくられているということで、よりフィールドワークが楽しみになりました。
■ フィールドワーク
昼食を食べ終え、バスに乗って八王子福祉作業所(通称、八福)へ見学に向かいます。
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八王子のまちなみを眺めながらバスに揺られること15分。通りのバス停で降車し、閑静な路地を歩いた先に、八福が見えてきました。
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手前に見えるのは「hachi well Lab Cafe」
私の班の八福の案内は、施設長の松岡 利明《まつおか としあき》さんがしてくださいました。土曜日は作業はお休みですが、余暇を過ごすためにたくさんの利用者さんがいらしています。
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ちょうど食堂で手芸教室が開かれていて、縫わずにつくるポーチ制作にいそしむ方々がいたり、ラジカセで音楽を流していっしょに口ずさむ方がいたり。各々が過ごしやすいよう過ごせる雰囲気があり、同じ空間でも思い思いに楽しむ様子が広がります。
なんだかとても心地の良い場所でした。
ひと通り見学を終えたあとは、職員の正岡 直樹さんに資料を交えて八福の説明をしていただきました。
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特に就労支援について、職場への定着や新たな職場の開拓について熱く語ってくださったのが印象的。離職後には作業所にもどってこれる環境が整っているから、安心して挑戦できるという支援のあり方に、八福・武蔵野会の矜持を感じました。
■ インタビュー
場所は変わって本部に戻り、いよいよ施設長の松岡さんにインタビューです。はじめは小松さんがインタビューしている様子を観察し、ひたすらメモをとります。プロの仕事を間近で見て、その凄さを肌で感じます。
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趣味はバイクなんだとか
インタビュー内容だけでなく、松岡さんの仕草、話しぶり、声色、表情など細部も見逃すまいと観察&メモ。松岡さんのお仕事の様子や武蔵野会への思いだけでなく、普段の姿、過去のお話まで、松岡さんという"人"にスポットをあてた内容を巧みに引き出していく様子に、思わず感嘆の声が漏れました。
目まぐるしく変わる話題になんとか食らいつこうとペンを走らせつつ、この内容からどんな記事を構成するのかを頭の中で想像していきます。最も松岡さんらしさが伝わる構成要素は何なのか、どんな風に言葉やエピソードを編集していけばよいのか考えながら、ひたすら手を動かしました。これを小松さんはお一人で質問しつつメモをとりつつやっているのか…と思うと信じられません。
小松さんのインタビューが一通り終わると、参加者からもいくつか質問をさせていただくことに。「ここは松岡さんらしさにつながりそうだから、もっと掘り下げたい!」という部分を質問に落とし込んで聞いていきます。
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小松さんのインタビューからさらに深く掘り下げた質問や、異なる視点から切り込んだ質問などが様々に飛び交いました。松岡さんという人の生態を調査しているようで、まさに「ふくしに関わる人図鑑をつくろう」そのものでした。
■ デザイン編集会議
インタビューのあとはグループに分かれて編集会議。「松岡さんを構成する6つの要素」をテーマに、情報を編集していきます。
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今回は図鑑にまとめていくので、ビジュアル化できるかという観点も大切にしながら松岡さんらしさの表現の仕方を議論していきます。6つの要素に加えて、もうひとつのお題「松岡さんをあらわす25字以内のキャッチコピー」も考えていきます。
すべてを伝えきれなくても読者に松岡さんの魅力が伝わり、会ってみたいと思ってもらえる図鑑にしたい!という思いをもちながらのディスカッション。それぞれのグループで出た意見を全体で共有すると、たくさんのキャッチコピーが!同じインタビューの時間を過ごしていたのに、こうも切り口が違うものかと驚きました。
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キャッチコピーによって魅せ方も編集も変わっていくことがわかり、私たちはここまでパズルのピース集めをしていて、みんなでそのピースをどこにはめるのか、どんな完成図を描くのかを考えているのだと感じる時間となりました。
■ クロージング
長いようで短かった一日もあっという間に終わり、ふりかえりへ。最も印象に残ったことと、疑問やモヤモヤ、引っかかりポイント、もっと深堀りたいことを共有していきます。
濃密な一日を通して、それぞれに福祉やデザインとの距離が変わってきたのを感じます。特に、チェックインでは編集について「あまり知らない」「1番距離が遠い」と話していた学生が多かったのですが、ふりかえりでは編集についての疑問や深掘りたいこと、気づきなどを言葉にしていました。
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一日を通して、私も含めてあまり馴染みのなかった編集という領域にも少し近づけたのではないかと思います。これからプロジェクトに取り組んでいくことを通して、福祉・デザイン・編集と自分との距離感がどんどんと変わっていき、まったく違う世界が見えるかもしれないと思うと、ワクワクします。
■ 感想!
とても濃く、充実した一日でした。普段使わない頭をフル稼働したせいか、脳の筋肉痛になるのでは…と思うほど。でも疲れと同時に、充実感やこれからへの期待感が満ち満ちていて、とても心地よい感覚でした。
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福祉を学びデザインに挑戦している学生としても、本当に学びの多い時間でした。福祉だけでもデザインだけでも実現できないことを、様々な分野を横断して実践的に学びながら進んでいくのだとプロジェクトの醍醐味をしみじみと感じることができました。
また、同じく様々な分野で学びを深める学生のみなさんとともに時間を過ごせたことがとてもうれしいです。これからも「ふくしデザインゼミ」を通して様々な方と出会い、たくさんのことを吸収できることに、ますます期待が高まっています。
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小松さんの顔に注目